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Ф(¨ )創作にキク絵本( ..)φ④舌ながばあさん

こんにちは、鐘古こよみです。
学校や図書館で読み聞かせのボランティアをし、たくさんの絵本に触れてきました。
数ある素敵な作品の中でも特に、創作する人にこそ読んでいただきたい!
そんな絵本の紹介をしていきます。

第四回目は、『舌ながばあさん』のご紹介。
書影やあらすじの引用が不可だったので、今回は引用ナシです。ご興味ある方はぜひ、タイトルを検索してみてくださいね♪

<基本情報>

タイトル:『舌ながばあさん』
著者:武 建華  編集:千葉幹夫
発売日:2001.02.23
出版社:小学館

<あらすじ>

舞台はアジア圏のどこか、山奥の村。
人の頭をペロッとなめる「舌ながばあさん」と、恐ろしい鬼のような姿の「朱のばん」は、人を驚かせるのが大好きな妖怪。
でも最近、人間たちが山に来ません。

山を下りて様子を見に行くと、みんな家の中で青い顔。元気がなくて、頭を舐めても、ちっとも驚いてくれません。
理由を聞くと、どうやら原因は水不足にある様子。

その原因は人間たちの行動にあると知っていた舌ながばあさんは、怒りながらも、人間たちに元気を取り戻してもらうため、朱のばんと共にひと肌脱ぐことに。
水源の湖へ行ってみると、そこには龍がいて……。

<感想>

まず表紙の絵をぜひ検索してください。赤い顔の鬼みたいな妖怪の肩に乗って、長い舌をぴょろ~んと伸ばしたおばあさん。
不気味です。これだけ見ると、ホラーかな!?と身構えてしまうほど。

勇気を出してページを開いてみると……ホラーなんてとんでもない。生き生きした妖怪コンビによる、ユーモラスな冒険活劇の始まりです!

特筆すべきは、ツッコミの「舌ながばあさん」とボケの「朱のばん」コンビの、息ピッタリな掛け合い。
漫才みたいなやりとりをしながら、しぶしぶ人間を助けることにして、思わぬ龍とのバトルに巻き込まれ……その戦いっぷりの鮮やかなこと!

漫才で息ピッタリな二人は、戦いでもやっぱりいいコンビなのです。動きのある絵とリズミカルな文章から、それが伝わってきます。
このおかしな二人がどんな活躍をするのか、ぜひご自分の目で見ていただきたいです♪

面白いだけじゃなくて、自然と人間の付き合い方を考えさせるような、教訓的な内容もしっかりと盛り込まれています。
でも説教臭くないのは、なによりも主役二人のキャラクターがいいからでしょう。

私が創作にキク!と思ったのは、まさにその部分。
ライトノベルを読んでいるかのような、とっつきやすく楽しい二人のキャラクターが、物語をぐいぐい引っ張ってくれるところです!

次から次へとページを捲りたくなってしまう、とても心躍る愉快なお話です。ぜひお手に取ってみてください。
表紙の印象が読み終わった時にはガラッと変わっていること、間違いなしですよ。

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