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可愛い戦争が苦しいなら今すぐ離脱せよ┃整形アイドル轟ちゃん

可愛い戦争離脱宣言

1 誰かに認められることを行動の目的にしない。

2 自分が自分の一番の理解者

3 1人で幸福を感じる努力を惜しまない

可愛い戦争の戦士たちへ

戦いを楽しんでいるならそのままで。
苦しいなら今すぐ離脱せよ。


私は、「可愛い戦争」で負けっぱなしの女の子だった。いつも顔を見られることに怯えて隠れ、敵に見つかれば「ブス」という言葉の弾で一方的に撃たれて傷ついた。応戦する自信もなく、逃げることもできず、ただ「ブスだから仕方ない」と自分を責めた。

外見によって勝ち負けが決まる理不尽な「可愛い戦争」の戦場に、誰もが一度は立たされる。

人によっては、醜いものを叩いて優越感を得る。インターネットの匿名性を利用し、自分の姿を見せずに陰から非難の言葉をぶつける人もいる。

道で通りすがりに突然「ブスだな」と言われたり、「私のほうが可愛い」と相手からマウントを取られる場面にも遭遇する。

敵が誰かはその都度変わり、いつどこで攻撃されるかわからない。
本人に戦う気がなくても、好戦的な相手にいつ撃たれるかわからないリスクを皆が背負っている。
そんな世の中を表して、私は「可愛い戦争」と呼ぼうと思う。

これは一概に悪いこととは言えない。客観的に自分を見る機会にもなるし、「負けたくない」という気持ちが自分の容姿を磨くきっかけになるかもしれない。
ライバルがいてこそ燃え上がって「もっとがんばろう」と輝く人もいる。もちろん理不尽な外見至上主義や誹謗中傷を擁護などできないが、逆境を上手く利用し成長する器用な人も一定数いるだろう。

ただ、皆さんはもう気づいてるかもしれないが、初めから現実には「可愛い戦争」の戦場など存在しない。「あの子より勝っている」という奢りも、「あの子には負けている」という劣等感も、全て一人一ひとりの脳内で、それぞれの価値観で、勝手に設けられた架空の上下関係だ。

「世間」とひとくくりにすれば当然「可愛い」の定義もある程度定まってくるが、細かく見ると人によって違う。そんな不安定なものに縛られて、自分の貴重な時間を潰してしまうのは本当にもったいない。

しかし、主観で作られた戦場だからこそ、他人の意思でそこに強制参加させられてしまうことから逃れられないのも事実なのだ。では、どうすればいいのか。

「可愛い戦争」から自分の意思で離脱することだ。

世間の言う「可愛い」はいらない。誰かに認めてもらうことが自分の価値じゃない。自分が自分の一番の理解者。他人にどう思われようと関係ない。そう思い込む。

誰かの脳内では今も「可愛い戦争」が起こっている。「私、こいつよりは可愛いな」とか、「ブスすぎて彼女にはしたくないな」とか、勝手に銃口を向けられているかもしれない。それを口に出す人がいれば、聞きたくもない負け宣告の弾が自分を傷つけるかもしれない。

しかしそこで、「いや、私可愛い戦争には参加してないから」と、他人の言葉次第で、自分の価値をぶらさなければ弾は弾でなくなる。

誰もが「可愛い戦争」の戦場に一度は立たされる。しかしそれは人によっては地獄でしかない。他人の心ない非難に傷つき、怯え、もう逃げ出したいと泣いている人がたくさんいる。

中には、いつしかそれを当たり前だと思うようになり、辛い環境を受け入れてしまっている人もいるだろう。そんな人たちに、強制的に与えられた参加権を「捨てる」という選択肢もあることを知ってほしい。撤退する意思も尊重されるものだと知ってほしい。

ブスいじりにじっと耐えることや、したくもない自虐ネタに走り味方を作ることを善しとする人間も多いが、そんなのは絶対に間違っている。自己犠牲の精神などなくても、幸せになる方法はある。

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今日から本の発売日まで、少しずつ本に書いたことや、本には入りきれずカットしたことも含めてnoteで更新していきたいと思います。

意図せず「可愛い戦争」に巻き込まれてしまった私たちが、どうにかしてそこから抜け出す術を精一杯伝えられるように、映像ではなく、外見の情報が邪魔しない、文字の世界を選びました。

「可愛い戦争」についての体験談や整形に関して皆さんが疑問に思うことなど、よかったら教えてください。

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(続きは、こちらから)

轟ちゃん 表紙改

12月19日発売
イラスト@おさかなゼリー

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