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ふぉれすとどわあふ 秘密地下組織 640字

ミユは、お掃除好きな女の子。
だが、いかんせん体のサイズがミニマムゆえ、他人の手を借りる必要がある。
それは、ときには猫の手であったり孫の手であったりする。

とくに、モグラのホリーはミユにぞっこん首ったけであるからして、言われたことはなんでもするし、言われなくてもなんでもする。
「ミユさま、いかがでしょう?」
埃まみれの鼻をヒクヒクさせ、ホリーは期待顔。
「えっと、あ…すごいね。ホリーくん、時間かかったでしょ」

森の雑貨屋さん直通の通路を抜けると、そこは別世界。
高級リゾート地や巨大クルーズ船もまっさおの、地下王国が完成していた。
「核シェルターとしての機能も備え、もちろん耐震工事もしております、ハイ」
敷地が広すぎるため、移動には自動運転カートが必須。
行く先々でホリーの部下にお辞儀を返し、ミユはちょっとした皇族気分。
白い手袋をするべきだったかな、と思ったりした。

コンサートホールに映画館、スライダーのある温水プール。
遊園地やカジノまであり、ちょっとやりすぎじゃないかとミユは居心地が悪くなる。
レストラン街では、世界各国の料理を取り扱う。
「ミユさまのバランス栄養食品には、遠く及びませんが」

軍事設備にも気合いが入っており、各種武器や銃弾、戦闘機が格納されていた。
有事の際は、ここが本拠地になりうるという。
ホリー一族は先祖代々の土木技術を駆使し、史上最強の地下要塞を築き上げていたのだ。
「えっと…そういう系のハナシは、おねえちゃんとしてくれる…かな?」
ホリーのいきすぎた愛に、心底ドン引きするミユであった。


本編の隙間に、そっと置いておきますね…  お気になさらず…
サブタイトル:暴走愛モグラ一族~Too much love~


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