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成瀬は天下を取りに行くを読んで
久しぶりに小説を読んだ。
著者の方をよく知らなかったが、静岡出身で滋賀在住で本作がデビュー作とのこと。
ネタバレあるかもなのでここから先は自己責任で。
本作は主人公成瀬あかりを中心に、短編集のように物語が進む。
各短編は成瀬あかりの周囲の人の目線で描かれていて、成瀬あかり目線で描かれているのは後半から。
とても好奇心が旺盛で気になったら突き進んでチャレンジしてしまう性分で変人扱いされることもしばしば。
高校入学時に坊主にして3年間で何センチ伸びるかを実験するような子なのでしょうがない。
そんな彼女の周囲の人々が彼女に持つ感情は様々だ。
憧れ、興味、嫉妬…そして恋心
彼女はそのどれにも興味が無いように見える。
彼女は興味を持つものが多すぎて、他人の評価などに気を取られているヒマはないようだ。
その生き方は、確かに誰にも出来るものではない。特に昨今ではSNSで『映え』を気にして『いいね』をもらうことに必死になっている人が多いように感じる。
この手の承認欲求は今に始まったことではないが、それによるトラブルも含めて顕在化しているのは間違いないだろう。
本来、自分の幸福は他人が決めるものでないことは誰もがわかっているはずである。
他人の評価に左右されては、自分の人生を他人にコントロールされているようなものだ。
そこから脱却しなければ、幸福でありようがない。
自分がしたいことはなにか?目指したい姿はなにか?
他人の評価についてはそれを決めてから考えることで、一番最初にやるべきことは、自分の本心を素直に受け入れることが大事なのだ。
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