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ASDの人が完璧主義をやめるには?

ASDは完璧主義の人が多い。これは事実です。では、なぜASDの人は完璧主義の人が多いのでしょうか?それはおそらく、全体より部分にこだわる障害特性や、白黒思考(0or100)、ルールやパターンにこだわる形式主義的な思考傾向などが原因と考えられます。ASDの完璧主義はこれらの原因と共に、ネガティブに語られるのが普通です。

もちろん、完璧主義がプラスに働くこともあります。例えば、精密な美術作品を作り上げるために、ASDの人の持つ完璧主義的な思考パターンが役立ちそうなことは想像に難しくありません。もう少し日常的な例で言えば、完璧主義が几帳面さや礼儀正しさといった性格に反映されて、人から高評価を得ることもあり得ます。

しかし、全体としてみれば、完璧主義はマイナス要素が多いと言えます。一番の欠点とは、効率の悪さでしょうか。完璧さを追求するあまり、どうでもよい細部に囚われ、時間をロスしてしまうことは多くの仕事でデメリットでしかありません。また、完璧主義はストレスの原因にもなります。完璧の追求は、そうでなければどうしようという心理的プレッシャーとの戦いでもあります。これらは本人にとって問題なだけでなく、周りの人にも悪影響を与えかねません。

そこで今回はこの完璧主義をやめるコツを4つ紹介します。

①完璧主義のデメリットを噛みしめる

先程も少し述べましたが、今度は完璧主義のデメリットを列挙してみましょう。

・完成が遅い
・決断が遅れる
・行動力がない
・失敗へのストレス・プレッシャー
・何事も続かなくなる
・柔軟な思考が出来なくなる
・視野が狭くなる
・他人にも批判的になる
・周りの人に迷惑がかかる
・気難しい人と思われ敬遠される

どうでしょうか?ちょっと考えただけでこれだけデメリットが出てきました。これだけ並べられると、これまで完璧主義を貫いていた人でも、一度、考え直すべきだと思うことでしょう。完璧主義が不合理であることが身に染みて分かれば、自然にそれをやめる方向に自分を持っていくことができるはずです。

②「まずやってみる」を知る

完璧主義の人は、往々にして以下のような思考・行動プロセスを取ります。

①情報を集める
②それを理解する
③完成モデルを組み立てる
④作業を開始する

完璧主義の人にとって、この思考が不変のパターンで、これ以外は何も知らないのかもしれません。

しかし、実際の仕事では効率的でないことは明白です。まずやってみて、間違えたなら、それを修正しながら進めて、とりあえず完成させるというプロセスを体験する。このとき重要なのは、③の「完成モデルを組み立てる」を絶対視しないことです。

大切なことは思考の柔軟性です。少しづつでも、臨機応変な作業の仕方の経験を積むことで、完璧主義も軽減していくはずです。

③8割の出来で自分を褒めるようにする

完璧主義をやめるにはどうすればいいか?、それは8割で満足することです。むしろ、8割もできた自分は素晴らしいと考える癖をつけましょう。1つのことにこだわって100点をとっても、そのしわ寄せで他が皆3~40点ではバランスが悪すぎます。多くの完璧主義者がやってしまう現実がこれです。しかし、8割を維持することはそれほど難しくありません。

実際、ビジネスの世界ではパレートの法則というものがあります。これは「仕事の成果の8割は、費やした時間全体の2割で生み出している」というものです。この考え方で言えば、8割の仕事が2時間で終わるとしても、完璧(10割の仕事)を目指すと、10時間かかることになります。そう考えれば、完璧主義が不合理で、8割で十分であることが分かります。

④加点方式で考える

完璧主義の人は理想である100点を設定し、そこから良くない要素を見つけて引いていく減点方式で考えがちです。そして、そのマイナスを失くそうと必死になります。この考え方では、どうしてもネガティブな部分に目が行ってしまいます。

しかし、加点方式ではまずゼロの状態から始めて、そこに点を足していくため、自分の良い部分を探していくことの連続となります。

この考え方を身につければ、自分が足りないところはどこかと神経質になることもなく、ポジティブな気分で作業を行い、完了させられることでしょう。




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