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HSPの人に多い「ゼロか100か」思考をやめるには? #4 脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法

ささいなことをいつまでも引きずってしまう、人の気持ちを気にしすぎて疲れる、大きな音や明るい光が苦手……。5人に1人が生まれながらに備えているという、刺激に対して強く反応しやすい気質、「HSP(Highly Sensitive Person)」。脳科学医でありながら長年、この「敏感な気質」で苦しんできた高田明和さんが上梓した『脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』から、同じような悩みを抱える方々に、生きづらさとうまく付き合っていく方法をご紹介します。

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「中間」がないか考えてみる

とてもじゃないけど引き受けられない仕事にもかかわらず、「相手に悪いから」と無理して受けてしまう、あるいは些細な失敗に「自分はダメな人間だ」と打ちひしがれてしまう。超過敏の人によくある一幕です。

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そこまで追い込まれてしまうのは、物事をゼロか100かと極端に判断する考え方にあるかもしれません。もし心当たりがあったら、この考え方を改めてみてください。思いの外、心が軽くなるものです。

たとえば何かを頼まれたときの答えは、引き受けるか断るかの2択以外にないのでしょうか。

3つ目の選択肢「交渉」という方法があるではないですか。

どのくらいの量ならできるか、どのくらいの時間があればできるかといったことを相手とすり合わせ、無理のない範囲で協力できることもあるでしょう。

交渉の末に折り合いがつかず断らざるを得ない状況になったとしても、「交渉」は何とか期待に応えようという姿勢の表れですから、相手も快く承知してくれるはずです。

失敗も考え方ひとつです。

「自分はダメ」と考えそうになったら、「確かに失敗はあったけれど、他の仕事ではすべてうまくやっている」「あれは時間がなかったせいで、焦らなければミスはしなかった」と、自分を肯定できるポイントがないか探してみてください。少なくともひとつ、2つはあるものです。

それが見つかれば、あなた自身を全否定する要因にはならないことがわかりますよね。

確かにテレビなどを見ていると、「サイコー」「サイテー」「サイアク」などと偏った表現が氾濫していますが、多くの物事は、ゼロか100か、全か無か、白か黒かといったことでは割り切れません。割り切れることなんてほとんどないといってもいいでしょう。

まず、中間の選択肢・判断基準があることを知ってください。「そこそこ美味しいレストラン」「まずまずの成績」というのもあるのです。普段から意識的に、「中間」がないか考えてみましょう

「困ったことは起こらない」と唱える

「困ったことは起こらない」。これは、私が禅から学び、ずっと大切にしてきた言葉です。動揺しそうになったときにこれを唱えると、心が落ち着いてくるのですから不思議です。

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この言葉は、「プラス思考をしなさい」というような意味になります。ブッダは、人の苦しみはその人自身がつくり出すもので、絶対的な「苦しみ」というものは存在しないと人々に諭しています。

つまり、何かが起こったとき、それを「困ったこと」と感じるかどうかは人の心しだいで、困ったと思わなければ、それは「困ったこと」ではなくなるというのです。

「困った、どうしよう」と頭を抱えてしまいそうなときには、それは本当に「困ったこと」なのかを考えてみてください

そんなに深刻に思い悩む必要があるのか、そんなに重大なことなのかと問題を見直すと、どうしてそれほど悩んでいたのかと拍子抜けすることは案外多いものです。はじめから問題などなかった、なんてこともあるくらいです。

はじめは半信半疑でも、「困ったことは起こらない」と唱えていると、少しずつではありますが、前向きに物事を捉えられるように心持ちが変わってきます。心持ちが変われば行動が変わります。その結果、実際に悩みにぶつかることが減っていきます。

超過敏の人は、小さな不安のタネを自分でどんどん大きく育ててしまいがちです。事実、私もそうでした。しかし、世の中には深刻になるべき問題はさほどありません。「困ったことは起こらない」のです。だから、どうぞ安心してください。

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『脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』

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