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全国の書店員さんから感想の声、続々! 村木嵐最新作『まいまいつぶろ』5月24日刊行

2023年5月24日に刊行予定の村木嵐『まいまいつぶろ』。
刊行に先立ち、書店員さんの感想を公開します!

◆◆書店員さんから感想の声◆◆

私の時代よりも障害や身分に厳しかった時代に決して派手ではないけど、静かに一生を懸けて必死に伝え続けた人達がいたことに心が揺さぶられました
岩瀬書店富久山店 吉田彩乃

所々で感情がこみ上げながらもとてもやさしく繊細な描写。家重・忠光とも真実の友であり、寛大なる人柄であった印象がとてもよく伝わってきました。今まで持っていた家重時代の歴史観が変わったと思います。
未来屋書店 水戸内原店 関在我

あまり注目されることのない徳川家重の話というだけでとても興味深く一気に読み終わりました。家重と忠光の主従関係を超えた友情に胸熱です。
ジュンク堂書店 柏モディ店 宮本美奈子

強い矜持と確かな知恵。
それに対する無二の試意と真の愛情。
読んでいる間ずっとあたたかな涙が目の中にありました。
読書の醍画味がぎゅっと詰まった心震える作品でした。
不具に関してつまびらかに書かれているとつらくて読めないと恐る恐る読み始めましたが、その部分は読者の想像の幅としてくださったところから本作の真はそこではない。という思いを強く感じ、安心して読めました。
そのように書いてくださった作者さま、そのように作ってくださった編集さまに心より感謝をお伝えしたいと思います。
ダイハン書房岡本店 五十嵐みゆき

しっかりと胸に刻まれた。これは傑作だ―  天命を全うすべく、出会ったふたり。
出自と身分は違えども、心は強い絆で結ばれていた。孤独の程は計り知れないものだとしても
わかりあえるものがいることで、どれほどの励みになったことだろう。過酷な苦難にも互いを支えながらそれでも立ち向かうことができたのだろう。人が人たる所以を、あらためて感じさせられた。
本の王国 書籍販売部 宮地友則

第9代将軍 徳川家重。
こんなに優しい将軍は初めてです。
体に重度のハンディキャップを抱えながらも、
将軍とは思えない、心温かな生き方に何度も目を見張りました。
そして話すことができない家重の口となり、支え続けた忠光。
家重の心に寄り添い愛を注ぎ続けた妻の比宮。
2人のひたむきな姿に胸を打たれます。
本当の強さとは、大切な人を想う心の強さだと深く感じました。
家重が忠光に最後に伝えた言葉。
この言葉を見た瞬間、滂沱の涙が止まりませんでした。
どんなに自分が辛く苦しい状況でも、
人を愛し続けた徳川家重。
その歩んできた軌跡は、誰よりも光輝いています。
人としてずっと大切にしたい心を教えていただきました。
紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子

第九代将軍の家重に関しては病弱だったという知識しかありませんでした。どんなに辛く悔しい人生を送ってきたのだろうと、読んでいるだけで胸に迫るものがありました。
言葉を理解してくれる家臣の忠光と心から慕ってくれた正室の比宮の存在はとても大きかったと思います。
時代物ですがとても読みやすく、読んで良かったと思う本でした。私自身の忘れられない一冊になりそうです。
うさぎやTSUTAYA宇都宮戸祭店 信賀由紀子

兵庫が凄い!
周りからどれだけ言われても、最後まで貫いた志。
出来ることではないです。
奥様が寂しかっただろうな…とは思いましたが。
個人的には大岡忠相が好きです。
宮脇書店境港店 林雅子

江戸時代は大好きな時代ですが9代から14代将軍までに関しましては恥ずかしながら教科書で勉強したくらいの知識しかなく、家重さんが生来身体的なことで悩まれていたことも初めて知りました。
この作品で家重さん、家治さん、田沼意次さんに関する見方が変わりました。最も田沼さんに関しましては最終章でやっぱりか、となりましたが。
身体が思うに任せないからこそ心が触れ会えた人とは信頼し合えるという人間の良さを改めて感じさせてくれました。
書泉ブックタワー 飯田和之

忠光の忠義が美しい。彼の主人、家重が見た目で能力を判断されてしまうことの悔しさは現代に通じるものがあるなと読んでいて思った。
作中の家重も忠光もとても魅力的で、実際に会ってみたいと思わせる。(薔薇の件は家重の人となりが感じられて好き。)
また最近、NHKのドラマ10「大奥」でも描かれていた時代だったので馴染み深かった。当店は忠光の墓所がある岩槻に近いので(ですよね?)、そのあたりもアピールできればお客様に届くかなと思った。
紀伊國屋書店さいたま新都心店 大森輝美

「まいまいつぶろ」拝読いたしました。 ひたすら正しい政のために困難を乗り越えてゆく家重、忠光の姿を、広く今の世に問うべきと思いました。 いずれ真正面から書かれなければならなかった題材を見事な物語になさった村木さんに敬意を表します。 よい作品を読ませていただき、ありがとうございました!
八重洲ブックセンター 営業推進部 内田俊明

第九代将車・徳川家重。手足に障害をもち、尿意も感じない。
天下の大将軍家の嫡男に生まれながら、世継ぎを果たすのにこれほど苦労が絶えない者がいたとは。現代ではあり得ない、想像も及ばないほどの重圧、生き辛さがあったことたろう。「小説上の架空の将車です」と言われた方がまだ納得できそうなこの家重の心の支えとなった忠光。その重責も察するに余りある。徹頭徹尾滅私、只々家重の口となり過ごす日々。 感情のはけ
口も無く、忠義を全うする姿は真の侍。 徳川家重、大岡忠光。これ以上のバディは存在し得ないのではないだろうか。信類関係だけで無く、思いやりの心に胸が熱くなる作品でした。
紀伊國屋書店 仙台店 齋藤一弥

主従という立場を超えた、家重と忠光の絆に何度涙したことか……。 過酷な状況の中で、お互いがお互いを唯一無二の存在と認め合い支え合い、成し遂げようと邁進した事が痛い程伝わって来ました。心動かされる時代小説、最高です!
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子

序盤から胸が熱くなることしきりで、どれだけ涙を流したことか。暗愚と揶揄された将軍と将軍の「口」となりその生涯を賭して仕えた男の絆と生きざまに心震えた。すべての日本人に届けたい今期最高の感動作!
六本松 蔦屋書店 峯多美子


◆◆最新作はコチラ◆◆

もう一度生まれても、私はこの身体でよい。
そなたに会えるのならば。
 
第九代将軍・徳川家重を描く落涙必至の傑作歴史小説。

口がまわらず、誰にも言葉が届かない。
歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ蔑まれた君主がいた。
常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解するのはなんの後ろ盾もない小姓・兵庫。
麻痺を抱え廃嫡を噂されていた若君は、いかにして将軍になったのか。
 
「そなたは決して、長福丸様の目と耳になってはならぬ」
長福丸(後の徳川家重)が見るはずのないもの、聞くはずのないこと、それらを告げ知らせることは兵庫(後の大岡忠光)の役分を超える。
「長福丸様は目も耳もお持ちである。そなたはただ、長福丸様の御口代わりだけを務めねばならぬ」
 
廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な闘いが始まった。

著者紹介

村木嵐(むらき・らん)
1967年京都生まれ。京都大学法学部卒業。2009年「春の空風」が松本清張賞候補になる。2010年、『マルガリータ』で第17回松本清張賞を受賞。故司馬遼太郎氏夫人・福田みどりさんの個人秘書も務める。


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