見出し画像

コンプレックスや自信の無さは表に出る ~○○のない風俗嬢 in タイ~

大学時代にタイに行った。
主にタイの焼きそばのような料理である"パッタイ"を食べたり、観光をして過ごしていたのだが、ある噂の場所を訪ねた時に出会った女性をふと思い出した。

タイには、知る人ぞ知る"ナナプラザ"という超有名風俗がある。

ショッピングモールのような見た目をしており、煌びやかな外観からまさに想像されるような大人な世界が中に広がっている。

ナナプラザの外観

残念ながら今回の話はそのナナプラザの中の話ではなく、外の話である。
(※先に断っておきますが、売春行為はしておりません。また推奨も致しません。)

この周辺には今の日本でも問題になっている、いわゆる立ちんぼが数多くいる。
数えてはいないがいろいろな国籍の女性が100人くらいはいたような気はする。

その中で、地面に座っている、黒いロングヘアーにクリっとした大きな目をもつ、一際綺麗な女性が目についた。

が、しかし、なんだか黒いオーラのような、言葉では言い表せないドヨーン・・・とした重たい空気が彼女の周りにはまとわりついていた。

なんと言ったのかよく覚えていないが、声をかけてみると、なんといきなり彼女はグスンと涙を流し始め、一言「sorry…」とだけ言った。

何のことか理解できずに彼女を見つめると、右手をスッと上げ見せてくる。
その手をよく見ると、小指が無いことに気づいた。

私は動揺し、こちらこそ何の気なしに話しかけてしまいごめんなさい
といった仕草でその場を立ち去った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学生時代など、時間が有り余っているとつい鏡を見ては、テレビやSNSやインターネットの画面の向こうの容姿端麗な人と比べてしまう。
だけどどれだけキレイな見た目でも、自分の持つコンプレックスや心の傷は外に出て見えるものだと思った。

先の話の小指が無いというのは本当に想像もできないくらい辛いことだろう。
比べるわけではないが、私も昔は大きなコンプレックスがあり、死にたいとすら思ったことがあった。

だけど、大小様々にみんな悩みがある、だけどそれを必要以上に悩んだり、そのことばかりを考えるようになってしまうと、本当にそういう暗い気持ちは外に出ていき、人をより遠ざけてしまい、負のループに陥ってしまう。

私は明るい人間ではないが、コンプレックスを克服した今は、昔よりはワントーン明るいオーラが出ているといいな。と思う今日でした。




この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?