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空間結合 ~緯度経度データをエリア別にまとめる~

前回は緯度経度データを使ったTableauでの可視化をおさらいしました。
ポイントを地図上に落としてダッシュボードにすると細部まで確認できます。一方、全体を俯瞰してデータを見るのは難しいです。
緯度経度を元にエリア別にまとめることができれば、少し全体を俯瞰できます。今回はフリーのGISであるQGISを使って、緯度経度データを整形したいと思います。

興味のある方はQGISをダウンロードしてみてください。インストール方法等は今回は割愛します。

例として、前回使用した福岡県の交通事故データを福岡市小学校通学区域と空間結合してみます。ポイントデータにそれと重なる面のデータの情報を取り込むことを空間結合と呼びます。ゴールイメージは緯度経度(ポイント)単位の交通事故データに小学校区データを結合し、小学校区毎の交通事故データを可視化できるデータを作成することとします。使用するデータは以下のリンクに掲載されています。

福岡市立小学校通学区域
福岡県令和3年交通事故 ※CSVに変換、文字コードをUTF-8に変換する

まず、それぞれのデータをQGISにインポートします。
「データソースマネージャーを開く」から

福岡市小学校通学区域は以下のように設定して、追加ボタンを押します。

福岡県令和3年交通事故は以下のように設定して追加ボタンを押す。

すると、2つのレイヤが重ねて表示されました。

交通事故データは福岡県全体のデータなので、福岡市のみのデータに切り取りましょう。
ベクタ→空間演算ツール→切り抜く

入力レイヤを交通事故データ、オーバーレイレイヤを福岡市小学校通学区域データとします。

福岡市小学校区内のデータに切り取られました。

2つのデータを空間結合します。
今回は交通事故データに福岡市小学校通学区域の小学校区データを結合します。ベクタ→データ管理ツール→属性の空間結合から

以下のように選択します。
ベースレイヤ:交通事故データ
結合データ:福岡市小学校通学区域
ジオメトリの空間関係:含まれる
結合するフィールド:校区名
結合のタイプ:最初に合致した地物の属性のみ取得

出力されたデータを右クリックして属性データを開くと

交通事故データのそれぞれのレコードに校区名が付与されています。

このデータがあれば、ポイント単位で可視化していたデータが小学校区単位で可視化できるようになります。
例えば、小学校区別に事故件数を色分けして事故が多い小学校区をわかりやすくしたり、小学校別のデータから事故傾向を分析して、小学校区内で特に危険な交差点まで深堀する等、活用イメージが膨らみます。

このように緯度経度単位のデータとポリゴン(面)データがあれば、エリア単位の可視化が可能になります。

個人的には場所を表すデータは全て緯度経度データを公開してもらいたいとよく思います。例えば、住所データだと、住所の幅が広すぎてどこを指しているのかわからなかったり、同一住所で複数宅ある場合の判断が出来なかったりとトラブルがおきがちです。。緯度経度データは場所を特定するのに判断が必要なく、データ整形もしやすくて非常に便利です。

また、GISを使えば、ポリゴン(面)データを色々と工夫して作成できますので、分析の幅が広がります。
次回は、よく使うポリゴン(面)データの作成方法をご紹介したいと思います。

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