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ショートショート『君に贈る火星の』

”君に贈る火星の権利”

散歩中、見知らぬ男から突然渡された封筒に書かれた、謎のメッセージ。
どうやら俺は、火星の権利を得たらしい。

土地の権利書でも入っているのかと封筒の中身を確認してみると、出てきたのは印のついた地図だった。

「あれ、これってあの公園か?」

「ちょうどこの辺りだな」


印の指す地点に到着した俺は、不自然に盛り上がっている地面を発見。どう見てもここに何か埋まっている。

まるで宝探しゲームのようだ。無我夢中で掘り起こすと、イメージ通りの宝箱が姿を見せた。

高まる期待。ワクワクしながらそっと箱を開けてみる。


「…なんだ、やっぱりただのいたずらか」

そこには、大きな赤い円が描かれた一枚の画用紙が入っていた。
これが火星とでも言いたいのだろうか。はたまたゲームの「正解」を示す赤丸か。

諦めて帰路につこうとしたその瞬間、スマホにニュースアプリから速報が入った。

”盗まれた絵画「火星」に懸賞金100億円!”



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