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コンサルとのつきあい方~「求めよさらば与えられん」

こんにちは、jojo太郎です。年商300億円規模の未上場企業で、経理財務の仕事をしています。前回のつづき・・・は一旦横に置いて、それよりも書きたいことがあるので筆をとりました。それは・・・「コンサルタントとのつきあい方」です。

先日、とあるコンサルタントさんと久しぶりにお会いして、もの凄く嬉しい瞬間があったんです。2年ごしに答えにたどり着いた、とでも言うべき瞬間でした。

遡ること2年前、私は営業部長からいきなり経理財務部長となり、会計もろくに分からず、暗中模索の日々を過ごしていました。素人なりに見て、経理チームの仕事の仕方が、何かおかしいような気がするが、何がおかしいのか分からない。例えば会計ソフトを複数使っていたり、会計ソフトの外で資料を作っていたり・・・部下の人にどうしてこうなっているのか質問しても納得いく答えが得られない・・・顧問税理士に質問しても「もっと力のある経理社員を入れて下さい」という回答が返ってきて、話しになりません。誰に聞けばいいのか・・とにかく誰でもいいから正解を教えてくれ!という状態でした。そんなとき、税理士からとあるコンサルタントを紹介されます。

その人は業務改善のコンサルタントで、当社の業務フローを劇的に改善する方法を提案できる、とのこと。話しを聞いてみると、当社の(会計・給与まわりの)現在の業務フロー図と、その問題点がまとめられた資料を見せられました。なんでこんなに当社のことを知っているのか、と尋ねると、私の前任者(現在は退職)にヒヤリングし、提案書にまとめたのだが、「今は無理」という謎の理由で採用されれなかった経緯があったそう。

話しを聞いていると、「会計ソフトを一つに統一する」「売上報告フローをノーコードの基幹システムにリプレースする」「各種ソフトの初期費用と、コンサルフィーで数千万のイニシャルコストがかかるが、その分、各種ランニングコストが下がるので数年でリクープする」とか、なんだか良く分からないけど、すごそうです。でも、自分がこの手の話しに対して実感値が無いので、判断できないんです。なので、前任者同様、私も見送りました。「会計ソフトは具体的に何を使えば良いのか、それだけでも教えて欲しいな・・・」と思いましたが、(アドバイスや情報で商売している人に)無料で教えてくれ、とは流石に聞けませんでした。

その後、自分で会計ソフトのベンダーを調べて、手当たり次第に話しを聞いてまわりました。業務フローも良く分かっていないし、仕訳を切ってないので、業務フローの観点でも、作業者の観点でも、何が選ぶポイントなのか分からず、本当に手探りでした。税理士や、経理の一部業務を委託していた人などに「どのソフトがよいのか」など聞きましたが、まあ皆さん主観で言うだけで会計ソフト業界全体を見渡して何が良いのか、という視点では語ってもらえず、よけい混乱しました(これを書いている今となっては、聞く相手を間違えてることが分かります)。

その後、試行錯誤の末に、会計ソフトは勘定奉行クラウドがいい。これに全社統一する、という結論にたどり着きます。これが先月までの話です。

そして今、次の課題として、「お店の売上報告フローが、非常にアナログで人の手作業に頼っている」ため、ここを何とかしようと模索しています。
ビッグサイトで開かれるPOSレジやソフトの展示会を、4つ見に行って数十社の話しを聞いて回りました。そこで一つ商談をする度に、解像度が上がっていき、何をどうすればいいのか、分かってきました。そして出した仮説が、

POSレジ→ETLツール→クラウド会計ソフト(勘定奉行)

が良いのでは、というものです。

一方、ずっと迷って答えが出せないものがありました。それは、「一部のホテル業態で使っているPOSは、作りが古すぎるのでPOSそのものを入れ替えた方がいいのでは?」というもの。しかし該当のPOSを使っているのは10店舗以上あるため、投資は億単位でかかることが予想されます。すると、「今のPOSにパッチを施して、あとはオペレーションでなんとかするか」という案も出ます。これが中々結論出せませんでした。

で、冒頭の話しに戻ります。
久しぶりにあのコンサルタントの人に会って、話しがしたい、と思ったんです。そこで時間を作っていただき、下記のような話しと質問をしました。

(1.報告)会計ソフトは勘定奉行クラウドを選んだ
(2.質問)売上報告フローは、私はETLツールをかませばいいと思ったが、 あなたはノーコードで作れる基幹システムがいい、と言っていた。これは どういう違いがあるのか?
(3.質問)ホテルの古いPOSレジを入れ替える踏ん切りがつかない。
 あなたが考えるPOSを入れ替える判断基準は何か?

そうしたら・・・
1.私も勘定奉行クラウドが最適だと考えていた。
2.ETLツールでやることと、ノーコードで作る基幹システムがやることは同じだ。あとは初期費用とランニングコストを見て安い方を選べばよい。
3.それだけではなんとも言えないが・・・ホテルがWeb予約の時代。予約システムから顧客情報と決済情報がPOSに自動的に流れていくことが必須ではないか。
という回答でした。

これが、2年越しの答え合わせのようで、非常に嬉しかったです。会計ソフトと、売上報告フローについて、自分が試行錯誤しながら辿り着いた答えが、やっぱり間違ってなかったんだ、と感じられました。
また、POSについて自分で考えていてもどうしても答えが出ないところを、スパッと答えがでました。非常に納得感があり、それしかないな、と踏ん切りがつきました。

あの2年前、コンサルの人が言っている意味が、自分は全然分かってなかったですね。今なら何を言っているのか、どうしてその結論に至るのか、よく分かります。忙しい方だったので、30分ほどの面談でしたが、「分かります」という言葉を何度もつぶやいてしまうほど、共感し、納得してしまいました。

面談を終えて思うのは、あのときコンサルティングを発注しなくて本当によかった、ということです。自分で何も調べず、ただ答えを貰っていたら、自分の力はつかず、コンサルへの依存度が増しただけで、ずっと答えを貰うことを繰り返していただろう、と思います。下手すれば言われたアドバイスもちゃんとやらなかった可能性もありそうです。ただ答えを貰っても、なぜやらねばならないのか、理解できてないから。それでいて、また別の答えを求める・・・最悪ですね。

自分で手を動かす。人に会って、調べて、自分の頭で考える。
そうして出した仮説や、浮かんできた疑問を、コンサルにぶつける。すると自分の仮説の確度が上がったり、自分の視界の外にあった論点を知ることができる。それを経て、実行していくと、自分の枠が広がっていく。
コンサルとはこういうつきあい方がいいんだな、と実感した瞬間でした。
コンサル側からすれば、お金にならないお客さんということかもしれませんが。でも、今回の面談中、このコンサルの方は終始笑顔で頷いてくださり、まるで「そうです、よくそこに辿り着きましたね」と仰っているかのように見えました。

「求めよ、さらば与えられん」という言葉があります。
Googleで検索すると↓
《新約聖書「マタイ伝」から》「神に祈り求めなさい。 そうすれば神は正しい信仰を与えてくださるだろう」の意。 転じて、物事を成就するためには、与えられるのを待つのではなく、みずから進んで求める姿勢が大事だということ、だそうです。

何も考えずに答えを得ようとすると、得られない
自ら進んで求めていった時、答えに辿り着く
だから、コンサルとは
答えを貰うつきあい方ではなく、伴走してもらう壁のようにつきあうのがよいのだ、と思った一日でした。



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