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他人と自分を比べない…京大卒の元ニートが提唱する「そこそこ幸せに生きる方法」 #4 持たない幸福論

正社員にならねば、結婚しなければ、子どもをつくらねば、老後に備えなければ……。こうあらねば、という思い込みに縛られている現代人。そこから脱出するヒントを教えてくれるのは、京大卒というエリートながら「日本一有名なニート」として共感を集めるphaさんだ。『持たない幸福論』は、そんなphaさんが提唱する「そこそこ幸せに生きる方法」をつづった一冊。読後、きっと心が軽くなる本書から、一部をご紹介します。

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自分の価値基準をはっきり持つ

お金がなくても楽しく暮らすための心がけとして一番大事なのは、「他人と自分を比べない」ということじゃないかと思う。そして他人と自分を比べなくても平気になるためには、「自分の価値基準をはっきり持つ」ということが必要だ。

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自分と他人とを比較して、「他の人はもっといい暮らしをしてる」とか「他の人はもっといい物を持ってる」とか考えて劣等感を抱いてしまうと、人並み程度や人並み以上にお金を得たりお金をかけた生活をすることにこだわってしまう。

でも、他人と自分を比べるということはあまり意味がないと思うのだ。僕は、自分と自分以外の人間とは、イヌとかネコとかヤギみたいに違う生き物だと思っている

まあ、ヒト同士だと多少話は通じて意思疎通もできるけど、根本的にはやっぱり一人ひとりが違う肉体を持って全く違うものを見て、違う価値基準で行動しているものだと思う。

種類の違う別の生き物と自分を比べて勝ったとか負けたとかやることは意味がない。例えば「鳥は飛べるけど俺は飛べないから負けてる」とか「自分より屋久杉のほうが長生きだから屋久杉のほうが偉い」とかいうことで悩むのはバカバカしい。

それと同じように自分の生き方や価値基準と他の人間の生き方や価値基準は全く違うものだし、他人と自分を比べても仕方ないものだと思う。

何十年か前は、今よりももうちょっと社会の中で価値観のバラつきが少なくて、みんなが当たり前のように結婚したり家を買ったりしていて、社会の大勢がある程度同じ理想や目標を共有できていた。そういう時代は統一された基準を使って他人と自分を比べたりしやすかったから、「勝ち組」だとか「負け犬」みたいな勝ち負けの概念を作りやすかったのはある。

でも今の時代はそういうメインストリームの価値基準というものがだいぶ崩れて、いろんな人間がいろんな生き方をそれぞれするという時代に少しずつなりつつある。そうしたらいよいよ他人と自分を比べる意味はあまりないと思う。

あなたにとって本当に必要なものは?

大切なのは、周りに流されずに「自分にとって本当に必要なのは何か」「自分は何によって一番幸せになるか」という自分なりの価値基準をはっきり持つことだ。

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それとまあ、自分一人だけで周りと違う価値観を持って生きるのも孤独でキツいので、自分とある程度価値観が近い仲間や友人を持つことも必要だ。

たまに親しくもないのに自分の価値観を押し付けてきて「そんな生き方は間違っている」「世の中はそんなものは認めないぞ」とか言ってくる人がいるけど、そういうのはよく分からない宗教の人が「あなたの生き方は我が教の教義に反しているので死後十億年間地獄に堕ちます」とか言ってくるのと同じなので、「ああ、別の宗教の人だな」と思ってほっとけばいい。

ブログを書いていると不特定多数の人が読みにくるので、僕のブログにもときどきよく知らない人(大体ちゃんと文章を読んでいない)が「あなたの考えは間違っています」とか「もっと働いてください」とかコメントをしてくるんだけど、そういうのは全部「あー、あなたの宗教ではそう考えるんですね、僕は違うからよく分かんないけど」って思ってスルーしている

世の中は多種多様な価値観で溢れているのでいちいち全部の人の意見を聞いていたらキリがないし、自分が信頼する人間の意見以外は聞かなくていいと思っている。

僕は「自分にとって幸せを感じられるのは何か」という自分にとっての価値基準を考えた結果として「お金よりものんびりできる時間のほうが大事だな」と思ったので、今のようなあまりお金を稼がない暮らしをしている。

逆に、「自分は何によって一番幸せになるか」を考えた結果として「自分はどうしても都心のいい家に住んで社会的に成功している人として見られたい」とか「自分はどうしても幸せな家族を作って囲まれたい」とか思ったら、それを実現するために頑張るのもありだ。

そのことにかかるお金を計算して、「それを得ることで自分が感じる幸せ」と「それにかかるお金を稼ぐことの大変さ」とを比べて「幸せ」のほうが上回るなら、頑張って働いてお金を稼いでやりたいことを実現すればいいと思う。

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持たない幸福論 pha

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