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メイクに性別は関係ない…これからは男性のメイクが当たり前になる! #5 無いならメイクで描けばいい

髪やまつ毛、眉毛など、全身の毛が生えない難病、全身脱毛症。そんなハンデを負いながら、美容系ユーチューバー・メイクアップアーティストとして活躍し、同世代から多くの共感を集めているGYUTAE(ギュテ)さん。初の著書『無いならメイクで描けばいい』は、そんなGYUTAEさんの壮絶な半生と、力強いメッセージが詰まった一冊。ページをめくるたびに生きる勇気がわいてくる、そんな本書の一部をご紹介します。

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周りなんて気にしなくていい

「メンズメイク」という言葉が広まっていますが、実は僕、この言葉が苦手です。そもそも男性がメイクしてはいけない、というルールなどないんだから、「どうして“メンズ”って付ける必要があるの?」って。

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僕自身の願望としては、この言葉がもっと浸透してしまう前に、僕がプロデュースするコスメを世に出せたらと思っています。「メイクに男とか女とか関係ないから!」という、メッセージを込めて……。まさに、今、形にしようと頑張っています。

アパレルグッズでもコスメでも、何かを作る時に僕が共通して持っている想いは、「誰でも自由に使えるもの」ということです。

僕は服だってレディースでもメンズでも、着たいものを着ます。なんならレディースの服を買う方が多いくらい。服は服だし、コスメはコスメ。誰がどう着たって、どう使ったっていいんです。

昔から、僕は性別や国籍で行動を制限されることが苦手でした。「男なのにメイクするの?」とか「韓国人なのに韓国語が喋れないの?」とか……。そんな偏見や価値観が、少しでも変わればいいなと思っています。

よく「イエベ(イエローベース)なんですがこの色は似合いますか?」といった質問をいただくのですが、その制限も個人的には必要ないかなと思っています。

自分の肌トーンや似合う色を知ることは大切ですが、そんなルールに縛られて、自分のしたいメイクができないなんてもったいない。周りなんて気にしなくていいんです。

好きな色を、自由に、好きなパーツに……。自分が“好き! ”と思った色を使った方が、絶対幸せじゃないですか?

僕が感じている価値観の変化

男性がメイクするということ。僕がメイクを始めた14歳のころはまだ「メンズメイク」という言葉すらなく、今と比べると、価値観の変化をしみじみ感じます

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メイクをしていたら馬鹿にされる……そう思って誰にも打ち明けられなかった。電車に乗っても顔を隠したり、浮いて見えるんじゃないかとコソコソしていました。

それから10年以上経った今、僕の周りには本当にたくさんメイクを楽しんでいる男性がいます。「メンズメイク」「美容男子」といった言葉の普及や、コスメブランドのアンバサダーに男性が起用される機会が増えているところを見ると、時代が変わったなと実感します。

自分の動画を見ても改めて思うのですが、男性の僕が女性用のメイクをしている動画を、たくさんの女性が見ているって、昔だったら考えられない異様な光景ですよね(笑)。

僕が女装している動画がバズって、可愛いって言ってくれる女性がたくさんいて、「メイクの仕方を教えてください」って言われる。昔だったら、気持ち悪いって言われて叩かれて終わりだったと思うんです。

でも昨今の風潮に便乗して生まれた、僕が苦手な「メンズメイク」という言葉。「メンズ」という言葉が付いているだけで、メイクが二分されたままになる。背景にはいろんな事情があるかと思うんですが……分ける必要ないんじゃないかなと僕は思うんです。

これからもっと男性のメイクは普及していくはず。男性にとってもメイクが身だしなみの一環になって、当たり前になる時代が来ると思います。その時まで、メイクやコスメに対する自分の考えを発信し続けたい。それが今の僕の使命だと思っています。

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無いならメイクで描けばいい

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