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2$のワイロ:ニューオリンズ【94/8/29】


8月29日(月)

車に乗り込み、一路ニューオリンズへ。
インターステートの周りは、ジャングル風景。
日本じゃみたことがない、風景が広がっている。川や湖もたくさんあり、湿原地帯。
湿度も高そう。

ベタベタする暑さは大嫌い~~。

ニューオリンズに到着し、インターステートを降りると、なんと黒人街!!


どうやったらこうなるんだよ!!

地図係、何やってんだよ!!

ちゃんと地図みろよ、地図!!

そのための地図だろ!!(カーナビなんて無い)


外を見渡してみると、もちろん周りはみんな黒人。

黒人ばっかり。道の横にある家は壊れ、(壊され?)壁はスプレーで落書きばかり。「こういうところは治安が悪いので、行ってはいけませんよ」とガイドブックに載っているような典型的な風景だ。

さすがにみんなの非難を浴びたナビゲータ(タカ)、必死こいて地図を見てなんとか黒人街を脱出。

ふっー、なんとか生きて帰って来られた。。。

それからフレンチクオータに進み、ショッピングをしながら、バーボンストリートへ。
ニューオリンズと言えば、バーボンストリート!!ジャズを聴きながらビールを飲んだ。

それにしてもビール一杯を飲んだだけで20$っていう価格は高すぎる。

ふっかけるのもいい加減にしろよ、アメリカ。

気を取り戻し、その次に向かったバーの入り口には警備員がいて、入場者のIDをチェックしていた。
つまり、20歳以上かどうかをチェックしているのだ。オレたちは19歳。

アメリカ憲法では、まだ酒を飲んではいけない年齢。

その警備員は、もちろんオレたちにもIDの提示を要求した。

警備員:「IDみせろ」
オレたち:「うーん、持っていません」
警備員:「それじゃー、入店を認めるわけにはいかねー。パスポートは?」
オレたち:「うーん、今は持ってませんね~、そりゃー困りましたねー」

(もちろん持っている。見せるとバレるから見せられないでしょー)

そんなやりとりをしていると、マサの右手が動いた。


手には1$札が2枚握られている。


それをそっと警備員に手渡す。
そしておもむろにウインクした後、堂々と入店した。
困惑する警備員をよそにオレたちは無事、入店。

マサは勝ち誇ったように「どうだよ、すごいだろ!!オレのおかげだよ!!とっさの判断だよ!!」
とオレたちに言い続けた。

しかしさー、、、他3人は確信していた。

「警備員が困惑したのはワイロを渡したことじゃなくて、2$なんて小ゼニで買収しようとした態度にだよな。チップじゃねぇーんだからよ」と。

あんた、幸せモノだよ、マサ。

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