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夜も更けたけれども、四条大橋はぞろぞろと人間が行き交っている。 弁天の氷の接吻でにわかに…
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東山丸太町、熊野神社西の町内に玉垣で囲われた「魔王杉」という古木がある。 そんな名がつい…
第一章 納涼床の女神ある引退した天狗が、出町商店街の北にあるアパート「コーポ桝形」に住ん…
桓武天皇の御代、万葉の地をあとにして、大勢の人間たちが京都へ乗りこんできた。 彼らは都を…
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森沢明夫さんによる『あなたへ』は夫婦の深い愛情と絆を綴った、心温まる感涙小説です。刑務所の作業技官の倉島は、亡くなった妻から手紙を受け取る。妻の故郷にもう一通手紙があることを知った倉島は、妻の想いを探る旅に出る。 ◇ ◇ ◇ 東京駅から約一時間半――。 街というよりは、町……いや、むしろ田舎という単語の方がしっくりくるような郊外の駅に降り立った田宮佑司は、ホームの上でひとり深呼吸をした。 一週間ぶりに吸い込んだ地元の夜気には、馥郁とした香ばしい土の匂いがたっぷり含