芥川龍之介「蜜柑」
青空文庫で読んだ:
かなり短い。しかも、題の蜜柑そのものが登場するのは、その中の更にほんの一瞬。
しかし、その一瞬の情景が、目の前にパッと閃く。実に鮮やか。まさに絵画的。私の眼に見えてるはずはないのに、はっきりと見えた気がする。これが文豪の技…?
絵の才能があれば、その情景を描きたいと思う。この作品の読者なら、同様に思う人が結構いるんじゃないかと思う。
絵心はないが、何となく頭の中に構図は浮かんでる。座席に座る作者の視点から、列車の窓枠を額縁に見立てる。列車の窓から身を乗り出す少女。その頭は窓枠の上で切れ、その手は更に上方で振られているので描かれない。窓の外の地面には少年3人、その頭上に舞う数個の蜜柑。ストップモーション。
しかし、絵が下手過ぎて描けない…。
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