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起業家スピリッツは遺伝するのか?

祖父は死ぬ間際まで、「俺に資金を預けてくれ、新しい事業をやりたいのだ」と言っていたそうです。

その昔、祖父は地元の空港建設に携わっており土建業以外にも多岐に渡り事業を起こした方です。

そして、幾度かの成功と失敗を経て、最後は四国の寒村で亡くなりました。当時としては珍しい連続起業家とも言えるのかもしれません。

ただ末期は、うまくいかなった事業も多く、また他人の連帯保証も重なり大きな借財を残してしまったようです。
そのせいで、父は大学にも行けずに大変な苦労をしたと聞きました。

反面父は、真面目なサラリーマンでした。
これも父の死間際に聞いたのですが、父は若い頃は祖父の事業の手伝いで全国を回っていたそうです。しかし、その失敗を間近で体験したことで、リスクを取らずに家族を育てるためサラリーマンになったそうです。

そして、母は個人事業主でした。
経済的に家族を支えるために働いていました。
幼少の頃、母がよく小銭を数えて帳簿をつけている姿が目に湧きついています。
そして、「今日は客がどうだった!ああだった」「今月は売り上げが良かった、悪かった」などと、面白おかしく私に聞かせてくれました。
きっと家族のために仕事を始めたのだが、そのうち事業自体が楽しくなっていたような気がします。
その影響は少なからず、私に対して商売に対する良いイメージを与えたと思われます。

思い返せば、北国の寒村で決して裕福とは言えない家庭で育ちましたが、このようなユニークな母と、真面目で愛に溢れる父に育てられたことは感謝しかありません。

そして、幼少の頃から自分は、破天荒な言動で周りを振り回してきました。真面目な父からすれば、
「何で自分からこのような暴れん坊が生まれ育ったのか?」
と首をひねっていたかもしれません。

今となっては、ただのADHDだったのですけれども。。

また、母もADHD傾向はあったと思います。
空気が読めない反面、当時はやたら営業成績がよく、お客様に愛されていたようです。

現在の論説によると、「遺伝」は「生育環境」よりも子供に対して影響するということなので、どのような形であっても我が子に、親の血が遺伝はしてるのだと思います。

一方で、病院の先生に聞いたところ、
遺伝の確度は高いが、その傾向には強弱がある。
また極論で言えば現代の資本主義経済下では、時間の捉え方や貨幣文化による価値基準の変化、居住地の限定による人間関係の複雑化によって、多かれ少なかれADHD傾向の人間が増えているとおっしゃっておりました。
説によると十人に一人は傾向があるようです。

今のところ我が子は、私のような「突飛な行動」や「リスクを考えない衝動的な行動」はほとんど見られません。

その点ではいささかホッとしていたの束の間、最近の我が子の発言には驚きました。

将来の夢は「起業家」になりたい!

と妻に耳打ちしているそうです。

やれやれと思いつつ、
まずは素行正しく、リスクは取らずに中学受験を乗り切ってくれるように祈る毎日です。

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