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夕飯メニューに悩めるあなたへ アメリカから提案します

「もういい加減にしてくれ」と思うときがある。

朝から夕方までの間に、「今日のご飯、どうしよう」って何回考えているだろう。夕方が近づくほどに、ああ、早く決めなきゃという巻きがかかってきて、余計にストレスになる。

いや、作るのが嫌なんじゃない。面倒くさいなあと思う日もそりゃあるけれど、わたしをうんざりさせるのは献立を考えることなんだ

だって、献立を考えるとき、わたしたちは、実はとても複雑な最適化プロセスを実践している。

まず冷蔵庫を開けて、なにがいま手元にあるかを確認する。今日中に使い切った方がいいものがあるかも同時に見る。それをベースに、ここ数日に食べたものと被らないように注意しつつ、メニューの候補をいくつか頭に思い浮かべる。それから、その日の自分のやる気や子どもたちの嗜好、栄養バランスなんかも考えながら、選択肢を絞り込んでいく。冷凍庫にあるものを使うなら解凍する時間、足りないものがあれば、スーパーに買いに行く時間も計算に入れる。

正直、これを毎日繰り返していると疲れる。

これも作ってみたい、あれも食べたい、みたいにエネルギーがみなぎっているときはいいのだ。そういうときもある。でも、大抵は、必要に迫られて、日々のルーティンとして料理をしている。

もう一つ、我が家の献立に影響するのは、子どもの習いごとである。夕方に習いごとがある火曜日と木曜日は、わたしか夫のどちらかが子どもたちを車で送っていく。その結果として、家に残った方が夕飯を担当する。

夫が家に残る方が多いのだけど、いつも調理の直前まで仕事をしているので、献立決めと食材の準備まではわたしがやることが多い。

でも、今日はなーんにも浮かばなくて、「鶏ミンチが冷蔵庫にあるよ」の一言だけを残して、夕方家を出た。夫は、「オッケ。任せて」と力強い返事をした。

それから1時間後。子どもたちと一緒に家に戻ると、ドアを開けた瞬間にふわふわんといい匂いが漂ってくる。

家に帰ってきたら誰かがご飯を作ってくれているって最高だ

子どもたちが、「今日のご飯、なにー!」と台所へ駆け出していく。わたしも同じテンションになる。今日のご飯、なにー!

夫は、「スラッピージョーだよ」とニヤリとしていった。

子どもたちは、「やったー!!」と手を挙げて喜んだ。

スラッピージョー(Sloppy Joe)を、皆さんはご存じだろうか。わたしはアメリカに来るまで知らなかった。でも、最近は給食メニューにもなっているらしいので、もしかしたら日本でもまあまあ浸透しているのかもしれない。

簡単にいうと、ひき肉のケチャップ炒めである。それを、バーガー用のバンズに挟んで食べる。

きれいに食べようと思わないで

夫の解説によると、食べるときに、バンズに挟んだひき肉がぼろぼろこぼれて、手や皿が汚くなるので、スラッピー(sloppy)というらしい。

これ、我が家の子どもたちの大好きな料理なのだ。我が家に限らず、アメリカの子どもたちに好きな料理を聞くと、どこかで必ず出てくる定番メニューである。

そしてなにより、とっても簡単に作れるのがいい。基本的には、ひき肉をケチャップで炒めるだけ。それ以上のことは、おまけといってもいい。

本場のレシピが気になる方がいれば、こちらをどうぞ。(本場というのが憚られるくらい簡単)

1 ひき肉を炒める。
2 たまねぎを加える。(お好みでパプリカなど他の野菜を入れても)
3 肉と野菜に火が通ったら、ケチャップ、砂糖、マスタード、ガーリックパウダーを加え、塩・胡椒で味を調整する。
4 バンズに挟んでできあがり。

要素を抜き出して翻訳すればこんな感じ

このレシピでは、牛ミンチが材料になっているけれど、どの肉でも問題ない。見事ケチャップ味になるから。我が家は鶏ミンチで作ったけれど、立派なスラッピージョーが出来あがった。

今夜の残りを、明日はごはんの上に乗せて丼にして食べる。日本版スラッピージョーだ。我が家ではこれを、

スラッピー太郎(Sloppy Taro)

と呼ぶことにした。 

夕飯を考えるのも作るのも面倒くさいと感じた日には、スラッピージョーかスラッピー太郎を、選択肢の一つにいかがでしょうか。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

《アメリカの食べものを紹介した記事》

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