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ふぉれすとどわあふ ミユの潜入作戦

こちらの③「クマサン星人、のんびりムード」の続きを書いてみました。

***

月の裏側にあるクマサン星人の基地。
そこを急襲する作戦が、いよいよ決行のときを迎えていた。
肝となるのは、シマさんエナガさんのおしどり夫婦。
彼らは冬毛が真っ白のふわっふわで、雪と見まごうばかり。

「ハイ。ミユちゃん、気をつけてのってね~」
奥さんのシマさんは、おっとりタイプ。
「では、失礼して…わあ。もっふもふで寝れそう!」
ミユも危機感がまるでない。
一方、夫のエナガさんは切れ者。マサコ司令官と最終確認に余念がない。「よし。偵察隊からゴーサインが出た。GOだ!」

その日は、狙いどおりに雪が降っていた。
シマエナガ夫妻はステルス飛行を続け、レーダーにかかりそうになると翼をたたみ、雪玉のように垂直落下。
この姿がキュートすぎると地球人はイチコロだが、そんなことはおいといて。

ミユの予測は当たり、キャプテンクーマが姿を現した。
午後2時きっかりに、彼はたばこ休憩をするのだ。
シマさんの背中から、するりとクーマのフードへ。ミユは首尾よく潜り込む。

「おーさっぶ。喫煙室作ってもらわなあかんなあ」
キャプテンクーマはおっきな手を扉にかざし、肉球認証で宇宙船内へ。
そのままいくつかゲートを抜け、指令室に入った。
「グリーズ船長。ただいま戻りました。そろそろおやつ休憩入ってください。今日のサーモンサンドイッチ、うまいらしいっす」

おやつ談議に夢中なふたりの隙を突き、ミユはフードから慎重に出た。
メインコンピューターの下部を調べ、いちばんぶっといコードを発見。
ミユは深く息を吸う。
両手でしっかりつかみ、えいやっとそれを引っこ抜いた。

非常サイレンが鳴り響き、クマサンたちはデカイ図体ずうたいで右往左往。
「どういうことだ。アリ一匹入れんはずだぞ」と船長はおかんむり。
指揮系統が乱れ、軍内のあちこちで暴動が勃発。
クマサン星人たちはあっけなく自滅したのだった。
数名の兵士をのぞいては…

「さっ、帰りましょ。まだ3時半だから、おやつに雪見大福なんてどう?あなた」
「この寒いのにアイスかよ。ったく、これだから女子は…」
「きゃあ、ミユちゃん聞いた?女子ですって。いつまでもかわいらしいって愛してるって暗に言われちゃった~。ふふっ」
「いや、それ拡大解釈しすぎだろ」
夫婦の熱に溶かされそうになりながらも、ミユは帰還飛行を楽しんだのだった。


次は…
①ミユのバランス栄養食品の秘密
②砕けた宝石のゆくえ
③自由きままに

歩行者bさんストーリーに乗っかり、こんなんできました。
キャプテンクーマさんに船長さん、友情出演ありがとうございます。
ちょっとミユちゃんの身長がちっちゃすぎましたかね…?

前後関係が支離滅裂かもしれませんが、とにかく参加することに意義がある精神でねじ込みます。
三羽さん、ご査収ください。




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