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「発達障害者のための金銭管理術|取り組みやすい4つの方法」

発達障害を持つ人は、特性の影響で金銭管理が苦手になりがちです。ADHDの人は衝動的に行動しやすく、計画的にお金を使うことが難しいことがあります。一方、ASDの人は、興味・関心のあることに多くの出費をしがちな面があります。

これらの特性には、それに合わせた対策が必要です。具体的な方法として、視覚化や習慣化、自動化などの工夫を取り入れることで、発達障害の特性に合った金銭管理が実現できます。では、その具体的な手法を紹介していきましょう。



①視覚的に収支を把握する方法

<数字やデータを視覚化して理解を深める>
発達障害を持つ方にとって、視覚的な情報整理は有効です。例えば、月々の収入や支出をグラフやチャートにして見える形にすることで、どこにお金を使いすぎているかが一目でわかります。

事実、エクセルスプレッドシートで収支を管理するのは効果的です。例えば、セルやグラフのバーに条件付き書式を設定し、予算を超えた金額になると、赤色になるようにしておくと、自分への警告になるので、出費が抑えることができます。

<アプリや手書きのリストで収支を管理するコツ>
デジタルが苦手な方には、手書きのリストが効果的です。例えば、毎日の出費をノートに記録するという方法があります。ノートにその日使った金額と項目をメモしておく習慣をつけましょう。これにより、どこで無駄遣いをしているかを後から確認でき、次の月に同じミスを繰り返さないよう意識することができます。


②固定費を自動化して管理を簡単にする方法

発達障害を持つ方にとって、ルーチン化は非常に効果的です。特に、支払いを忘れやすいADHDの特性を持つ方にとって、毎月の固定費を自動化することは有効な手段となります。

まず、固定費の自動化とは、家賃、光熱費、水道料金、国民健康保険、携帯電話料金など、毎月必ず支払わなければならない出費を、銀行口座やクレジットカードから自動的に引き落としに設定することです。これにより、手動で支払いをする手間や、支払いを忘れるリスクをなくすことができます。

例えば、ADHDの方は、支払いの期限がいつだったかを忘れてしまい、結果として延滞料金が発生するケースがあります。こうした無駄な支出を防ぐためにも、光熱費や家賃、保険料などをすべて自動引き落としに設定しておくことが重要です。


③強制的な貯金口座の設定

発達障害の人は衝動的にお金を使ってしまうことが多く、貯金がうまくいかない場合があります。そのため、自分で自由に引き出せない「強制的な貯金口座」を作ることで、貯金を確実に行う方法です。この口座は、自分のメイン口座から毎月自動的に一定額が振り込まれるよう設定し、貯金を意識せずに進められます。衝動買いを防ぐ効果があり、目標達成がしやすくなります。

まず、メインで使っている銀行とは別に、新たに貯金専用の口座を作ります。ネット銀行や手数料が安い銀行がおすすめです。次に、メイン口座からこの貯金口座に毎月決まった金額が自動的に振り込まれるよう、銀行の自動振込設定を行います。振込日は給料日直後など、確実にお金があるタイミングが良いです。貯金口座は基本的にアクセスしにくい場所にし、引き出すのに手間がかかるようにすることがポイントです。

この方法のポイントは、出金を「手間がかかる行動」にすることです。実際、手数料がかかるネット銀行や引き出しに手続きが必要な口座を選ぶと、引き出すハードルが高くなります。また、振り込む金額は無理のない範囲に設定し、継続できることが大切です。


④衝動買いを防ぐための日常の工夫

<衝動的な支出を防ぐための環境整備と行動の見直し>
発達障害を持つ方は、衝動的な支出に対処するために環境を整えることが効果的です。実際、ADHDの方は、クレジットカードを使うことで無意識に支出が増えてしまう傾向があります。

なので、オンラインショッピングの際は「クレジットカード情報をあえて保存しない」設定にし、都度手動で入力するのがいいでしょう。この小さな手間を加えることで、買い物の衝動を抑えられます。こうした「物理的な障壁」を設けることが、衝動的な買い物の防止につながるのです。

<買い物リストの作成と熟考>
また、衝動買いを防ぐために「欲しいものリスト」を作成するのも有効です。リストを作成した上で、実際に必要かどうか数日間考えた後に購入するようにした結果、無駄遣いが減ります。このやり方は、衝動的な行動をコントロールするのに効果的です。


まとめ

発達障害を持つ方でも、視覚化、自動化、強制貯金、衝動買い防止の工夫を取り入れることで、お金の管理を無理なく続けることが可能です。それぞれの方法を自分に合った形で取り入れることで、より効率的に管理ができるでしょう。


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