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スクールソーシャルワーカーとして出入りしている中学校の子どもたちと、血液型の話になりました。

朝のワイドショーでも雑誌でも、必ず血液型占いのコーナーがありますね。特に日本人は、血液型占い(あるいは、血液型性格分類)が大好きです。

血液型性格判定は当たるの?

人に合わせるA型、自己主張の強いB型、気が変わりやすいAB型、マイペースのO型などと言われますが、本当に血液型で性格が分かるのでしょうか?

実は、血液型が性格に関係しているというのは、いろいろな科学的な調査では証明されていません。むしろ、否定する結果が出ています。

たとえば、こんな実験が行なわれました。一般に「B型の人の性格だ」と言われている特徴を書き連ねたリストを、O型の人に見せます。
そして、「O型の人は、こんな性格です」と伝えると、ほとんどの人が「当たってる~!」と答えました。
A型の性格リストをAB型の人に見せても、「当たってる」と答えます。

つまり血液型に関係なく、「あなたはこういう性格ですよ」と言われると、多くの人が「自分の中にそういう性質がある」と認めるということです。

違う性質・逆の性質もある

ちなみに私はA型です。「A型の人はいろんな面で人に合わせてしまうでしょ」とよく言われますが、実際にはしっかり自己主張することがあるし、マイペースに行動するときもあります。

A型の人は真面目だなんて言われるけれど、人が見ていないところでは結構手を抜いたりもします。

だから、A型の人に「あなたは、必要があればしっかりと自己主張できる強さを持っています」とか、「あなたには、実はぐうたらな一面があります」とか伝えると、「ああ、確かにそういうことがあるな。当たってる」と思うわけです。

思い込みの力

そして、人はいったん「自分はこういう人間だ」と思い込むと、その思い込み(セルフイメージと言います)に合った行動を、無意識にとるようになります。
すると、ますます「自分はこういう人間なんだ」という思い込みが強化されていって、「それにふさわしい行動」が癖になっていくのです。

性格というのは、行動パターン(行動の癖)につけたレッテルのことです。

「あなたはこういう性格だ」という決めつけが、「私はこういう人間だ」というセルフイメージを形作ります。
そして、それにふさわしい行動を無意識に選ぶうちに、それが癖になってパターン化し、「性格」になっていくわけです。

本当は、いろいろな性格上の可能性をもっと持っているのに。

反対の性質を呼びだそう

ただ遊び感覚で「○○型の性格ってこうだよね」と言っている分にはいいのですが、自分や他人の性格を一方的に決めつけるというのは、もったいない話でもあります。

本当はそういう持ち味があるのに、表に現れていない性質が、私たちの中にはたくさん眠っています。あなたにも、そしてあなたが接している利用者さんや家族、ご自分の家族やお友だちや部下にも。

それを眠らせたまま放っておくのは実にもったいない。さっそく呼び出しましょう。

さあ、今、ご自分で「これは自分の短所だなあ」と思っていることを書き出してみてください。そして、その隣に、その短所の真逆の性格を書き出しましょう。たとえば、

  • 行動がのろま ⇔ 行動が早い

  • 優柔不断 ⇔ 決断力、行動力がある

  • 短気 ⇔ 優しい、穏やか

  • 嘘つき ⇔ 正直者

  • ネクラ ⇔ 明朗快活

  • 気が利かない ⇔ 気が利く

…などなど。

さあ、書けましたか?
そうしたら、書いた短所の真逆の長所に指を置きましょう。

はい、それがあなたの性格です。

もう一度言います。それがあなたです。

嘘だと思われますか?
いいえ、嘘ではありません。
本当に、それはあなたの性格です。

証拠を探してみよう

優柔不断だと言われる人にだって、決断力、行動力はあるはずです。多くの行動はほぼ迷わず行なっています。
短気な人だって、24時間怒っているわけではありません。穏やかに過ごしている時間の方が長いはずです。
大嘘つきと呼ばれる人であっても、真実を語っていることの方が多いはずです。

他の人の性格についても、同じようにやってみてください。
ひっくり返した裏の性質は、必ずその人の内側に存在しています。
そして、その証拠を探してみてください。必ず見つかりますから。
むしろ、そちらの方がメインの性格だと気づかれることでしょう。

今まで、自分や他人の短所だと思うような性質ばかりが目についてきたかもしれません。そうすると、イライラしたり、がっかりしたりすることになります。そして、相手の性格を直したくなって、相手を責めてしまったり、けんかになったりすることでしょう。

しかし、これからはご自分や他の人の裏の性質にも、意識して注目するようにしましょう。

そして「あなたはこんなすてきな人なんだよ」ということを教えてあげましょう。

1回や2回では呼び出されません。繰り返し、繰り返し、呼び出してあげましょう。すると、きっと裏の性質が、隠れた持ち味が、どんどん行動として表に現われてくるようになります。


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