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ケリー 6
カウンター奥の席に腰かけたスーさんと呼ばれるオヤジ・・・
すかさずチーママらしき女性とヒソヒソ話を始めたのであった。
アケミママは 彼の姿を目で追い 緊張の表情を一瞬見せたが すぐに元の話に戻った。
ママ 「私 宝石が好きで・・・ 中でもダイヤが一番好きだわ!! フフフフ・・・」
俺 「そうですか!? そういえば俺も 宝石が嫌いだと言う女性には会ったことは無いですね!! ギャハハハハハ・・・」
ママ 「この怪しい輝きに惹かれてしまうのよね!! 女って いつでも輝いていたいから そんな想いを宝石に求めるのかしら・・・ 」
そう言いながら 片方のイヤリングを軽くつまんだ。
「そういえば そのイヤリングはどこで買ったんですか??」
K村の以前の話に納得がいかない俺は 探りを入れてみた。
すると 彼女の返事を待っている俺を見かねて K村が口を挟んだ。
K村 「先輩! そんな野暮な話は無しにしましょうよ!!お客さんのプレゼントでしょうから・・・ ガハハハハハ・・・」
俺 「えっ!? お前は気にならないの??? 職業上 興味があると思うんだけど・・・」
(彼は 地元デパートの宝石売り場の責任者であった)
K村 「そっ そりゃ気になりますけど プライバシーの問題かと・・・・」
俺 「ふ~~ん・・・ 俺はお前の店の商品だと思ってたんだけどな!! ドヒャヒャヒャヒャ・・・」
K村 「やっ やだな! 先輩・・・ そんなことある訳ないじゃないですか!!」
例の詐欺もどきの手口を俺に話した手前、その片棒を担いでいたとは死んでも言えない!?
ママ 「イヤだわ 二人とも・・・ 客から貰ったなんて! こんな高いものをプレゼントしてくれるお客様なんて いないわよ! それとも どちらかが買ってくれると言うんでしたら話は別ですけど・・・」
「えっ!? 買ってくれるの??だったら 私も その半分の大きさでいいから欲しいわ!!」
それまで黙っていたマリちゃんも話に加わった。
俺 「うっ!? その・・・ そう言う訳じゃ・・・ そうだ K村!! お前が買ってやれよ!!」
K村 「何言ってるんスか 先輩! いくら宝飾業界が景気がイイからって 俺達一般サラリーマンでは逆立ちしても無理っスよ!」
マリ 「そうなの??? カワちゃんのところには 売るほど宝石が並んでるんでしょ!? ひとつぐらい無くなっても分からないんじゃないかしら・・・ キャハハハハハ・・・」
K村 「だから マリちゃん それは無理だって! 商品なんだから 全部在庫表に載ってるに決まってるだろ!!」
俺 「あれっ? そうだったの?? お前のところは 裏帳簿が有るって聞いてたけど・・・ ブヒョヒョヒョヒョ・・・」
K村 「勘弁してくださいよ!! デパートは信用第一なんですから そんなのある訳無いっスよ!! ドヒャヒャヒャヒャ・・・」
俺 「でもときどき その信用ってやつも 色気なんかに負けるんじゃなかった??? 」
K村 「だから・・・ そんなこと有りませんってば!! 」
だんだん涙目になって来たK村・・・
そんな後輩イジメを楽しみながらも ふと さっきのチーママ、スーさんが気になった俺・・・
カウンターの奥を見遣ると 相変わらず2人は ヒソヒソ話を続けているのであった。
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