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【企業】まるで魔法!パパの思いで誕生した音楽が聞こえる歯ブラシ「Possi」開発秘話 Part1 ~京セラ×ライオン×ソニーのパパMIX~

子どもの仕上げ磨きって本当に大変ですよね・・・なんであんなに嫌がるんでしょう?でも、歯は一生付き合っていくものですから本当に大事です!そんな仕上げ磨きを楽しくしてくれるアイテムが今まさに生まれようとしています。その名は「Possi」果たしていったいどんなものなのでしょうか?チェックしていきましょう!

このところ、様々なアイテムやサービスを生み出して注目を集めているクラウドファンディング。先日7月3日から子育て世代にとって大注目のプロジェクトがスタートしました。それが「Possi」というちょっと変わった形の歯ブラシ。

変わっているのは形だけではありません。なんとこの小さなブラシヘッドの中に圧力を加えると電流が流れる圧電セラミック素子が内蔵されていて、骨伝導という仕組みでブラシを歯に当てると音楽が聞こえるというものなんです!

おおむね1歳から5歳を対象に、仕上げ磨きが苦手な子どもでも音楽を聞きながら楽しくできるようにと開発されました。

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このアイテムの開発に携わっているのは京セラ、ライオン、ソニーという名だたる3つの大企業。果たしてどのようにしてこの3社がチームを組むことになったのでしょうか??

妻が怒っている姿をもう見たくない

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「Possi」はそんな思いを持ったあるパパの発案から生まれました。

京セラに勤める稲垣智裕さんは3児のパパ。ソニーが行っているスタートアップの創出と事業運営を支援する「Sony Startup Acceleration Program」の話を聞き、稲垣さん自身がもっともダイレクトに直面している子育てに関する問題を解決してくれるものを作ろうと決めたそうです。

中でも、最も悩んでいたのが、当時、3歳だった次女が仕上げ磨きをなかなかさせてくれないこと。

「たかだか歯磨きだと思う人もいるかもしれないですが、これが毎日のことでストレスが積み重なってていくのです。その結果、妻の余裕もなくなる、子どもは甘いものを食べたい、でも磨けないからあげられない、子どもの機嫌が悪くなる、また妻にストレスがたまる、家の空気が重たくなる、家族全体にもストレスがたまる・・・もうこれこそ負のスパイラル(苦笑)

妻が怒っている姿を見るのはもうイヤになっていました。娘の遺伝子は半分、僕から受け継いでいることもあるし、なんだか僕にも責任があるような気がするし(苦笑)家の中で誰かが怒っていると、みんなシーンとしちゃうし。

でも、逆に言えば、この仕上げ磨きを楽しくスムーズに行うことができれば、この負のスパイラルから抜け出すことができるはずではないかと考えました。一つそのもつれをほどくことで全部変わってくるんです。

これってお金では解決できないこと。それをなんとかテクノロジーで解決したいということが自分の大きなミッションで、モチベーションに繋がるものでした」

評判は悪くない。しかし・・・

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プロジェクトが動き出すと、まずは試作品に取りかかります。そこは培ってきた京セラの技術力が発揮され、比較的スムーズに進んだといいます。想像に近い形でできた“音楽の聞こえる歯ブラシ”に対して、メンバーの評判も上々。

しかし、稲垣さんにはちょっと違和感があったといいます。

「ちゃんと音も出るし、歯ブラシっぽいものは出来た。いいものが出来そうなところまではたどり着いたのですが、ここからどうしたらいいんだろう?というところにぶち当たりました。

周りのメンバーからは“音楽を楽しみながら歯磨きができるっていいよね”“これって大人でも楽しめるものだよね”みたいな反応がたくさんありました。でも、僕にとってはこれも違和感だったんです。

単純に音楽を楽しみながら歯磨きをするなら、普通にイヤホンで聞けばいいわけです。でも僕が作りたいものはただの面白いガジェットではない。子育てにおいて大きな問題を解決してくれるものを作りたいという意識でした。

いわゆる“モノ”を売るのではなく“コト”を売るというのが僕の方向性。
“楽しく歯磨きできる歯ブラシ”という“モノ”ではなくて、“妻が怒っている顔や子どもが泣いている顔を見ないで済む”という“コト”が大事だったんです。

この時点でできていたプロトタイプと、自分が実現したい“子育てにおける大きな問題を解決するというコト”の間には明らかなギャップがあるのに、何をどうしたらそのギャップが埋められるのか?という悩みに共感してくれるメンバーがいなかったんです。

周りのメンバーからするとそんなマイノリティのために作ってどうなのか?技術的には面白いのになんでターゲットを狭めるのか?という意見も多かったです。どうしてこれがわかってくれないんだろう?と思いましたけど、大きな理由はメンバーに子育て中の人がいなかったことでした。そこがなかなかブレイクスルー出来ないポイントだったんです」

想像に近いものは出来あがっていく、でもその本当の目的についてはなかなか共有できないもどかしさにぶち当たった稲垣さん。そこに救世主のごとく現れたのがライオンの開発メンバーだったのです。

さあ、その風向きはどう変わっていったんでしょうか?続きは次回!

<Possi>

ソニーが手がけるクラウドファンディングサイト「First Flight」で9月3日まで進行中のプロジェクト。京セラとライオンがタッグを組んでソニーがサポートする形で生まれたブラシを歯に当てると骨伝導で音楽が聞こえる、1歳から5歳向けの子どもの仕上げ磨き専用の歯ブラシ。

https://first-flight.sony.com/pj/possi


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