無題9

夜の詩「バイバイ」

中学校のグラウンドが 

オレンジ色の陽に染まってる

校舎の影がそこに伸びて

運動部の子らが走ってゆく


校門をくぐった帰り道

澄んだ空気を吸い込んだら

君の声が聞こえたよ

ファイト オー! と高らかに

吐く息しろく 空にのぼった


一緒になった帰り道

無言で離れて歩いた夕暮れ

君はずっと うつむきかげんで

あの時 なにを思っていたの

バイバイが言えなかった私は

記憶のなかで君に手を振る

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