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パパのツナギ企画者で兼業主夫放送作家の杉山錠士です。

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今日は3月11日。やっぱり9年前を思い出します。

思い出したくない人もいるかもしれませんが、その時の話を綴ります。

ちょうどあの時は生放送中でした。半蔵門のTOKYO FMのスタジオ。
くだらないクイズコーナーの問題を出し終えて、CMに入った時でした。
生放送のスタジオには必ず地震が起きたとき用の原稿があって、それを急いでスタンバイしたのですが、そんなに広くないスタジオでも、原稿を取りに行って戻るのが大変でした。

ただごとではない。誰もがそう思ったでしょう。

CMがあけてからはクイズの答えを発表することもなく報道から入ってくる情報を、MCに読んでもらいます。その時の僕(作家)の役割は、情報の整理や地名の読み方の確認など。そしてもう一つが、二重ドアを開けておく、というものです。これは音がもれないように頑丈に作られているドアだからこそ、地震などで建物がゆがんで出られなくなってしまうことを防ぐためです。

そして、大きめの余震が到来。

スタジオの外の打ち合わせスペースは土壁だったのですが、それが土煙をあげながらヒビ割れていく姿を目にしました。もう身動きが出来ませんでした。それは、このドアを押さえるというプロ意識ではなかったと思います。シンプルに怖かったんだと思います。

当時長女は小学校1年生。

放送終了後は一目散で帰ったのですが、すでに家に帰ってきて、おばあちゃんと昼寝をしていました。ただただホッとしたのを良く覚えています。

このとき。正直なところ、一切妻のことは頭に浮かびませんでした。

このとき、夫婦関係は最悪。実は年単位で離婚し親権を取るための、知り合いの弁護士のアドバイスを受けて、自分がした家事や育児をノートにつけていました。長女も小学生になったので、いよいいよ調停へ乗り出そうとしたところだったのです。

その後、ようやく妻から連絡が来たのですが、第一声は・・・

「迎えに来てよ」

ブチ切れました。
こっちは長女と二人で余震の恐怖の中にいるのに、よくそんなことが言えたもんだ、と。だから、思い切って言ったんです。

「大人なんだから自分でなんとかしてよ!」

すると妻。

「だよね。了解。」

あっさり。

あれ?怒らないの?

実はそれまでもそういうことがたくさんあったのですが、いちいち怒っちゃいけないと思って、ほとんど言い返さずに飲み込んで来ていました。でも、このときばかりは事情が事情だったので、思い切って言い返したのです。その瞬間はなんだか腑に落ちない感じでした。

1時間後、妻が会社から歩いて帰ってきても、なんだかそわそわ。
でも、妻はいつもと変わった様子は一切なし。
長女が寝た後で、本当にひさしぶりにいろいろと話しました。

それまでは長女が寝たら部屋にこもって仕事をするか、近所に飲みに行っていました。二人になることを避けていたのです。でもこの日はやっぱり余震が起こった時の事を考えて、家族の近くにいることにしたのです。

状況が状況だったのでそれほど口数が多かったわけではなかったと思いますが、思い切って聞いてみました。

「迎えに行くの断ったけど、なんで怒らなかったの?」

「なんで怒るの?」

えええ!いつも何か頼んで断ると不機嫌になったじゃん!!!

と思って、いろいろ話していくとなんだかわかってきたことがありました。僕は妻に限らず誰かの要望には極力応えたいと思っているところがあって、たぶんそれは末っ子特有の「ほめてほしい精神」だとも思うのですが、ズバズバ要求してくる妻に対しては、かなり全力で応えて疲れていました。ところが妻曰く・・・

「とりあえず頼んでダメだったら自分でやるだけじゃん」

そうか!そういう思考回路だっただけか!断っていいんだ!知らなかった!なんで僕はこんなに勝手に苦しんでいたんだ!・・・という具合にこんがらがった紐がほどけていくような感じで肩の力がすっかり抜けました。

思えば付き合いたての頃は平気で断っていたなと。4つ年下でしかもまだ学生だった妻、いや彼女に対してがズバズバ言えたのです。ところが結婚してからなんだかそれが出来なくなってしまっていて。考えてみれば彼女は何も変わっていなくて、変わったのはこっちの方だったんだと気づいたんです。

そこからはみるみるうちに夫婦関係が修復。

本当にたった一つのことなのに、ものすごく大きかった出来事でした。お陰で離婚もせず、二人目も生まれて楽しい毎日を送っています。

それまでは、妻の家族よりも自分中心と思えるような発言や行動に対して「なんてダメな妻だ!意味がわからん!」といらだっていましたが「ああ、あなたはそう思うタイプだよね。もう自由で天才過ぎて発想が追いつけない」と笑いながら頭をかく感じになりました。

きっと、それでよかったんだと思います。

今は今で大変なこともたくさんありますけど、どんな事件が起こってもぶれない妻。うちの場合、本当の意味での大黒柱は彼女だと思います。(ただし、小さいことには異常に右往左往して周りをざわつかせますが💦)

ちなみに、一番のファインプレーは知り合いの弁護士。
3月頭に、そろそろ調停に行きたいと伝えたら・・・

「年度末は忙しいから嫌」

というシンプルな理由で延期されたのです。あの時、その弁護士が素早い仕事をしていたら今の生活はなかっただろうと思います。

長文になってすみません!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

最後の最後に、ついででいいのでそんな妻がデザインを手がけた夫婦の共作が「パパのツナギ」です。(妻は服飾デザイナーなのです)

どーかひとつ。見てやってください。
なにせ離婚していたらこの世に存在しなかったモノですから。

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