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現場を大事にする文化をつなぐ仕組み

GW最終日といいつつ、夜は学生チームとミーティングでした。鳥取市でNPOを経営しています。

うちの学生プロジェクトのポイントの一つはちゃんと現場に行って体感することなのですが、今日のミーティングでは、その辺の大事さを感じてくれているなと思えた話がいくつかありました。その大事さが生まれる仕組みが何かについて考えてみます。

1.現場に足を踏み入れることの大事さ

まずは現場に足を踏み入れる事を僕らがどう捉えているかを考えてみます。

大学生×地域を仕事にしていると”地域貢献”、最近だと”地方創生”、僕が学生の時は”地域活性化”だったかと思うのですが、そういう単語がよく飛び交います。外部人材の関わりによって、地域にポジティブな何かが起こるという事なのですが、伝われば呼び方は何でも良いと思っているので、言葉については興味はないのです。相手方となる地域がどこで誰なのか、その部分を語れることは大事だと思っています。

たまに大学の先生とか大学院生が「地域にちょっと行って役に立てるプログラムも欲しいですね」とか言うのを聞きます。役割はいろいろあるので、それでできることもあると思いますが、僕はまずは現場に行って欲しいし、継続的な関わりの中でこそ大学生の学びは深くなると思っています。あと単純にちょっと行って役に立てることはすごく少ないです。

地域の課題解決など単語としてはわかります。もちろん、都市部に比べての問題点や状況を把握することは、差分を見やすいポジションなので、見つけやすいとは思います。地域の人がそれに気づいていないパターン(良い部分も良くない部分も)もあるので、その点は役に立てます。

ただ、それを解決するのに外部人材がちょろっと行ってハイ解決。みたいな状況はほとんど無くて、いろいろ複雑だったり、条件とか縛りがあったりします。知れば知るほど単純ではないことも見えてきます。

ましてや大学生ができることの範囲はより狭いです。それよりも、ちゃんと現場の人たちと関係性を作ってほしいし、そこで何かを与える以上にもらってしまうこと、何を返すんだろうと悩むことを体感してほしい。そんな時間にして欲しいと考えています。だから現場を体感してほしい。

2.関わり役に立ち、信頼を得て次のステージがやってくる

ちょうど、7日の朝の会でも話題になっていたのですが、「地域に仕事はあって、足りないのは人」ということにどの段階で気づけるのかという話がありました。

ちょうどゲストの嶋田さんは大学時代からの知り合いで同じように地域系活動をやっていました。僕はそのまま法人にしてしまい、彼は就職・実務経験を経て自分で会社を立ち上げて今や時の人です。

原点は似ているなと思っていて、地域に入って教えてもらって、支えてもらったりする中で、役割を小さく見つけ、貢献したところから次の話がくる。地域だけの話ではないのですが、そういう構造なのかなと思います。

うちの学生たちはそれを先輩後輩でバトンをつないでやっているので、それはそれですごいなと思う日々です。1年のプロジェクト単位で見れば小さな進歩ですが、数年単位で続けることで、全国にも誇れる企画になっていたりします。

3.現場と思考の行き来をすること

現場に行き、持ち帰った体験や経験で自分たちのプロジェクトを考える。この現場と思考の行き来の中で、手触り感のあるプロジェクトの進行が生まれますし、失敗も糧となります。

仮説と思考だけだと、何となく知った気になった段階で止まってしまう。よくわからないことも含めて現場で感じて、それに対して自分が、自分たちがプロジェクトで何をするのかを考える。

うちの学生たちがそれを自然と取り組むようになっているので、特にリーダークラスはそうじゃない関わり方に違和感を感じるんだなと。関わりの時間を創らないうちに自分がやりたい部分だけ体感することの違和感。

ここは組織の哲学の部分なので、あわない人は去ってもらう事にもなるのかなと思います。あくまでも優先順位の話なので、僕らのプロジェクトの優先順位が低いならそれを尊重するけど、無理に関わらなくても良いんじゃない?と。「今じゃないのかもね」という感じです。

4.ちょっとメンドクサイ組織として

そんなことを整理してみると、僕らはちょっとメンドクサイ組織なんだなと気づきます。ちゃんと現場に行ってねとか、このタイミングは悩んだ方がいいねとか。隠し味のように、プロジェクトに揺らぎが起こる条件を作ってしまう。短期的には揺らぎはストレスなので、排除したいのですが。

なぜ現場に行くのが大事か、なぜ悩むんだろう

という問いがあることで、少なくともリーダー経験者にとっては、気づきがあり、それを通して自分のプロジェクトになるのだと考えます。だからこそ、続いているのかもしれないなと思うので、メンドクサイは続けます。令和のメンドクサイが何かも模索しながらやっていきたいなと思います。

今日はここまで。学生チーム、読んで~。

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