ミルクボーイ風「銀河鉄道の夜」
「オカンがな、好きな宮澤賢治の童話の名前を忘れたらしいねん」
「どんな特徴か言うてみて」
「少年が2人列車に乗って天の川を旅する話らしいねん」
「『銀河鉄道の夜』やね。その特徴はもう『銀河鉄道の夜』しかないわ」
「でも分からへんねん」
「何が分からへんのよ」
「オカンが言うには、その2人のうち1人は、背が高くて、足も長くて、髪もスラッと長くて、まつ毛も異常に長い女の人らしいねん」
「ほな『銀河鉄道の夜』ちゃうやないか!宮澤賢治にそんなメーテルみたいな女出てけーへんのよ。ほなもうちょっと何か特徴言うてくれる?」
「オカンが言うには、2人とも猫キャラらしいねん」
「『銀河鉄道の夜』やないか!昔アニメでやってたやつや。全員猫キャラで登場すんねん。ほんでなぜか3人だけ人間やねん。『銀河鉄道の夜』やそれは!」
「でも分からへんねん」
「何が分からへんのよ」
「オカンが言うには、車掌さんが透明人間らしいねん」
「ほな『銀河鉄道の夜』ちゃうやないか!帽子の下で目が2つボ〜ッと光っとるヤツやろ?あれ最初見た時怖いねん!でも人柄よさそうやから何か安心してまうねん。『銀河鉄道の夜』と違うがな、どうなってんねん。もうちょっと何か言うてなかった?」
「乗ってる客はみんな死んだ人らしいねん」
「『銀河鉄道の夜』やないか!一緒に乗ってる友だちも川に溺れて死んだんや。さっきの3人の人間も船が沈んで死んだんや。乗ってはるのみんな死人や。天の川は三途の川や!『銀河鉄道の夜』で決まりや!」
「でもオカンが言うには、主人公の少年は機械の体を手に入れたいらしいねん」
「ほな『銀河鉄道の夜』ちゃうやないか!宮澤賢治にそんな鉄郎みたいな男の子出てけーへんのよ!出てくんのはジョバンニとカムパネルラよ!カムパネルラなんか呼びにくくて舌噛みそうになるねん!ほなもうちょっと何か言うてなかった?」
「『銀河鉄道999』のモデルになったらしいねん」
「『銀河鉄道の夜』やないか!『銀河鉄道』言うてるがなオカン!どうなってんねん!オカンが好きなのは『銀河鉄道の夜』!」
「でもオカンが言うには『銀河鉄道の夜』ではないと」
「ほな『銀河鉄道の夜』ちゃうやないか!オカンが『銀河鉄道の夜』ではないと言うてるんやったら、『銀河鉄道の夜』ちゃうがな。どうなってんねんこれ」
「でオトンが言うには」
「オトン!」
「『1000年女王』ちゃうかって」
「いや絶対ちゃうやろ」
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昔Twitterに投稿したネタです。noteにもupします。
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