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47都道府県の歴史と地理がわかる事典 #4

都道府県は、存在そのものが日本人の心のよりどころだ。各都道府県の歴史・地理をコンパクトながら深掘り解説した『47都道府県の歴史と地理がわかる事典』は全都道府県に足を運んで集めた「鉄板ネタ」「地雷ネタ」まで盛り込んだ、読んで楽しく役に立つ画期的な事典。

※本記事掲載の情報は、書籍刊行当時のものです。

◇  ◇  ◇

3 学校

(1)有名高校

[公立]八戸、青森、弘前、三沢商業など。[私立]青森山田、八戸学院光星など。

(2)大学

[国立]弘前 [公立]青森公立、青森県立保健 [私立]青森、八戸学院、八戸工業など。

4 経済

(1)交通

[鉄道]JR東日本だがSuicaが使えない。東北・北海道新幹線「はやぶさ」「はやて」が停車する。他に、ストーブ列車が有名な津軽鉄道(日本最北の私鉄)や弘南鉄道、第三セクター(=半官半民)の青い森鉄道がある。[空港]青森空港、三沢空港。

(2)企業

[新聞]東奥とうおう日報(青森)、デーリー東北(八戸)、陸奥新報(弘前)など3紙が競い合っている。[金融機関]青森銀行、みちのく銀行など。[百貨店]さくら野百貨店(青森、八戸、弘前)、中合なかごう三春屋店(八戸)、中三なかさん(青森、弘前) [その他]ヴァンラーレ八戸(Jリーグ)、サンデー(ホームセンター)、東北化学薬品(卸売)、日本原燃など。

(3)行事・祭り

弘前さくらまつり(弘前市、4~5月)、恐山大祭おそれざんたいさい(むつ市、7月、下北半島の恐山は死者の霊を呼び出す女性霊能者イタコの「口寄せ」で有名)、八戸三社大祭さんしゃたいさい(八戸市、7~8月)、青森ねぶた祭(青森市、8月)、弘前ねぷたまつり(弘前市、8月)など。ねぶた・ねぷたは巨大な燈籠とうろう人形を乗せた山車だしのことで、地域ごとに呼び名が違う。

5 出身有名人

[過去]陸羯南くがかつなん(思想家)、羽仁はにもと子(教育者)、棟方志功むなかたしこう(版画家)、淡谷あわやのり子(歌手)、太宰治だざいおさむ(作家『人間失格』)、初代若乃花(横綱)、寺山修司しゅうじ(演劇)、沢田教一きょういち(報道写真家)、斉藤ひとし(柔道)、ナンシー関(コラムニスト・消しゴム版画家)など。[現在]三浦雄一郎(プロスキーヤー、登山家)、吉幾三よしいくぞう(歌手)、田中義剛よしたけ(実業家、花畑牧場)、手倉森誠てぐらもりまこと(サッカー)、舞の海(大相撲)、船木誠勝まさかつ(格闘技、プロレスラー)、古坂大魔王こさかだいまおう〔ピコ太郎〕(芸人)、畑山隆則はたけやまたかのり(ボクシング)、高見盛たかみさかり振分ふりわけ親方〕(大相撲)、福士加代子(マラソン)、伊調いちょう千春・伊調かおり(レスリング)、松山ケンイチ(俳優)、山口真帆まほ(元NGT48)など。

6 ご当地の話題

[方言]「じょっぱり」(強情者)、「け」(食べなさい)、「く」(食べる)、「め」(おいしい)、「せばだば」(それなら)、「まね・わがね」(だめ)、「いだわし」(もったいない)、「しゃっこい」(冷たい)、「じゃんぼ」(頭髪)など。[鉄板ネタ]青森市はカップ麺とやきとりの年間購入額が全国1位。企業が本社を置く都道府県別の女性社長比率も全国1位。弘前城は東日本で唯一天守閣が残る城で、弘前公園のソメイヨシノ(桜)は日本最古。下北半島のサルは世界一北に棲むサル。津軽三味線の吉田兄弟はなぜか北海道出身。[地雷ネタ]南部地方と津軽地方を一緒くたにするのは×。津軽地方の中ですら青森市と弘前市は分けて考えるほうがよい。

7 ガイチの目

[一言]『津軽海峡冬景色』でレコード大賞を受賞した石川さゆりは、当時なんと19歳。しかも熊本県出身。[好き]青函連絡船「八甲田丸」はお勧め。鉄道乗り入れ部分が特に見どころ。北海道側の函館にある「摩周丸ましゅうまる」と合わせてぜひ。[青森県へ提案]「上野発の夜行列車」を復活! 誰も無口ではない鉄道ファンが絶叫して喜び、飛ぶように切符が売れるかと。

3 岩手県 東北地方

[人口]124万人(→) [面積]1万5275(全国2位)

[人口密度]81人/km2

[県庁所在地]盛岡市(人口29万人)

[主要都市(人口順)]盛岡、奥州おうしゅう一関いちのせき、花巻、北上など

[県花]キリ [県木]ナンブアカマツ [県鳥]キジ

[県章]「岩」の字をデザイン

1 地理

(1)地形

全国2位の面積をもつ南北に長い県。西の秋田県との境に険しい奥羽おうう山脈があり、その間に北から東北最長の北上川が流れ、低地が開けて北上盆地をつくる。雄大な岩手山〔南部富士〕が県内最高峰(2038m)。東部には幅広い北上高地が広がり、太平洋に面した三陸海岸は、岬と入り江が入り組んだギザギザのリアス海岸で有名。地形的に津波の被害が大きくなる。

(2)気候→東部は「太平洋側の気候」

夏に北東の海から冷たく湿った風「やませ」が吹く。これが内陸部で低温と霧を生み、1カ月以上続くと冷害が起きる。冬は、東北地方らしく普通に寒い日が続く。

(3)特産

[農業]工芸作物(=工場で製品にする農作物)のビール用ホップ、ワイン・ジュース用の山ブドウが全国1位で、葉タバコの生産も盛ん。八幡平はちまんたい市では秋の花リンドウの出荷量が全国1位。[畜産・酪農]北上高地などで行われる。古来、良馬とされた「南部駒」の産地として名を馳せ、母屋おもやと馬屋をL字型にした「曲家」で、馬が凍えないよう大切に飼う。ブランド和牛の前沢牛や地鶏の南部どりも有名。また、小岩井農場(3名の創業者「小野」「岩崎」「井上」の頭文字から命名)は、荒れ地を切り開いた日本初の近代農場。[林業]北海道に次ぐ全国2位の森林面積を誇る。木炭、生ウルシ、マツタケ生産量が全国1位。[水産業]三陸沖は、日本海流〔黒潮〕と千島ちしま海流〔親潮〕が出合う潮目で、プランクトンが豊富なことから世界的な好漁場。久く慈じ、宮古、釜石、大船渡おおふなとなどリアス式の三陸海岸にある漁港が有名だが、内湾を利用したワカメ、カキなどの養殖も盛んで、養殖ワカメは全国1位。また、NHKの朝ドラ『あまちゃん』で話題になった海女あまも活躍、アワビ漁獲量は全国1位。[鉱業]古代から金の産地として有名で、奈良の大仏造立時の金箔きんぱくにも使用される。江戸時代以降、釜石鉱山の鉄鉱石が有名だったが1993年に閉山。幕末につくられた日本最古の製鉄所である橋野高炉こうろ跡は「明治日本の産業革命遺産」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録されている。[工業]釜石の鉄鋼業は1989年に高炉を止め、衰退。社会人ラグビーの超強豪「新日鉄釜石」(松尾雄治ら)でも有名だった。1980年代は、東北自動車道沿いにIC〔集積回路〕や電子部品、情報通信機械の工業団地が形成され、他県も含め「シリコンロード」と呼ばれ注目されたが、近年は諸外国に押されている。松川地区では1966年に日本初の地熱発電が行われ現在に至る。[観光業]中尊寺金色堂、毛越寺もうつうじ浄土庭園など奥州藤原氏の遺構が集まる平泉ひらいずみ町は、一度落選し、再挑戦で世界文化遺産登録を果たした。太平洋側にある龍泉洞りゅうせんどうは、秋芳洞あきよしどう(山口県)、龍河洞りゅうがどう(高知県)と並ぶ日本三大鍾乳洞しょうにゅうどうの一つで、最深部で120mになる地底湖の透明度の高さで有名。底に落ちるわけじゃないのにのぞくと怖い。[伝統産業]奥州市と盛岡市の南部鉄器、県北部の浄法寺塗じょうぼうじぬり・県南部の秀衡塗ひでひらぬり、久慈市の琥珀こはく(宝石に加工)など。[ご当地グルメ]盛岡市と花巻市のわんこそば(「わんこ」はお椀)、盛岡冷麺、じゃじゃ麺、久慈市のまめぶ汁(「まめぶ」はくるみと黒砂糖を包んだ団子)、一関市のもち料理、奥州市の前沢牛など。[お土産]かもめの玉子、南部煎餅せんべい、田むらの梅、小岩井農場シリーズ、大槌町おおつちちょうで発祥した新巻鮭あらまきざけなど。

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