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noteから祝われたので30日連続投稿のこれまでを振り返る

小さい頃に作ったアイツに、もう一度、日の目を見せてやりたかった。

 5月半ばに始まった連載マンガ「4コママンガ とんかつさん」。毎日投稿する気もなかったから、当初は思いつきだったり気まぐれだったりで描いていけたらいいな、くらいに思っていた。自分は最初に根を詰めると、失速しやすい人間だ。そのつもりだったので、とりあえずひと月持ったのかもしれない。30日連続投稿を一昨日に祝われたので(良い機能ですよね)、なんとなくここでコメントを軽く残しておきたくなった。

 そもそも、とんかつさんを再び描く日が来るとも思っていなかった。とんかつさんは、以前アップしたマンガの一言メモにあったように(4コマクッキングの回。27話)、自分が小学生だったときに生まれた。そのときは自分の名前(〓で伏せます)を冠した、「〓〓の3分クッキング」の1キャラに過ぎなかった。

 「〓〓の3分クッキング」は、某民放のお昼の料理番組からアイデアを得たのは、言うまでもない。ただし、料理としてハチャメチャなものばかりを作るマンガなのだ。3分で完成することに拘り、ストップウォッチで調理時間を計るのがお約束だ。そのストップウォッチを、ペペロンチーノのパスタをゆがく鍋に放り込んだり、大福の餅に餡と一緒にくるみ込んだりするなどし、破壊する。どの料理も小学生の“自由なアイデアの餌食“となってきた。

 とんかつ回で屠られるブタとして用意されたのが、とんかつさんである。最初はこんな名前すら無かった。ちなみに、このマンガは主人公もいない。強いて言えば、料理を作る自分だ(棒人間の手が描かれる程度)。ほんとうの脇役とは、このブタのことである。使い捨てキャラとして登場した。

 生憎、それらマンガを描いた自由帳を探して、先日かなり引っ掻き回したが、どこにも見当たらなかった。そのうち何かの拍子に見つかるかもしれない。それはさておき、どうしてとんかつさんが再び甦ったのか。

 ……この理由については、またもうひと月くらい連載したら書こう。あんまり一度に深く話し過ぎても面白くないからね。これで皆さんがキャラに幻滅しちゃったら、描く方だってワクワクしない。

 * * *

 このひと月、毎日連続投稿をして、とんかつさんに息を吹き込むことに、ともかく専念した。不条理さを1匹のブタに仮託してきた。最初に「不条理を教える豚」と書いてしまったばっかりに、安易な即物性に走ったネタしか思いつかないとき、それは自分の首を絞めた。とはいえ、不条理を僕が求め続けるのはそこに面白みがあるからだ。理詰め人間ではそのうち頭打ちが来る。人類を変える発想は、事実のささいなミスリードから生まれるんじゃないかな。

 毎度毎度、そうしたネタが思いつくわけでもない。不条理ネタばかりでは息が詰まる。ベタベタなネタも挟みたい。

 いっぽうで、「不条理」は種類もいろいろあるので、可能性に満ちたテーマでもある。ストーリーにスジが通っていないものとか、社会や世間の出来事にスジの通っていないものとか、ベクトルが多岐にわたる。それぞれは質の違う不条理だ。ポテンシャルの高いテーマである。
 
 ところがどっこい、不条理をただシリアスに語ることは出来ても、何処か理屈っぽくなる難点がある。4コマじゃそもそも語り切れないかもしれない。「4コママンガ とんかつさん」は、不条理を自然に描くこととの闘いだな、と感じた。

 論文や人に説明する書類を書くのとは、違う頭の使い方をしている。ぜひ、この“闘い”を続けたい。そしてまた、何かの折にこうして連載を振り返りたい。

 さいごに。いつも「スキ」ボタンを押してくださる読者のみなさん、ありがとう。チラッと覗いてくれるみなさんにも、ありがとう。

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