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グランドセントラル駅での愛の抗議デモ

このところ、嘘やまやかしの星が続いていて(いて座の新月と星々の予報、かに座の満月と星々の予報)色々と調べていたら、本当に情報やメディアの世界が混乱していることがわかりました。

それで、前々からやりたいと思っていた、わたしに入ってくる海外情報を、翻訳要約して、時にはそのまま翻訳して、お送りしたいと思います。日本のニュースを見ていても、何が何やらわからないのです。

もしかして、わたしだけ?と、思って周りの人たちに聴いても、やはり、状況把握ができている人は、今のところ・・ゼロ。もちろん、多国言語ができる人や、海外在住の人はわかっている人も少なからずいるとは思います。けれど、日本にいて、日本語のニュースだけを聞いていると、世界情勢と、世界の中の日本を理解するのは難しいと思うのです。

なので、時々「これは知らせたい」と思うニュースを要約翻訳して、お送りします。

今回は、ニューヨーク市の主要駅のひとつであるグランドセントラルステーションで、ユダヤ人が中心になって行った、パレスチナ攻撃即時停止デモの様子を要約翻訳します。

背景

2023年10月7日に、パレスチナ人の武力勢力グループであるハマスが、イスラエルのユダヤ人たち1000人以上を殺し、その一部の女性たちに惨い性的暴力と殺戮を行いました。それに対し、イスラエル政府が、制裁という形でパレスチナ人の住むガザ地区を攻撃していることに、アメリカのユダヤ人たちが反対している、そのデモです。イスラエルは、ご存知かと思いますが、ユダヤ人の国です。

もちろん、10月7日のイスラエルへのゲリラ攻撃はむごいものでした。女性たちが性的暴力を受け、酷い殺され方をしたビデオがイスラエル側から流され、ユダヤ人たちは震撼としています。そのため、アメリカのユダヤ人全員がパレスチナへの制裁に反対しているわけではありません。意見は分かれています。

けれど、イスラエルのパレスチナ人完全支配のこともあり、ニューヨーク市のユダヤ人たちが「わたしたちの名(ユダヤの名)において(このような蛮行は)やるな」と言う意味の『我々の名におかず』Not In Our Nameとスローガンを掲げ、反論しています。(ニューヨーク市には、多くのユダヤ人が居住している)

ユダヤ人は、第二次世界大戦中、ナチスドイツ軍のホロコースト、無残な民族浄化暴力を経験しています。そのユダヤ人である我々が、同じように、パレスチナ人たちの民族浄化暴力を行うことは、赦されない、という意味です。

以下のレポートは、アメリカでの反対運動の最初の大きなきっかけの一つとなった、グランドセントラル駅でのデモの様子と、参加者の声を拾い上げたものです。デモが行われたのは、10月27日金曜日の夕方でした。金曜日の夕方は、ユダヤ教では祈りの時間です。

Grand Central Terminal Station Sit In

"Not in Our Name" (我々の名におかず) Democracy Now!

概要
金曜日のラッシュアワーに『平和を願うユダヤ人の声』のグループと、その賛同者たちが、グランドセントラル駅で行った座り込みデモの様子を伝える。ニューヨークでは、過去20年で一番大きな市民によるデモだった。

ユダヤ人を中心とした、人種や国籍を超えた人々が数千人集まり、約400人が逮捕、拘束された。中には、ラバイ(ユダヤ教指導者)、著名な俳優たち、ニューヨーク州議会議員、上院議員、そしてニューヨーク市市議会委員たちも含まれていた。多くの人たちが Not. In Our Name のTシャツを着ている。

金曜日の夕方は、ユダヤ人たちは祈りを捧げる日。背景では、祈りの歌が歌われている。

人々の声

Rozalind Pethesky: イスラエルのパレスチナ人大虐殺に反対する。パレスチナ人たちは75年もの間(イスラエルの)抑圧の犠牲になっている。わたしのパレスチナの大切な友人モハメッドが、家族とガザ地区に住んでいて、昨日、もう少しで爆撃の犠牲になるところだった。こんなことが続いてはならない。わたしは、イスラエル国よりも歳をとっている。そんなわたしの知るユダヤの教えでは、公平さと平和が重要だと教えている。平和を今すぐに!攻撃全面停止を今すぐに!バイデン大統領、ブリンケン外務大臣、市民の声に耳を傾けなさい!特に、若者たちの声、そして、多くのユダヤ人たちの声に!

Indya Moore: わたしは、ユダヤ人たち、トランスジェンダーの人たち、黒人や褐色の肌の人たち、その他、あなたとわたしのようなアメリカ人と一緒に立ち上がり、わたしたちの税金が、パレスチナ人大量虐殺に使われることに断固反対します!正義と、パレスチナ人の解放を求めます!

Sumaya Awad: なぜ、グランドセントラル駅でこの抗議運動をするかといえば、ここは、NY市民の日常生活の象徴のような場所だからです。わたしたちは、通勤や子供達の迎えなどに、日々この駅を使います。平和な日常生活を奪われたガザ地区のパレスチナ人たちにも、同じような日常を取り戻して欲しいと思うからです。

Dr. Steve Auerbach: 僕は、NYの(ユダヤ人)小児科医です。我々ユダヤ人小児科医の多くは、パレスチナの子供達とその家族の虐殺に反対だ、と表明しに来ました。今すぐに、攻撃全面停止を求める。

そして、今ほどNY州認定の小児科医であることを誇りに思うことはない。10月13日にアメリカでも主流の小児科医学雑誌「American Academy of Pediatrics」にこう書かれている。

『我々は、イスラエルの子供たち、そして、ガザ地区の子供たち、すべての味方である。すべての子供たち、そしてその家族たちを、平等に愛している。今すぐ、全面攻撃停止を求める』

しかし残念ながら、殺戮は続いている。アメリカ合衆国は、今すぐ攻撃全面停止へと、先頭を切って声を上げてゆくべきだ。僕は、18人の攻撃全面停止を求めた下院議員たちを誇りに思う。

人々の上に爆弾を落として殺すのは、ユダヤの教えではない。

Sen. Jabari Brisport: 僕は、ブルックリン地区代表の上院議員だ。人質の解放と、ガザ地区への支援物資搬入を可能にするために、今すぐ、攻撃全面停止を求める。そして、パレスチナ人領土での暴力と破壊を支援している、偽チャリティ事業を止めるために、活動している。1週間前に逮捕されましたが、今回は、逮捕は他の人たちに譲ります。

Assemblymember Zhoran Mamdani: アストリア(NY市内クイーンズ区の1エリア)の一部と、ロングアイランドシティの議員です。2週間前に、チャックシューマン上院議員の家の前で、即時攻撃全面停止を求める抗議運動をしましたが、公的秩序を乱したとして、市民的不服従の罪で逮捕されました。2週間前に逮捕されたので、今日は逮捕されません。一度逮捕されたら、すぐには逮捕されない、と言われました。

多くのNYのユダヤ人たちは10月7日の事件で、心を痛め、悲しんでいます。けれど、それを、パレスチナ人大虐殺を正当化する理由に利用するのは間違っています。この2週間半の間にすでに(10月27日時点)7000人のパレスチナ市民が殺され、そのうち3000人が子供達です。15分ごとにパレスチナの子供一人が殺されているのです。NY市と州のユダヤ人の多くが、このパレスチナ人の大虐殺に反対しています。今すぐ、攻撃全面停止を求めています。声を上げないということは、虐殺を支援している、ということになります。

Councilmember Sandy Nurse: ニューヨーク市37区の議員です。ユダヤ教徒、イスラム教徒、そして賛同者たちと連携し、パレスチナの自由と独立を応援しに来ました。パレスチナ人が、イスラエルの軍事的植民地下から解放されること、イスラエルが大量虐殺を終わらせることを求めます。そして、わたしたちの税金が子供たちに爆弾を落とすために使われることに、反対します。平和的解決方法があるはずです。

Jocelyn: 逮捕されても、仲間たちと声を上げます。なぜって、わたしの手も血に染まっているから。わたしの税金が(この殺戮に)使われているのですよ。デモをすることが、最低限わたしにできることです。(彼女はこの時逮捕される)

Phile: (逮捕されながら発言)僕は、フィリピンの難民キャンプで生まれました。僕は、ベトナム人です。そして、帝国主義の犠牲者です。だから・・同じようなことが繰り返されるのを見ていられません。このまま(大虐殺が)続けられるのを見ていられません。

Jane Hirschman: わたしがなぜここにいるか?わたしの両親はホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人民族浄化大虐殺)の生き残りだからです。両親の経験を通して一つ学んだことは、同じことが決してどんな人にも繰り返されてはならない、ということです。イスラエル政府の行動に賛成できません。ネタニヤフは、ガザ地区への攻撃をやめるべきです。

わかってますよね。今回のことはハマスが始めたわけじゃありません。1948年に、ユダヤの国を作るために750000人のパレスチナ人が、ずっと暮らしてきた土地を追い払われた時に始まりました。今、ガザ地区に住んでいる人たちは、1948年のマクバ(大虐殺)で、現在のイスラエルからガザ地域に追いやられた人たちです。

その人たちを、イスラエルのユダヤ人たちは抹殺しようとしているのです。あるいは、再び追い払おうとしているのです。これは、止められなくてはなりません。ユダヤ人、わたしたちアメリカのユダヤ人は、「我々の名において殺すな!我々の税金をこんなことに使うな!こんな大虐殺をわたしたちの目の前はもちろんのこと、2度と決してで行うな!」そう言わなくてなりません。

わたしは今日逮捕されます。ええ、家族みんなできています。娘と孫娘は外にすでに出ているので今日は逮捕されませんが、家族13人みんなでここにきています。

抗議の人たち: 2度と繰り返すな!2度と繰り返すな!どんな人にもやってはならない!イスラエルよ、2度と繰り返すな!!

抗議の人:わたしは、今大虐殺を経験しているガザ地区の人々を応援するためにここにきています。わたしたちの(アメリカ)政府がこんなことを起こしているなんで最悪です。だから、グランドセントラル駅をみんなで閉鎖して、伝えたいのです。わたしたちは、こんなこと、決して許さない!と。

Joyce Ravitz: (杖なしでは歩けず、警察官に補助されながら逮捕されているユダヤ人女性)わたしたちは、互いを殺し合うのを止めなくてはなりません。ハマスを撲滅することは不可能なのです。ハマスという組織を消滅させることは、できるかもしれません。ガザ地区の人たちを消すことは、できるかもしれません。ガザ地区の人たちを皆殺しにすることは、できるかもしれません。けれど、思いは決して消えることはないのです。「自由」を求める人のこころは、決して消滅しないのです。

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おしまいに

グランドセントラル駅

グランドセントラル駅は、上の人も言っていたように、NYに暮らす人たちには日常生活の一部です。東京で言えば、新宿駅や東京駅といった感じです。多くの地下鉄線の駅があり、遠距離電車も出ています。わたしも、特に10代の頃はいつも使っていました。

この駅は映画にもよく出てきますし、最近では韓国の男性グループBTSも数年前にこの駅でONという、わたし的には、BTS最高峰の曲を披露しています。なぜ、駅で撮影?と思いましたが、確かに美しい駅で、NY市の象徴的な建物の一つです。(その時のビデオが貼り付けられたFBのページのリンク↓↓)そんなところだからこそデモを行った、ユダヤの人たちと、賛同者でした。

https://www.facebook.com/watch/?v=573907866666415

最近(12月)には、もう一つの主要駅、ペンシルベニア駅の周りでも、大規模な即時停戦デモが行われています。

COVID19が始まる前にNYに戻ったときに撮った、グランドセントラル駅のメインコンコース。
ちょうど、このデモが行われていたところ。
この時は、路線に乱れが出て、駅はざわつき、みんなが情報を集めている。
駅の北側のバルコニーから見たグランドセントラル駅の様子。
天井には、占星術の星座の美しい絵が描かれている。
10代の頃、電車の待ち時間にこの景色を前に、よく本を読んでいた。

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Democracy Now! について、そして日米のマスメディアの対応

Democracy Now!は、ニューヨーク市に拠点を持つ、テレビ、ラジオ、インタネットのニュース番組。兵器製造に関わる企業や、政治団体などからの献金を一切受け取らず、ほとんどが一般市民の寄付によって運営されている。(わたしも毎月寄付している)現場主義を第一に、マスメディアが取り上げない、あるいは、圧力によって取り上げられないニュースなども積極的に出す番組で、わたしはその取材の仕方と、題材の選び方から、アメリカで一番信頼しているニュース番組である。インターネットやテレビを通じて世界1400箇所で放映されている。(わたしはPodcastで聴いている)

今回のこのデモについては、タイムズ紙も、インターンに書かせたのではないか、というような小さな記事しか載っていなかった。(写真も、いつものタイムズ紙と違って、美しくなかった・・)

下の記事には、アメリカのマスメディアがこのデモをスルーしたことについて書かれています。

『これほど大規模で平和的逮捕が行われたデモなら、通常は、アメリカのマスメディアは喜んで報道するのに、今回に限って報道されていない。NYタイムズ紙も、地元で起こったことにも関わらず、小さな記事しか出しておらず、他社もほんの数行のニュースしか出していない。

こんな、全国的に影響を与えているデモをなぜ、アメリカのマスメディアは握りつぶしたのか。』

と、書かれています。反対に言えば、それだけ影響力が強いデモだったということになります。そこを拾って現地でアナウンサーが直接取材し、人々の声を拾ったのが、Democracy Now!だったのです。

日本の新聞も、大手の新聞社は、このデモに関する記事は、当時出しておらず、東京新聞とほかの地方紙がいくつか、そして、共同通信かどこかが出していました。けれど、詳細は一切なく、アメリカで出された数行のニュースをそのまま写し訳したのだろう、と思われる、お粗末な記事を、各社がそのまま揃って全く同じ文章で出していました。その記事には、警察が駅を封鎖した、と最後に結んで書かれていましたが、駅を封鎖したのは、見てもわかるように、デモの人たちでした。今は、その記事のリンク先は消されています。消されている東京新聞の記事のリンクはコチラで https://www.tokyo-np.co.jp/article/286631 他の地方紙の記事ももう削除されているのか、検索しても出てきません。

さすが、混乱と妄想と嘘の星が強いとき、です。2024年は引き続き、または、もっとこの星の傾向が強くなることが予想されます。要注意です。

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写真・文・翻訳要約 by さっか

バナー写真:上の2枚の写真と同時期に撮った、グランドセントラル駅の写真。メインコンコースに続く通路。














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