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まいにち刻句勉励【俳句日記】

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編集、書籍ライターとして、他人様に成り代わって文章を編み書き綴ってきた、言葉稼業のコーネンキ片親母さんKが、自己表現リハビリの一歩としてはじめた俳句日記。切り取っておきたい日常の…
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2021年2月の記事一覧

1年と少し前の普通

1年と少し前の普通

巣ごもりの日のパンケーキ ハワイの風

晴天の本日、次男は明日からの学年末試験の準備、私は確定申告作業ほか、長男は大人買いしたラノベの読書で、家族みんなで家ごもり。

遅く起きてきてのブランチは、コストコのディナーロール(36個入り424円)で白子パンとミニドック。
そして、ハワイ土産で今日まで残っていたパンケーキミックスでつくったパイナップル&ココナッツ風味。

長男と次男の大学高校W入学祝いで

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友がみな

友がみな

うつむきてなほ眩しきや 春猛る

沿線の梅園に花見に行く。
午前中とあって、さほど混んでいない。
丘状の公園のふもとに着くと、すでに梅の花の香が漂っている。
白加賀、紅千鳥、豊後、八朔、蓮久、大杯、
満開の枝、盛りを過ぎたもの、蕾のもの、
確かめながら愛でる。

春の光のなか咲き誇る梅は眩しい。
地面には舞い落ちた花びらもきれい。
きれいで眩しくてむせてきそう。

「友がみな我より偉く見ゆる日よ…

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近くて遠いもの

近くて遠いもの

春光や 寄り添い見ゆる月と鳥

眩い春の空を飛行機がゆく。
やけにはっきりと見える月のすぐ横を過ぎていく。
そう見えるのは、私が地べたから見上げているから。
空の上の二つは、まったく別の世界にいるのにね。

挫折

挫折

しくじりを励ますごとき木の芽かな

noteで、俳句日記をつけはじめて1か月余りが過ぎた昨日。
アップする前に気になったところを修正していたところ、はたと気づけば、0:01、日付が変わっていた。
毎日アップの更新が途切れた。

さっさとアップして、後から修正、という方式でこれまでしのいできたのに、昨日は早めに下書きに入れていたからなのか油断した。

世界には何の影響もない。
ささやかな自己満足。

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枝葉を落とす

枝葉を落とす

地に落ちて 剪定枝の蕾 いよよ紅

晴天の祝日、午後は植木の剪定をする。
オリーブ、ジャガランタ、柚子など、木々の枝葉を落とすと、テラス全体がさっぱり。

冬前に剪定をすませたブルーベリーには薄桃色の蕾がつき、冬に葉が枯れて丸坊主になった林檎の木(推定)からは緑の新芽が出ている。

四季は巡る。
生命も巡る、のかしら。

人生の春

人生の春

五十、否、六十、七十、八十も春

オンラインで打ち合わせをする。
といっても、まだ仕事未満の段階なので、はじめましてのご挨拶でお互いに自己紹介がてら雑談もたくさんする。

その方は、現在70歳。定年退職後、60過ぎてからマラソンをはじめたそうだ。

「10キロずつ距離を増やしていったら、これがけっこう走れるんですよ」

成果が出るのが面白くて距離を伸ばしていき、大会にも出るように。
なんと100㎞

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脱ぎ捨てる季節

脱ぎ捨てる季節

声あげて素足で翔ける春の芝

確定申告、取材準備ほかいろいろ……やるべきことはあるのだが、陽気に誘われて外に出る。
向かったのは芝が広がる地元の神宮。
雲ひとつない青空の下で、寝転んで本を読む。
風もなく、上着もいらない。
最高に気持ち良い。

近くで鈴のような笑い声があがり、すぐ横を小さな男の子が裸足で芝の上を駆けていく。
微笑ましく見送っていると、父親らしき若い男性が男の子のあとを追いかけてい

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外出日和

外出日和

湯上りのビュッフェに昼寝や 春の週末

久しぶりに最高気温が20℃近くなるという週末、梅も河津桜も季節だし、外歩きにはうってつけ。
何にせよ、とにかく外で過ごしたいっっ。

と息巻いてみたものの、混んでるところは避けたいとか、大阪なおみの決勝(全豪)までには帰宅したほうがいいのではとか、なんだかだと決めあぐね、たどり着いた先は、広々とした露天風呂のある温泉(露店風呂で「外で過ごす」をかろうじてクリ

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季語は魔法

季語は魔法

せせらぎか 竹の葉音か 山笑ふ

*山笑ふ(やまわらう) 春の山の形容。詩句「春山淡冶にして笑ふが如く…」から生まれた。淡冶とは淡く艶めかしいこと。

俳句にふれはじめて、ことばの面白さに改めて感じ入る。

特に、季語の美しいことといったら。

山が眠ったり笑ったり、
風が光ったり、
猫が恋をしたり、
風に乗ってやってきた雪を「風花」と言ってみたり。

見える世界がガラリと変わる。

平日ランチデート

平日ランチデート

吾を越えし肩ごしの空 風光る

平日の昼食は、最近はもっぱら長男がつくる(パスタが多い)のだけれど、今日はめずらしく、

「ナンのカレーが食べたい」

というので、駅前のネパールカレーに出かける。

店までの道を並んで歩く。
もう母さんより大きいので、軽く見上げるようになる。
と、視線の先に満開の白梅。
そしてピーカンの青空。
コントラストが美しい。

目当てのカレー屋は、家族が4人のころから来て

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挨拶は大事

挨拶は大事

春めくや ペコポコはスキスキの音 

noteで俳句日記をつけはじめてそろそろ1か月。
次のステップのために、今日は軽めな「#自己紹介」を投稿したら、スマホがペコポコと鳴って、それまで3日に1つくらいだった「スキ」が8つもついた。

挨拶って大事ね。

高校生の息子の倫理ゼミでの話

高校生の息子の倫理ゼミでの話

蘖や 「母ちゃん」から「母さん」へ

*蘖(ひこばえ) 樹木の切り株や根本から萌え出てくる若芽のこと。「ひこばゆ」と動詞にも使われる。春の季語。

火曜の夕方は、次男のオンライン倫理ゼミ。
部屋のドアが閉まり、中から楽し気な笑い声や白熱の主張が聞こえてくる。

夕飯を作っていると、ゼミとその後の歓談(ゼミと同じくらい長い)を終えた次男が台所へやってくる。

「いやー、母さん、今日もSがヤバかったよ

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オンラインな日常

オンラインな日常

シャバーサナの微睡み覚ます春時雨

月曜午前中は、オンラインヨガの時間。

オンライン授業に、オンライン取材、オンライン報告会、オンライン飲み会も数回トライしたっけ、、、
すっかりオンラインが日常になる今日のこの頃。

もともとは地元の公民館を使ってやっていたのだけれど、コロナ禍にあって大勢で集うのが難しい昨今、文明の利器はありがたい。

リアルの醍醐味にはもちろん勝てないけれど、リアルが望めぬ中

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