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「PDCA」ではもう遅い!「ダダダの無限サイクル」で実行&改善をくり返す #2 35歳の教科書

自分にしかできない仕事をやっているか。組織に埋没していないか。定年後に自分の居場所はあるか……。残業をしても給料は上がらず、ポジティブシンキングだけでも乗り切れない時代に、どう働き、生きるべきか。リクルートフェロー、杉並区立和田中学校校長などを歴任した藤原和博さんの『35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画』より、そのヒントをいくつかご紹介しましょう。

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変化のスピードについていくために

ビジネスパーソンであれば「PDCAサイクル」を知らない人はいないでしょう。管理業務を正確にスムーズに進めるためには、

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(1)プラン=計画(P)

(2)ドゥ=実行(D)

(3)チェック=評価(C)

(4)アクト=改善(A)

という流れで進めること。そして、一周したら、また(1)のプランに戻り、このサイクルを繰り返すことによって精度を高めていくという考えです。

このマネジメントサイクルは確かに素晴らしいと思うのですが、変化のスピードが速くなっている現代においては4段階をきっちり踏んでいては間に合いません。実行したらすぐに改善し、改善案を実行したら、また改善という「DADADA」にする必要がある。私はこれを「ダダダの無限サイクル」と呼んでいます。

以前はPDCAでもよかったのです。たとえば校長に就任したら、1年目にプランを立て、2年目に会議にかけて問題点を洗い出す。そして3年目に正解としての案を出し、4年目にやっと動き出す。その頃にはちょうど転勤で、結局何も変わらないのですが、それでも大きな支障はありませんでした。

しかし、現代はこんな悠長な態度を許してくれません。物事を実行したら、ダダダと3回修正してみる。それでダメであれば、すぐに手を引いたほうがいい。逆に可能性を感じたら、100回でも1000回でも修正を繰り返します。こうして完成したのが、たとえばトヨタの技術であり、仕組みなのです。

初めての入学式で伝えたこと

世の中には悪いニュースばかりが行き交っているように思えますが、考えてみればパソコンやスマホは想像を絶するスピードで進化を続けています。新幹線も自動車もどんどん高機能になり、デザイン性も高くなっている。私たちの身の回りの商品は、間違いなくレベルアップしています。

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なぜ、そういうことが起こるのか。たとえばある商品に対して3000人が関わっているとします。各人が1日に1カ所の改善をすれば、1年間で約100万カ所が改善されることになる。私はこのことを、校長に就任してから初めての入学式で子供たちに話しました。

「この学校の生徒は169人しかいませんが、保護者も含めると300人以上の人がいます。1年に1カ所でいいです。『自分はここに花を植えよう』『ここの修理をしよう』『トイレをきれいに掃除してみよう』と意識をして実行してみてください。そうすると3年間で1000カ所が改善されます。1000カ所も直して、よくならないものがあるでしょうか」

和田中学校は実際にこの改善運動に取り組み、今なお継続しています。

どこを改善すれば最も効果的なのか。思案している暇があるならば、まずは行動してみることです。ダダダの無限サイクルで、不透明な時代をぐんぐん突き進んでいけばいい。失敗しても、改善すればいいのです。ともかく一歩を踏み出すこと。

こうしたやり方を、「正解主義」ではなく「修正主義」と呼びます。「修正主義」で仕事に取り組み、「修正主義」で人生すればいいんです。

心配しないでください。

前進しているうちに、必ず未来が拓けてきますから

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35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画 藤原和博

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