御徒町「丘」鶯谷「宝泉湯」「SANDWICH SHOP OCEAN」
最近は家でテレビゲームをプレイする休日が楽しくてあまり外に出ていない。
この連休も出ない予定だったのだが、ふとLINEを見ると前に職場を辞めた元同僚の女性から連絡がきていた。
彼女が職場を辞めてから半年も経つし、その間、LINEは交換したものの特にメッセージのやりとりはしていなかったので急な連絡に驚いた。
なんでも「友達の誕生日会で東京に行く用事があるのでランチでも行きませんか?」とのことだった。
彼女は埼玉の片田舎に住んでおり都心部までは片道2時間ぐらいかかるそうだ。
職場に来ていた時も大変そうだったので滅多なことでは都内に出てこないのだろう。
私は女性に好意的な印象を持っていたので了承すると待ち合わせ場所の上野に行くことにした。
いつもなら何を食べるか事前に決めるのだが、女性から「食べるものは気分で決めましょう!」とメッセージが届いていたので敢えて何も決めずに向かった。
合流すると「夜は焼肉なので何か軽いものを食べたい」とのことだったので、喫茶店でオムライスやパスタはどうかと提案した。
最初は「ギャラン」という煌びやかな純喫茶に入ってみたのだが、席は空いているものの料理は1時間待ちだというので別の店に行くことにした。
同じく純喫茶の「丘」は前に行きつけにしており勝手を知っていたので入ってみた。
最近は昭和レトロブームのせいで混んでいるのだが運良く席が空いており座ることができた。
しかし結局はピラフとドリンクのセットを注文したら、ドリンクが出てくるまでに30分、料理が出てくるまでに更に30分と待たされたので店を変えた意味がなかった。
上野近辺の純喫茶はどこも混んでいるし、これが平常運転なのかもしれない。
本当は食事の後に美術館に行こうと話し合っていたのだが料理の提供が遅かったことにより美術館は無しになった。
ただ、あまり深い仲ではない人と美術館に行くと美術を見るペースを合わせなくてはいけないので精神的に疲れるだろうと想像していた。
そのため彼女には悪いが美術館の予定がなくなって内心ほっとしていた。
ただ元々、気の合う女性だと思っていたのもあり話は弾んだ。料理が出てくるのが遅かったせいでじっくりと話し込むことができたので、怪我の功名だったかもしれない。
喫茶店で食事を終えると、彼女の予定まで少しだけ時間が空いたので上野公園を散歩しながら鶯谷駅に向かった。
風の気持ち良さや散歩の楽しさを共有できる女性は貴重だと思った。ゆったりとした時間を過ごせない人と一緒にいるのは疲れるからだ。
彼女はよく男性から「女」としてみられることに困っていると言っていた。
奥さんや彼女がいる男性から言い寄られて嫌な気持ちになる事が多いとのことだった。
確かに彼女は気立てがよくて愚痴も少なく30代にしては可愛らしい見た目で、他の男の気持ちもわかるというものだ。
彼女とは大して深い付き合いではないが、こういう女性とだったらお付き合いの末に生活を育むことも想像できると思った。
私は「男は奥さんや彼女がいても段々とマンネリ化してきて新鮮味を求めるものだ。それが職場の女性であれば一番手近で良いのだろう。でも男の身勝手さが貴女に迷惑をかけるのは良くないね」なんて最もらしいことを適当に嘯いておいた。
彼女は「恋愛相談に乗るユーチューバーにでもなった方がいい」とお世辞か何かわからないようなことを私に言った。
時間がきて彼女は友人の誕生日会に行くとのことで16時頃に鶯谷の駅前で解散した。
家にまっすぐ帰ってテレビゲームをプレイしても良かったのだが、せっかく着替えて外に出てきたので帰るのが惜しく感じた。
銭湯に行こうかと思ったのだが、しばらく外に出ないうちに銭湯への情熱も薄れてしまい、どうも乗り気になれなかった。
結局近くの銭湯の前まで行ったものの入ろうか入らまいか迷っているうちに30分も散歩してしまった。
意を決して「宝泉湯」という銭湯に入ると湯を楽しんだ。
私は銭湯やサウナを趣味にしていたが、熱い湯も熱い部屋も嫌いで、改めてサウナ室に入ると「熱くて苦しいな」などと当然のことを思うのだった。
こちらの銭湯は都心部にも関わらずサウナは混んでいなくて助かった。
水風呂は22度ぐらいのヌルいものだが十分に気持ちよく、ダラダラと浸かっていられて居心地が良かった。
またミスト湯なる珍しいものがあって、露天風呂ではないが岩風呂になっており、小雨のようなミストが降り注いでいた。
何より38度ぐらいのぬるま湯が心地よく何分でも入っていられそうだった。
銭湯を2時間ぐらい楽しむとロビーで飲み物を飲みながら晩飯を食べる場所をインターネット上で探した。
腹は減っていなかったのだが、外に出て銭湯まで行ってしまうと、どうせなら何か食べて帰りたいと思った。
近くに美味しそうなサンドイッチ屋があったので、そこに足を運んだ。
その店「SANDWICH SHOP OCEAN」はアメリカンサンドイッチの店で、店内は狭いが5席ほどのイートインできる場所があった。
注文したのはスモークビーフサンドのドリンクセット。ドリンクはコカコーラでお願いした。
コーラの入ったグラスもアメリカの海岸をイメージさせるようなイラストが描かれていて雰囲気抜群だ。
そして提供されたサンドイッチを大口を開けてかぶりつくと美味しかった!
肉は想像以上に柔らかくてバンズともマッチしていた。
サンドイッチを持ち上げると肉汁がボタボタと垂れてきてズボンにかかって最悪だったが、肉汁が垂れることでチャックが空いていることに気付き命拾いした。
この手の少し高めのグルメバーガーに類似した食べ物は値段ほどは美味しくないことが多いのだが、この店のサンドイッチは素直に美味しいと思えた。
腹が減ってないので食べようか迷っていたが足を運んで良かった。
なんだかんだ朝から晩まで外を楽しんで帰った。上野・鶯谷エリアに足を運んだのも久しぶりだったので新鮮に感じた。
また何かをきっかけに外に出ようと思ったし、きっかけがなければ家にこもっていようと思った。
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