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預金全額を保護できる、決済用普通預金に切り替えた話

こんにちは、jojo太郎です。
日本法人(中小企業)の経理財務部長をやってます。
やってきた仕事のうち、他の方にも有益になりそうなことを
週報のように、毎週書いていきます。(以前の職場では毎週書いてたなー)

会社の普通預金と定期預金の合計が約30億円ありました。
5つくらいの金融機関に分けて。数億円ずつ。
これ、リスクヘッジという意味では、非常にまずい状態でした。
というのも、もし万が一どこかの金融機関が破綻した場合、
それはペイオフで保証されるのは元本1千万円までとその利息だけだからです。当社は複数のグループ法人があり、それぞれが5つの金融機関に口座を持っていましたが、それぞれの口座毎に1千万円までの保証ではなく、「グループだから、結局同じでしょ」と名寄せされて、金融機関ごとに1千万円までしか保証されない、と思います。てことは、複数法人の複数口座の総合計が30億円あっても、保証されるのは5千万円まで、29.5億円は戻ってこない、ということです。ワオ!

で、結論、どうしたか、というと、
無利息型普通預金に全て切り替えました。
そのお陰で、金融機関が破綻したとしても、全額保護されます。
保護するのは銀行ではなく、預金保険機構です。

1.全額保護される預金=決済用預金
 (1)当座預金
 (2)無利息型普通預金 
2.一部のみ保護される預金=一般預金など
 (1)有利息型普通預金
 (2)定期預金など
※詳しくは預金保険機構のページをご覧下さい。

社長に、「決済用預金に切り替えませんか?」と進言したら、
「それは知ってるけど、利子がつかないんでしょ。低金利とは言え、30億円の利子を諦めるのは、勿体ない」という返事。
いやいや、社長。具体的に年間でいくらの利子を受け取ってるかご存じですか?調べましたよ・・。
今、メガバンクに預けたときの
普通預金の金利は0.001%、
定期預金の金利は0.002%。
そして、当社の預金のうち、29億円は普通預金でした・・・。
上記をざっと計算すると、
29億円×0.001%=29,000円
1億円×0.002%=2,000円
合計31,000円
30億円預けて、利息が年間31,000円。
本当??何回計算しても、そうなんです。

この数字を社長に見せたら、「すぐ決済用普通預金に切り替えてくれ」との回答。そりゃそうですよね。

31,000円の利息のために、29.5億円がリスクにさらされていた、という話しでした。何事も具体的に考えることが本当に大事、と思いました。

ちなみに、手続きはめちゃめちゃカンタンです。費用かかりません。
当社の場合は、各銀行の担当者の方へ「決済用普通預金に切り替えたいのですが」と電話で依頼したら、申込み用紙を送ってくれました。複数の法人で、複数の口座をもっていたので、何枚も書くのは手間でしたが、まったく難しくはありません。送付したのち、おおよそ3週間くらいで各行から切り替え完了の連絡をいただきました。

銀行員さんには理由を聞かれたので、(一応失礼にあたらないように気を遣いながら)「預金の全額を保護対象にしたいので・・」と言ったら「ああそうですよね」という反応。特に与信にも響いた様子は全くありません。というか、銀行員の方も、提案してくれてもよかったのでは、と思いますが。

当社は、リスクヘッジされてない状態が長年放置されていた訳で、
みなさんの会社はそういうことは無い、と思いますが、
もし同じような状態でしたら、どうぞご参考になさってください。
コストゼロ、手間は電話して用紙もらって書くだけ、で切り替わります。
利子が付かない以外は、普通預金と全く違いはありません。




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