発達障害の人が自己肯定感を高めるシンプルな方法
定型発達の人と同様に、発達障害の人にとっても、自己肯定感を高めることは、日々の生活を充実させるための大切な心持ちです。そこで、本記事では、まず自己肯定感とは何かについて簡単に触れます。次に自己肯定感が下がる一番の要因を述べ、最後に自己肯定感を高める方法について解説します。
①自己肯定感とは?
自己肯定感とは、自分自身を肯定的に受け入れ、ありのままの自分を認める感覚のことです。これは「自分には価値がある」「自分はこのままで良い」と感じる能力で、他者との比較ではなく、自分自身の価値や存在意義を見出すことに焦点を当てます。
実際、世の中には、自己肯定感の高い人が一定数います。そういった人たちは、常に湧き出る泉のようにポジティブな気持ちで満ち溢れています。自己肯定が出来ている人は、大樹の根がその幹や枝を強く支えているように、困難や逆境に遭遇しても、大きく気を病むようなことはありません。心の中に前向きな気持ちがずっしりと根を下ろしているからです。
とは言え、現実的には、自己肯定感の低い人も一定数いますし、発達障害の人に限って言えば、自己肯定感の低い人のようがはるかに多いと思われます。なので、次にそうなる原因について述べます。
②自己肯定感を下げる要因
発達障害の人の自己肯定感が低い理由は何か?その要因は色々あると思われますが、けっきょくのところ、「失敗体験の積み重ね」が一番根本的な要因だと(私は)考えます。
例えば、発達障害の人は、ASD特性により、空気の読めない言動をすることで、他人から敬遠されてしまいがちです。また、ADHDの不注意特性から、同じミスを何度も繰り返す、計画通りに物事を進められない、など実に様々な失敗を経験します。
特に自分が発達障害である自覚がないと、なぜ自分が失敗ばかりするのか、が分からず、「行動しても、どうせ失敗する」と心身が学んでしまい、いわゆる学習性無気力に陥ります。実はこの状態に陥った発達障害人は多いのです。
「では、どうすれば自己肯定感は上がるのか?」について、次に解説します。
③自己肯定感を高める方法
1. 小さな目標を設定する
発達障害の人は大きな目標を立てると途中で挫折しやすくなります。そこで、簡単に達成できる小さな目標を設定しましょう。例えば、「毎日5分間読書をする」や「今日は職場で1回笑顔で挨拶をする」など、自分が無理なくできることを目標にします。このように、小さくても達成感を感じられる目標を設定することで、成功体験が積み重なり、自分への信頼が少しずつ育ちます。
2. 行動して、できたことに目を向ける
設定した目標に向けて行動を起こします。そして、行動した後は「できなかったこと」よりも「できたこと」に目を向けましょう。例えば、「今日は5分の読書ができた」「笑顔で挨拶ができた」という風に、自分が達成したことを意識して確認します。この段階では、「自分はちゃんとできたんだ」と自分を認めることが重要です。たとえ小さなことでも、自分の行動を肯定的に捉えることで、自己肯定感は少しずつ高まります。
3. 成果を振り返り、自分を褒める
行動した結果を振り返り、自分の努力を褒める習慣をつけます。例えば、「今日は予定通りに動けた、自分よくやった」と心の中で声をかけたり、成功したことを日記に書き留めてみましょう。この振り返りによって、自分の成長や努力が目に見える形で確認でき、自分を大切に思う気持ちが生まれます。
4. 継続してポジティブな習慣にする
最後に、このプロセスを継続して習慣化します。毎日少しずつでも、目標を立てて行動し、自分を褒める時間を持つことが大切です。例えば、朝の時間に今日の小さな目標を決め、夜にはそれができたかを振り返る時間を持つと良いでしょう。この習慣を続けることで、自己肯定感は徐々に向上し、最終的に安定したものになるでしょう。
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