【企業】そして、パパは響き合う~“京セラ×ライオン×ソニー”パパの思いで誕生した音楽が聞こえる魔法のような歯ブラシ「Possi」開発秘話 Part2~
「たくさんの人が苦労している子どもの仕上げ磨きをテクノロジーで救いたい」京セラに勤めるパパ、稲垣さんの思いからスタートした音楽が楽しめる歯ブラシ「Possi」制作プロジェクト。クラウドファンディングに向けてぶつかった壁を壊してくれたのはやはりパパだったのです!いったいどういうことなんでしょうか??
自身の娘が仕上げ磨きを嫌がることに悩んでいた京セラの稲垣智裕さんの発案からスタートした「Possi」制作プロジェクト。想像に近い形の試作品の作成まではスムーズに進んだものの、パパとしての思いが他のメンバーになかなか伝わらないことや、初めて作る歯ブラシというものの質について悩む日々が続きました。
そんな中、とある展示会で運命の出会いがあったのです!
歯ブラシのスペシャリストもパパだった。
歯ブラシをはじめとする生活用品を手がけるライオンの中で、新しいものを生み出す部署イノベーションラボに所属する萩森敬一さんは3歳の娘のパパ。
京セラの稲垣さんは展示会でたまたま出会ったライオンの方にダメ元で声をかけ協力を依頼。その話が偶然、萩森さんの耳に入ったのです。
「聞いた瞬間に、面白い!これはいいものができる!という直感がありました。僕の娘もイヤイヤ期では苦労しましたし。
ただ、正直なところハードルが多かったのも事実です。周囲の反応としては“本当に出来るの?”という感じ。クラウドファンディング発表会までの期間は半年程度、しかも今までやったことがない複数企業での共同開発ですから、社内のその反応については理解できました。自分自身も研究開発に携わってきていたので、質の高いものをきちんと出すために時間がかかることもわかっていましたし。
それでもこの企画は譲れなかったので、やりたい、という思いだけで突っ走り、もう見通しも何もないままやって参画することを決めてしまいました。完全な見切り発車ですね(笑)でも、少しずつ試作品が進んでいくと、周りも徐々に納得していってくれて、協力者が増えていき、おかげでなんとか形になりました。
パパが集まり変わった風向き
こうしてもう一人のパパが加わったことで、チーム内の空気が変わったと言います。それまで孤軍奮闘してきた京セラの稲垣さんも、わかってくれる人が出てきたことで精神的にも楽になったといいます。そして、萩森さんによると、このプロジェクトにはさらに欠かせないパパがいたと言います。
「デザインコンセプトからストーリー作り、プロダクト、キャラクター、ロゴ、ネーミング、コミュニケ―ションまで、ソニー クリエイティブセンターのデザイナーが担当しているのですが、そのデザイナーの細田さんと城ヶ野さんもパパなんです。
歯ブラシというよりはおもちゃっぽく、子ども達にとっても家族にとっても“Possiと遊ぶ時間が楽しくなるように”というのがコンセプトで、この形も力が入りすぎないようにと工夫されています。嫌がる子に無理矢理仕上げ磨きをしようとすると力が入ってしまいがちですから、そういう優しさも素晴らしいと思います」
あくまでここは通過点である
京セラとライオンのパパが娘のために作り上げて、ソニーがバックアップする形でクラウドファンディングを行っている「Possi」制作プロジェクト。萩森さんがその先に見据えているモノとは?
「ライオンとしても今までやったことがない挑戦です。目標金額に達成させることだけでなく、他の企業と組んだ形のオープンイノベーションを成功させることで、エンターテインメントなども含めた新しい分野にライオンの幅を広げていくきっかけになればと思います。
日用品として役に立つのはもちろん、気持ち的なところでワクワクするモノを作っていきたいです」
“多くのパパやママが困っている仕上げ磨きの大変さ”という目の前にある悩みを軽減してくれることも素晴らしいことですが、小さい子にとって“歯磨きは楽しいモノ”というイメージを持つことはもっと重要ですよね。これから先、子育てをしていく上で「歯磨きしなさい!」と大きな声を出すことも減りますし、もっと先まで考えるとキレイな歯で健康な生活を送っていくことにも繋がる可能性を秘めているとも感じます。そんな子どもたちの未来まで支えていくかも知れない存在を作ったパパたちの思い、心から応援したいと思います!
<Possi>
ソニーが手がけるクラウドファンディングサイト「First Flight」で9月3日まで進行中のプロジェクト。京セラとライオンがタッグを組んでソニーがサポートする形で生まれたブラシを歯に当てると骨伝導で音楽が聞こえる、子どもの仕上げ磨き専用の歯ブラシ。
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