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鹿書房便り11号のお知らせ(終了しました)

こんにちは、架空書店「鹿書房」店主、伍月鹿です

「グッド・オーメンズ」を観終わりましたので、すっかり魅力にハマってしまったディヴィッド・テナントさんの過去出演作「ブロードチャーチ」を観ておりました
あまりにも辛い結末にしょんぼりしてますが、張り巡らされた伏線から意外な結末まで、無駄なものが何もないミステリー要素に満足感が高い作品でした。シーズン2も見るのが楽しみです


本日は、架空書店「鹿書房」が不定期配信している「鹿書房便り」ネットプリント版配布のお知らせです

鹿書房便りのお知らせ

映画「ナポレオン」公開記念 11号「英雄か、暴君か。彼の人生は何というロマンか」

ナポレオンを通じて見えた世界のお話と、連載中の「それは不可能です、ナポレオン」の番外編「長テーブルいっぱいのロマン」を掲載
図書局あるあるを詰め込んだお話です
(※配信は30日いっぱいで終了しました)

1号から10号は2017年に隔週配信しておりましたバックナンバーはこちらに掲載中


「それは不可能です、ナポレオン」番外編

登場人物
主人公、物語の語り手 椿斗真

アレックス・デュマ将軍をモデルにしたキャラクターです
デュマ将軍は言わずと知れた大デュマ、三銃士やモンテクリスト伯の作者の父親で、軍ではナポレオンの先輩ともいえる立場にいました
彼らの実際の交流は少なかったようですが、イタリア戦役でナポレオンが活躍している同時期に彼も軍を率いて功績を残しております
立派な体躯や「ムッシュ―人情家」と呼ばれる性格から兵士に好かれていたようですが、最終的にはナポレオンと対立します
エジプトから帰国する際に拘留され、そこで心身ともに衰弱したと言われています
彼の釈放についてミュラが力を貸したとか
ナポレオンの歴史でいうと前半にしか登場しない人物ではありますが、その後、息子が父親をモデルにした物語や、美しい物語を残したことで現代にも鮮明に残る名であることを理由に主人公に選んでいます

1年 瀬成万里亜

彼女は2章(1章後の幕間)から登場しているキャラクターです
モデルはアンドレ・マッセナ
「生まれながらの将軍」と呼ばれた方面軍司令官で、1804年に元帥に選ばれた一人です
彼は平民の生まれで、革命前の軍隊では昇進の見込みがないことから一度軍を離れています。1791年に再び入隊し、イタリア戦役にも参加しました
彼の気質や戦場での行動エピソードは、長谷川先生の「獅子の時代」でも印象的に語られてますね。ナポレオンが撃ったピストルの弾が掠ったことで片目の視力を失ったと言われております
百日天下の際に軍には加わらなかったこと、スペイン戦役での行動などを追っているととても興味深い。彼についてはまだまだ知らないことも多いので、調べるのが楽しみな人物でもあります
彼を自分ならどう描くか悩み、少し男勝りなサバサバとした女子生徒にしてみたのも、上記漫画の影響が大きいのかもしれません

2年 三鷹晦

「勇者の中の勇者」ミシェル・ネイがモデルのキャラクターです
ナポレオンと同い年で、最期は反逆罪に問われて銃殺された苦労人
最近は彼らの気質や行動の傾向を探るために数秘術を調べて見るという試みを行っておりますが、彼はわたしと同じ「7」を持つ人間でした。この世の生きにくさに勝手な共感を抱いております
様々な戦役、代表的な戦いにおいて勝利をもたらし、ロシアでの敗走では護衛を指揮したことで知られています
「ロマンチストと現実主義が同居している」と称された性格で、彼の火のような気質は他の将軍たちよりも言及されることが多い様に感じます
三鷹は物語の中で南方の長い友人のポジションにいます
友人故に、彼には必要以上に踏み込まない。しかし、確実にある絆を後半にかけて描いていきたいと考えております

2年 伊達鏡也

ジョアシャン・ミュラをモデルにしたキャラクターで、今回の番外編の中心人物でもあります
上記のように各数秘を調べていた際、ミュラが「4」であると判明したことがいまのところ一番意外な結果でした
4といえば真面目で石橋を叩いて壊す、なんて言われている数字ですが、確かに彼のことをじっくりと見ていると、言われてみれば……? なんて一面も見えてきて、伊達というキャラクターに対しても少し見せ方を変えてみました
ミュラは恐らくナポレオンについて詳しくない方でも名前を知るくらい有名な人物。ナポリ王を勤め、「ヨーロッパ第一騎士」の称号も得た、歴史的にも稀にみる優秀な騎兵指揮官でした
長身で甘いマスク、気の利いた弁舌を備え、厳しい環境下にあったロシアでも華やかな軍服に身を包みコサック兵を驚かせたと言われています

司書教諭 平森蘭

「それ不可」はナポレオン軍、生徒たちの青春物語のため、大人である平森の台詞は直接描写をせずに描いております
あくまで彼らを助け見守る役目を担いますが、彼にも彼のロマンがあるのは、タレーランをモデルにキャラクターを作ったときから決めております
タレーラン=ペリゴールを一言で紹介できる方は少ないと思います
ナポレオン政権を裏で支えた外交官で、フーシェと並ぶ時代に名を刻む画策を様々と残しております
「裏切りの天才」と呼ばれ、交渉の場で卓越したものの代名詞として名が残っているとか。生徒が卒業しても学校に残り続ける存在としてぴったりな配役と自負しております

名前のみ登場

1年 城之修二
椿のクラスメート。ジャン・アンドシュ=ジュノーがモデル
イタリア戦役中、ナポレオンの副官を勤めたナポレオン信者
彼はイタリアで負った傷がきっかけや梅毒などで人格や精神的安定を失ったとされてますが、ナポレオンを後期まで支えた優秀な将軍です
ちなみに彼の数秘も「4」

教師 大封辰雄
今回はじめて登場します。南方の担任教師です
モデルは日本で人気の将軍「不敗のダヴ―」ことルイ・ニコラ=ダヴ―
ダヴーやベルティエ、マクドナルなど、著名な元帥たちをどのように物語に組み込むかは2章執筆中の現在でも悩んでいるところ
ナポレオンと多く関わりつつもナポレオンに盲目だったわけではない彼の存在は、平森と同じく教師のポジションに落ち着きました
厳しくて怖い先生である、という描写が繰り返されることになると思います


今回、コラム部分と小説部分を見比べていただくと、同じ文章が使われていることに気がついていただけると思います
「それ不可」本編でもこのようにエピソードや小ネタ、言い回しを使用しているんですよ、というのをわかりやすくしてみました
あくまで名前や出来事を拝借しただけの関連性の少ないお話ですが、わたしの「こだわり」を面白がっていただけたら、と思っております


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