見出し画像

骨盤ベルト~エビデンスから使い方まで~


出産後、骨盤を締めなきゃ!

多くの女性がそう考えます。

私もそうでした。。

そのために必要な「骨盤ベルト」と考えがちですが骨盤ベルトは体型を維持するために使うものではありません。

必要性を考えながら使っていく必要があります。

今回は『骨盤ベルト』をテーマにお伝えしていきます。

骨盤ベルトのエビデンス

骨盤ベルトについてエビデンスや文献があるかを調べてみました。

まず最近新しくなった産婦人科診療ガイドライン2020で確認しましたが

特に骨盤ベルトについての記載はありませんでした。

骨盤ベルトについて記載している文献はあまり見当たらなかったのですが

私はこちらを読んで妊娠中は長期での使用をお勧めしていて長期で使用するには専門家の指導が必要ですと読み取りました。

こちらの論文ではエビデンスは不十分とも書かれています。

『妊娠に関連した腰痛と骨盤痛への介入方法における国外文献の検討』

忙しくていろいろ読めないという方にはこちらの文献をお勧めします。

国内の文献のみですがすごくわかりやすくまとまっているように思います。
『妊産褥婦における骨盤支持の目的と方法および効用に関する文献検索』


文献を確認したところエビデンスが必ずしもあるとは言い切れないようですが効果があると感じる方も多いと捉えました。また専門家の運動指導やつける位置などのアドバイスも必要と思われました。

骨盤ベルトの目的

ますは骨盤ベルトの役割を考えていきたいと思います。

骨盤ベルトをすることで

骨盤のゆがみが変わる

骨盤矯正の代わりになる

太りにくい

なんて考えてしまいがちですが

骨盤ベルトの目的は

妊娠・出産によって不安定になった筋肉や靭帯を安定させて痛みを予防したり軽減したりすることです。

骨盤ベルトの必要性を考える

どうやって必要性を考えたらよいでしょうか。

冒頭のように誰でも彼でも必要ではなく、ちゃんと必要か必要でないかを見極めが大切です。

ベルトをしていて安定して動くことができる方はつけていてもよい

と思います。

例えば

・出産直後(3週間くらいまで)(腹筋も靭帯も伸びているため)

・妊娠時に安静にしている期間が長かった(筋力が落ちている)

・骨盤がグラグラして不安定

・骨盤周りに痛みがありつけているとラクな場合

・重たいものを持つとき

・恥骨離開がある

・2人目の出産で上のお子さんの抱っこや家事を積極的に行わなければならない場合

などです。

骨盤ベルトをつける時期

いつまで産後の骨盤ベルトを使たほうがよいのか??

これもよく質問されます。

どうしてよいかわからずずっと1年くらいつけていたという方もいらっしゃいました。

だいたい産後1か月程度で骨盤周りの関節が落ち着いてきます。

そのため

骨盤ベルトは産後1か月程度で外す

のが目安だと思います。

でも

・つけなくても痛みがない

・グラグラする感じがない

など大きな問題がないのであれば

骨盤周りを安定させるエクササイズを行い

できるだけ早い段階で外すことが望ましいと思います。

また、ベルトを外す時もいきなり一日中外してしまうのではなく

徐々に使用時間を短くすることをお勧めします。

産後1か月過ぎ痛みがない方であれば例えば

忙しい午前中だけ

疲れがたまる夕方だけ

アクティブに動くときだけ

など体に負担が強くかかる時だけ使うことが一番望ましいかなと思います。

骨盤ベルトのデメリット

骨盤ベルトをつけている事でのデメリットもあります。

骨盤周りを締め付けているので、

・筋肉がそれに頼ってしまい筋力低下が起きる可能性がある

・血管や筋肉を圧迫するので浮腫みなどもなかなか引きにくくなる可能性がある

・締めすぎてかえって骨盤周りの痛みが出現することがある

・骨盤が締まりすぎて骨盤底筋に負荷がかかることがある(骨盤底筋の負荷が強まると尿漏れの悪化の原因にも。)

・つけるのが煩わしい、座るとき邪魔になるなど日常生活での不便

などがあります。

上手にベルトを使いこなすことが必要なのでぜひ理学療法士など専門家にみてもらい判断してもらうのがおススメです。

産後の骨盤ベルトのつける位置はどこ?

ポイントは股関節にかからないことです。

横のお尻を触ったときに骨の出っ張りがあると思いますがそこにはかからないようにベルトを巻きます。

画像1

ベルトの下端の位置は

ベルトを付けてから立った状態で足を外側に開きます。

足を外に開こうとしてベルトが引っかかったり、あげにくかったら下すぎます。

ポイントは

・図にある大転子(お尻の横にあるぼこっとした骨)にベルトがかからないように巻く

・前と後ろと水平になるように巻く

ことです。

産後の骨盤ベルトを巻くつよさは??

文献でも特にき骨盤ベルトの巻き方は、記載されておりませんでした。

きつすぎても骨盤周囲の痛み、尿もれの原因となってしまいます。

緩くても効果は得られないので手のひらが出し入れできるくらい

余裕を持たせるといいかなと思います。

産後の骨盤ベルトは寝るときはつけるの??

できるだけ筋肉や血管の圧迫を防ぐためにも寝ている間は外し

重力に抗して動作をするとき(立って作業するときなど)に使うと良いと思います。

ここを知らずにずっとつけてしまう方がいらっしゃるので要注意です。

寝るときに痛みがあり骨盤ベルトをつけると楽になる方は個別で専門家に相談されていると良いかもしれません。

どんなタイプがおススメか

意外と妊娠してすぐに購入される方もいらっしゃるのでまずは手持ちのもので上手く使えないか工夫します。(再度購入してくださいってお伝えするのは心苦しいですしね。よっぽど合わないのではないかぎりつけ方などを工夫してよい効果が得られるようにお伝えします)

もしこれからご購入される方の私のおすすめポイントは

・ベルトは両方向からベルトの強さを調整できるもの

・太過ぎないもの(股関節にかかり股関節が動かしにくくなってしまったり、座ったときなどずれてしまうことが多いので)

をお勧めしています。

これだけだとどんなベルトが良いかわからないという方はこちらのサイトを

ご確認ください。

私ももっていていろんな方に試してもらってとっても好評です。

難点は少し高いことでしょうか。


今回は骨盤ベルトの文献とともに必要性などをお伝えしました。

今後も更新していきますので応援よろしくお願いします。

ジーハンズ SACHIでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?