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調教室の責め道具…官能小説の金字塔、衝撃の第2弾! #2 花と蛇2 涕泣の巻

緊縛、浣腸、剃毛……。義理の娘とともに、ズベ公たちによって性の奴隷となり、屈辱的な調教を受ける静子夫人。救出にきた探偵の京子もなぶられたうえ、妹の美津子までが捕らえられた。やがて、美津子の恋人とその姉が新たな餌食に……。団鬼六文学の最高傑作として、一部で高い評価を得ている『花と蛇』シリーズ。その第2作め、『花と蛇2 涕泣の巻』の冒頭をご紹介します。

*  *  *

調教室

ちょうど、その頃、静子夫人と京子は、三階の突き当たりの物置、つまり、調教室として用意の整った室へ、川田や田代達に引き立てられて行く。赤い絨毯の敷かれてある階段を一歩一歩、くの字の恰好をして歩んで行く夫人と京子。布切れ一枚許されず、肌身にあるのは、両手を後手に緊縛している非情な麻縄だけであった。

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森田組の若い乾分達、それに葉桜団のズベ公達。それらが、屠所へひかれて行く子羊に等しい夫人と京子の周囲を取り囲むようにしてからかいながらついて行くのだ。

いよいよ、人間である事を忘れさせられるような恐ろしい訓練を鬼源のような人間達の手で受けさせられるのだと思うと、静子夫人も京子も恐ろしさに足がすくみ、時々、二人とも階段の途中で、たまらなくなったように身をかがめかけた。

「何をしてるんだ。しゃんと歩かねえか」

その都度、川田は、縄尻を引いて、二人の美女の尻を蹴った。

すすりあげ、身悶えしながら歩いて行く夫人と京子の尻が、左右に色っぽく揺れ動くのを、森田組の若い男達がニヤニヤして、見つめている。

調教室という事になっている三階の部屋まで、二人の美女を引き立てた川田は、ノックする。ドアが開いて、顔を出したのは、出歯をむき出した猫背の鬼源だ。

部屋の中には、鬼源の指図で、森田組のチンピラ達が作ったらしい不気味な道具類が、部屋の隅にぎっちりと配置され、部屋の中央には、土俵のような大きなマットレスが敷かれてあった。その上に二本の麻縄がからみ合うように天井から垂れている。

川田は、恐怖に身を硬くしている夫人と京子を追い立てるようにして、マットレスの上へ押しあげ、垂れ下っている縄に夫人と京子の縄尻をつなぎとめた。マットレスの上に二人の美女は、ぴったり体を寄せ合ったように立たされてしまう。

これから、一体、どのような目に遭わされるのかと、二人の美女は生きた心地はなく、ぴったり体を寄せ合って、小刻みに震えているのだった。

川田が煙草を口にしながらいう。

「へっへへ、この部屋が、お前さん方の調教室というわけさ。見てみな。木馬も、磔台も、大俎も、全部揃っているぜ。素直に鬼源のいう通りの事が出来なきゃ、何時でも、ああいう責め道具が、ものをいうってわけさ」

川田がいうと、田代も、

「これだけの道具を揃えるには、ずいぶんと、金と手間がかかったよ。二人とも、しっかり調教を受けて、立派なスターになってくれなきゃ困るぜ」

と、腹をゆすって笑う。

静子夫人と京子は、互いの白い肩に顔を埋め合うようにして、この屈辱を必死にこらえ合っているようだった。

「そんな風にしていると、まるで恋人同士のようね」

と銀子がからかう。すると、鬼源が、

「恋人同士になって頂かねえと、これからの調教もやりにくいんだ。つまり、同性戦ってやつだな。二人とも、そういう気分に本当にならなきゃ駄目だぜ。さあ、一つ、本当の調教に入る前に、二人でキッスしてみな。うんと熱の入ったやつをね」

鬼源がそういい出したので、ズベ公達は、わあーとわき立った。

静子夫人と京子は、反射的に身を離し、あまりの屈辱に、こめかみのあたりを痙攣させ、涙のにじんだ美しい瞳できっと鬼源と川田を睨む。

「何でえ。それ位のことで驚くには当たるめえ。これから、しなきゃならねえ事にくらべりゃ序の口ってやつだぜ」

さあ、やったり、やったり、と、やくざやズベ公達に身体のあちこちを突かれる夫人と京子である。

「何なら、お前さん達の眼の前で、美津子と桂子に面白え実演をさせてもいいんだぜ」

川田は、ちらりと奥の手を出した。

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「――京子さん」

静子夫人は、二人の少女が自分達の眼の前で嬲りものにされるのを見る勇気はない。少女達の危険を救うために、その犠牲になろうと覚悟を決めたのか、泣きはらした瞳を京子に向ける。

「――お、奥様――」

京子も静子夫人の覚悟を知って、すすりあげながら、悲痛な表情で夫人を見た。二人は頬と頬とをすり合わし、身体をふるわせて、口惜し泣きする。

「何をもたもたしてるんだ。早くキッスしねえか。甘く激しいキッスをね」

川田が、嵩にかかって大声をあげる。静子夫人と京子は、人間的な思念を一切、投げ捨てたような気持で、互いに固く眼を閉じ、唇を近づけ合っていく。

夫人と京子の唇が触れると、ズベ公達は、どっと歓声をあげた。が、川田と鬼源は、

「唇を合わすだけじゃ駄目だ。二人とも、しっかり舌を吸い合って、熱烈なキッスシーンを展げるんだ」

川田と鬼源は、何度も夫人と京子にそういう行為を演じさせ、気に入らぬと、青竹を持って来て、後ろから二人の尻を激しくひっぱたく。

一時間近くも、そのように強制された接吻を演じている二人の美女は、遂に鬼源と川田を満足させる本格的な接吻をするようになった。夫人も京子も歯を開いて、舌を交互に相手の口の中に入れ合い、吸ったり吸われたりしているのを見た川田と鬼源は、互いに顔を見合わせニヤリとする。

ようやく、唇を離す事を許された夫人と京子は、すぐに体をねじり合い、互いに背を向け合って、激しく嗚咽する。

「何も、そんなに照れる事はねえよ。きっといいコンビになれるぜ。なかなか気分の乗ったキッスだったよ」

と川田は笑う。

「さて、気分の乗ったところで、本格的トレーニングといきましょうか。小道具は出来てますかね。鬼源さん」

川田が鬼源の方を向いていうと、細工は流々と鬼源は笑い、黒鞄を持ち出してくる。鬼源は、ふと、そのあたりに群がっているやくざやズベ公達に向かっていった。

「すみませんが、これからの事は、わっしと川田の兄さんだけに任せて、皆さんは、ひとまず、外へ出て行っておくんなさい。最初だけに、皆さんがそうじろじろ見ていなさると、この別嬪さん方、羞ずかしがって身体がコチコチになって、うまくいかねえんです」

鬼源がそういうと、やくざもズベ公も、口をとがらしだした。

「何だい。あたい達は、それを楽しみにしてここまでやって来たんじゃないか。邪魔はしないから見物さしとくれ」

銀子と朱美が口を揃えていったが、川田がさえぎった。

「まあ、お前達の気持もわかるが、この御婦人方は、俺達の玩具じゃねえ。森田組の資金源になるよう鬼源さんのやり方で、みっちり仕込まなきゃならないんだ。それによ、練習中を同性の女達に見られるってのは、たまらねえ恥ずかしさで、鬼源さんのおっしゃるように美しいスターが硬くなってしまっちゃ、俺達がやりにくい」

夕方までに、みっちり訓練し、今夜は、必ず、皆んなの前で実演させるから、と鬼源がズベ公達に約束したので、やっと納得した銀子は森田組の若い連中をさそって、廊下へ出る。二階のホーム酒場で、大いに飲もうとズベ公達は、やくざ達を誘うのだ。

「じゃ、今夜を楽しみにしてるよ。奥さんと京子嬢の成長が早く見たいものだわ」

銀子と朱美は、身体をふるわせて、すすりあげている夫人と京子にそう浴びせ、笑いながら、ドアを閉めた。

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花と蛇2 涕泣の巻

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