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ごあいさつ

東京は細胞分裂している

40年ほど前、東京の駅にはホームに上るエスカレーターはなかった。
(長距離貨物は列車が中心で、東京駅には貨物用エレベーターはあったが、それを利用するにはハードルがあった)
その頃、新潟から3人の車いすの重度障害者が2人の女性施設職員とともに東京へやってきた。
都内を同行した時、私は3台の車いすの障害者をホームに上げ下げしてくれる介助者を確保しようと、通りがかりの人にお願いをした。
都内数か所を一日で回ったので、少なくとも20人以上の方には声をかけたと思う。
驚いたことに、誰ひとり、「忙しから」とか無視をして断った人がいなかった。
もちろん、私も手伝ってくれそうな人に声をかけていた。しかし、少なくとも20人以上に声をかけて、例外なく全員が協力してくれたのだ。
これは当時、若く、少々ひねていた私にとって、かなりの驚きだった。

40年を過ぎて、東京は世界で最も車いすで移動しやすい街になっている。
充実した公共交通機関。充実した公共トイレ。どこにでもある美味しい店。
そして、やさしい街の人々。
私自身、街を歩くときは車いすになっている。
(室内では両杖で歩行している)
こりゃあ東京を楽しむしかない。
元来、出無精な私にとっても、どれだけ東京を楽しむことができるか。
やってみようじゃありませんか・・・

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