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冬季うつ迎撃作戦 俺・冬の陣

昔から冬が苦手である。
何が嫌ってまず「暗い」のが嫌。

10代の頃は冬の部活(女子バスケ部)が本当に嫌いだった。ただでさえこれから走らされるのが嫌なのに、朝練のために起きた時の空の暗さに絶望したし、放課後練が始まる時間にはすでに日が沈んでいてやはり暗い空にまた絶望したものである。私の場合、日が短いと本当に気分がノってこないため全てが終了してしまうのだ。情緒が野生動物のそれなのである。

さらに言うまでもなく「寒さ」 もクソである。

冬は体が冷えて体調も崩しやすく、元来血行も悪く貧血なので最悪も最悪。血行が悪いと肩が凝り、肩が凝ると頭痛も起こり、頭が痛いと横になったら動きたくなくなり、最終的に太る。全てが悪い方へまっしぐら。やはり終了だ。

大人になってからも冬は苦手で、やはり寒さと暗さで気分が落ち込み毎年絶望している。普段から嫌な労働がさらに嫌になり、日の短さに毎日気ばかり焦って、「俺は冬眠する!資本主義死ね!」みたいな思考に陥りがちになる。昨年会社を休職したのも冬だった。今思えば季節要因もかなりあったのだろう。いわゆる「冬季うつ病」というやつだ。

しかし、毎年毎年冬に「冬眠する!資本主義死ね!」と現世をボイコットするわけにもいかないのが辛いところだ。本当ならハロウィンが終わってから桜が咲くまでの間は布団とよろしくやらせていただきたいのに、残念ながら冬も死なない程度に銭を稼いでいく必要がある。たかが冬だろうと思う人もいるだろうが、冬季うつの民にとっては死活問題だ。

それならばと、今年は「冬季うつ」を出来得る限り迎え撃ってみようと考えた。寒さが本格化して身動きが取れなくなる前に迎撃体制を整え、冬季うつ的症状を抑えていく作戦だ。題して「俺・ 冬の陣」である。

暗さ対策編

まず、暗さ対策である。

冬になって日照時間が短くなるとセロトニンの分泌量が減るらしい。いわゆる幸せホルモンというやつだ。なんとなく知ってはいたけどおちおちしている間に毎年日が短くなっていき、「手を打つ前に手を打つ気力もなくなる」ということを繰り返していた。今年こそその罠にはまりたくない。

①ビタミンD摂取作戦

冬季うつ病の原因のひとつにビタミンD不足があるらしく、やはりこれも日照時間が短くなると減るらしい。足りなくなるなら補ってやろうではないか。速攻ビタミンDサプリをポチった。

半信半疑で飲み続けて半月ほど経ったが、たぶんこれは、かなり、効いている。プラセボ効果もあるのかもしれないが、気分の落ち込みが明らかに軽減された。なんとなく寝覚めも良くなった気がする。一日一回一錠で良いのも続けやすいし、値段も高くないのが良いポイントだ。正直本当に早く飲めばよかった。パッケージで「太陽のビタミン」と謳っているだけの効果はある。これは継続する価値ありだ。

②朝の散歩作戦

下手をすると1週間家から出なくて済むリモートワーカーなのだが、冬にそれをやると太陽を浴びなさすぎてメンタルが終了するのが経験上分かっているので積極的に陽に当たる時間を設けることにした。朝散歩だ。

元来朝が苦手で、朝活の類は続いたことがないのだが、なんと上述のビタミンD摂取作戦のおかげか最近はなんと「朝、起きられる」のである。なんなら目覚ましより早く起きる。快挙である。これは私がまともな人間だからできているわけでなく、これまで10時始業なら9時50分まで布団にいた怠惰人間が言うのだから本当に快挙なのだ。重ねて言うがビタミンDは効く。

そんなわけでさわやかに朝の60分ほどを散歩して過ごすようになり、知ってはいたけどQOLは爆上がりした。太陽を浴びて目が覚めるし、血行も良くなるから元気が出る。そして日中太陽を浴びておくと体内時計が整って夜きちんと眠くなるのでまた朝も起きやすくなるという「勝ちのループ」に乗れるのだ。散歩はタダだしやるしかない。川沿いの散歩コースでご近所の老人に混じって歩くのがお気に入りである。真冬になったら寒さで続けられなくなるのではと心配ではあるが、当面の間は作戦継続!

寒さ対策編

続いて寒さ対策である。

寒いときに明るい気分になどなれるはずもない。南国の人は陽気で寒い国の人は寡黙なイメージなのはあながち偏見ではないだろう。寒さは人類の敵である。私がヒグマなら寒くなったら冬眠すればいいのだが、残念ながら人類なので可能な限り温めまくって乗り切るのみだ。

③履く湯たんぽ作戦

ネットで見つけた履く湯たんぽを導入してみた。

仕事中に足が冷えるのでなにかいい手はないかと購入。ぶっちゃけ少し高いと感じたのだが、使ってみたらなぜもっと早く買わなかったのか???となった。マジで足湯に浸かってるみたいになる。天才の発明だ。もはやリモートワーク中には欠かせない。zoomしてても足元は温泉なので仕事の不安も軽減される気がする。お湯の力は偉大だ。

ちなみにお湯を注ぐのを面倒がって使わなかった日、めちゃくちゃ足が冷えて捗らなかったので続けるのが大事である。仕事中にメンタルが落ちると冬季うつのループに転落しやすくなるので今日も粛々とお湯を注ぐのみである。

④普通に湯たんぽ作戦

履く湯たんぽは座っているとき用なので、寝るときの湯たんぽも導入した。ひとつ1000円ちょいなのにかわいい!色違いを2つ買って、ひとつを冷え性の夫にあげたら喜んで毎日使っている。

個人的にはお腹に乗っけておくと寝付きが早くなるのでお気に入り。

⑤ホットヨガ作戦

もともとデスクワークによる猫背と巻き肩を直したい目的で通い始めたのだが、これがめちゃくちゃ冷え対策に良かった。暖かい空間で地味にきついヨガの動きを繰り返すことで「そこでスコールに遭いました」くらいの汗をかける。終わる頃にはめちゃくちゃ体があたたまっており、汗とともに体の邪気的なものが全部出ていく感じがするので「人生最高!」といった気分になれる。ホットヨガに行った日は普段よりさらによく眠れるので、上述したように睡眠→良い目覚め→散歩の勝ちループに乗りやすくなる。良すぎて週3~4は通うようになったしちょっと良いヨガマットも買った。これは本当にズレないしモチベも上がるので買ってよかった。

他にも細かい作戦(毎日湯船に浸かる、あずきピローで肩を温める等)を実践しているが、大事なのは新しいグッズを導入したり新しい習慣を作ってみたりして、「俺はいま冬季うつを迎撃しているんだ…!これは生きるための戦なんだ…!」感を盛り上げていくことのように思う。変わらない日常を続けていくだけだと寒さと暗さによって少しずつ奴らのペースに乗せられてしまうので、非日常の要素を取り入れることで「立ち向かってる感」を醸し出していくのがコツのように思う。

そして五億年前から言われていることだが「睡眠・栄養・運動」に勝るものは残念ながら無いので、「栄養とって運動→よい睡眠→スッキリ起床→栄養とって運動」の勝ちのループにいかに楽しく無理なく乗れるか? が冬季うつの民にとって運命の分かれ目だ。とにかく元気が無くなってくると睡眠・栄養・運動のどれかがおろそかになって全部が終了するので、寒さが本格化する前に勝ちループに乗る習慣をつけておきたい。

全ての冬季うつの民が無事に越冬できることを願う。みんな、死ぬんじゃねえぞ…!



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