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大企業のジレンマ

大企業に勤めていて、思うことがあります。
上の世代と下の世代の温度差があるということです。
これは、年齢によるギャップというよりも、もう少し深いところにあるのではと思い、考察してみました。

ここでいう上の世代とは、ざっくり40代~50代くらいで、下の世代とは20~30代くらいです。ある程度の大企業では、会社の成長期にがむしゃらに頑張ることで大幅に成長しているという事実があると思います。いわゆる上の世代が寝る間も惜しんで会社の成長に貢献し、その努力によって会社は大きくなりました。この世代は、やりがいがあり、自分たちが会社を大きくしたという自負があります。これ自体は正しく、上の世代の頑張りのおかげで会社は大きくなったのだと思います。

しかし、成長期は伸びしろが大きくあり、やればやった分だけ伸びる時期です。これが会社が大きくなり、成熟期に入ると、それまでのやり方では伸びなくなってしまいます。この成長曲線のようなものはアスリートに似ていると感じます。伸びている時期はトレーニングの量に比例して伸びていき、やったらやった分だけ成長していきます。それがある程度体力や技術が成熟してくると、そうはいきません。やればやるほど、パフォーマンスは落ちていきます。こうなってくると、トレーニングの量は重要ではなく、上手く休むことが重要になってきます。

こういったことが、会社にも当てはまると思います。成熟してくると、がむしゃらに頑張ることよりも、いかにムダを省いて効率化していくかに重きを置く必要があります。大きくなることで機動力が落ちているので、どんどん新しいことをやるスピード感もありません。上の世代はそのことが頭ではわかっていたとしても、感覚としては成長期の感覚でいます。下の世代は成熟してから入社をしているので、がむしゃらに頑張れば伸びるという感覚がありません。入社の動機も上の世代と違い、どちらかというとアグレッシブさよりも安定感を求めています。

ここに世代感の温度差というものを感じます。どちらかが間違っているということはありません。経験してきたこと、体感してきたことが違うというだけです。ただこの温度差が大きくなってしまうと、軋轢を生み、組織が崩壊に向かっていくと思います。

それぞれに背景があり、いろいろな正しさがありますが、受け入れられないこともあるかと思います。これが会社の寿命が約30年と言われる理由の一つなのではないでしょうか。

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