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創業期で役に立ったコト、役に立たなかったコト

条件ですが、
ゼロから立ち上げた事業が9桁売上に到達する数年です。
また、B2B製造業の創業期です。
IT系などスケール進度が早い事業とは大きく異なると思います。

◎行政の創業支援施設
貢献度:☆☆☆☆☆(最大☆☆☆☆☆/最小☆)

行政が運営する創業者専用オフィスです。
創業期の「金ない、物ない、信用ない」のナイナイづくしの状況下で非常に助かりました
家賃は相当安価ですし、行政審査に受かったということで営業時の対外的信用も上がります。
ただし本施設における交流会はただの飲み会になる場合も多く、時間浪費につながるのでオススメできません。
(この施設で同室だったOBはその後、本施設最大のスケールで上場を果たしています。)

◎JETROの海外進出支援
貢献度:☆☆☆

国の海外進出援助機関です。具体的には海外商標登録、販売代理店のソーシングでお手伝いいただきました。
実費以外かからないので、民間の海外進出コンサルより断然割安です。
しかも、コンサルタントが某NIS○○自動車の海外支社の社長クラスが付いてくれます。
業務以外でも、トップ企業経営者らしく、海外における立ち居振る舞いなど品位の側面でも勉強させていただきました。
デメリットは行政だけあって速度は極めて牛歩です。1ヶ月に一度の面談での進行レベルです。
マッハ好きな創業者やITとの相性は懐疑的です。

◎行政の創業支援相談
貢献度:☆☆☆☆

元大企業の知財系、開発系、営業系のOBを多数抱えており、行政主体なので私欲が絡まず意見も第三者的です。
ウチでは特許相談、開発プロダクトの産学連携プロジェクトでご助力いただきました。
基本無料なので、自身の弱みを補填するためにうまく活用することをオススメします。

◎異業種交流会
貢献度:☆

経営仲間(悩み共有)を増やそうと凝った時期もありましたが、本業には役立ちませんでした。
本当に成功を手にする人は、このような会合に出る時間があれば必死に働いています。
経営者は孤独なのです。変に創業お友達を増やして傷を舐め合う暇があったら、
チャンスに1発で喰らいつける鋭利な牙を研ぐことに時間を要するべきだったと痛感させられました。

税理士(本業が会計士)
貢献度:☆☆

創業より税務外注として作業的にお願いしました。
税務専門であり、起業のことはほとんどわかりませんので、あくまで作業として依頼が良いです。
(この方とは一悶着あり、後日談での経営危機問題で後述します。)

◎弁護士
貢献度:☆☆☆☆

最大の危機を共に乗り越えていただきました。(これも別タイミングで後述します)
若く勢いがあり、大手弁護士事務所から独立したタイミングも良かったです。
その後も複数の弁護士と会っていますが、経営が苦しい事務所や得意技が限定されている弁護士とは付き合わない方がいいです。問題点や法的リスクの理解が遅いので時間を要します。弁護士は投資費用とレベルに相違があまりありません。高ければ総じて優秀です。
ただし、創業期で必要な場面は契約書の作成くらいだとは思います。
士業も創業社長なので起業のメンタルは共有できます。

◎創業メンバー
貢献度:☆☆☆☆☆

パートナーの活躍を無くして、今の会社は無かったと思います。
苦しい2年間のプロダクト開発の無休時代も、会社が潰れそうになった瀕死状態でも文句も言わず、逃げ出さずついて来てくれました。
サラリーマン時代の直部下で、優秀な仕事ぶりも把握していた人材を引き入れられたことは唯一の自分の手柄です。
また、攻撃面=自分、守備面=パートナーの役割分担が開始前に定まっていたことも成長に寄与しています。

◎サラリーマン時代のパートナー企業
貢献度:☆☆☆☆☆

サラリーマン時代は私が同社に発注する側でしたが、私が起業することになり販売と開発両面で助けてくれました

ウチが苦しい創業初期を乗り越えられたのは、このパートナー企業(というか営業マン個人)のおかげです。
起業は決めたけど自信の無かった頼りないプロダクト案にも、開発補助や資金提供という具体的な形で支えてくれました。
加えて、一部上場企業との取引(口座開設含む)によって、お金では買えない「信用」も同時ゲットです。

どこまで行っても最後は人との出会いやご縁なのだなぁと思います。出会って10年近くなりますが、今でも良き戦友です。

◎創業本や自己啓発本の類
貢献度:☆☆

息抜きに役立つ程度です。
立場や時代、売っているモノやコトの違いで全く異なるので参考になりません。
衆知情報は価値は有限であり、誰も知らない情報価値は無限であること知った上で暇つぶし程度に見るのがオススメです。

ただ、下記は創業期の必読本だと思います。 少し古いですが資本政策を学ぶ上で、会計士や税理士よりの説明を聞くよりも明快です。

「起業のファイナンス」磯崎哲也著
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784534052452

◎営業代行業者 貢献度:☆

ものが売れずに苦しい時に耳元で甘言を囁かれると、思わずコクリとなってしまいそうになる経営者を顧客にしている市場だと思います。「客を取る前に客になってしまう」典型例だと思います。

自分の商品は自分が最も熱意を持って売れます。
少なくとも代行業者に支払う費用があれば、社員育成もしくはリクルーティング費用に回した方が有益だと思います。

◎顧客名簿屋
貢献度:☆☆

弊社プロダクトがB2Bの特殊商流だったせいもあるかもしれませんが、精度がマッチしませんでした。
企業名や支店営業所が把握できても、つまりどの部署のキーマンにコンタクトすればいいかまでは記載されておらず。
ウチはとことん飛び込み営業→担当者捕まえる→プレゼン→導入テスト→採用の流れでしか成功していません。

◎ネットのコンサルティング(ビザスク)
貢献度:☆☆☆☆

https://service.visasq.com/

自分の知らない分野や市場に精通する人を、紹介してくれるネットマッチングビジネスです。
私は結構役立ちました。今でも時々使います。
どちらかというと、新しい市場にチャレンジするときに、その先駆者から意見を賜るには最も有益な手法だと思います。
おそらく、一昔前であれば高額な費用を投じてなんとか得られる情報が、1時間数万円で手に入ることは創業期の大きな見方になると思います。

◎販売系の顧問人材を紹介する会社
貢献度:☆☆☆

優良企業OBなどから派遣してくれます。まず契約費用が高額です。その割にOBは現役退いて5~6年のサラリーマンですからなんの決定権もありません。ターゲット企業の社長とコネクションがあるなどと言いますが、多少面談したことがある程度ということも多く、投資費用に対して見返りは少ないかもしれません。ウチは結局契約まで至りませんでした。

◎リコール保険
貢献度:☆☆☆☆☆

創業初期における最大の功労者です。事故が起きた際にとことん助けられました。
保険というものの必要性、有用性を強く感じました。
この保険がなければ倒産していたと思います。(本事件は後述します。)

◎外貨建て保険
貢献度:☆☆

多額の勉強代を支払って、大手の営業テクニックを学ばせていただきました。
そういう意味で無駄ではなかったですが、創業期には付き合わない方が賢明です。
保険で節税も投資もできないことは早々に把握しておきましょう。

◎銀行
貢献度:☆☆☆☆

資金不足なタイミングで助けてくれました。
若くて聡明な行員で助かりました。いつも笑顔で資金繰りに奔走してくれました。
創業期には金融機関付き合い方戦略を立てて、適切な距離感と友好を取るべきです。

◎家族
貢献度:☆☆☆☆☆

日本では一部スタートアップを除き、創業期における資金調達(銀行借入)は個人債務になります。

借入額的に「これ失敗したら死ぬな〜」くらいな額だったので怯んでいましたところ、
「借金にビビってたら事業を大きくはできないよ」と笑顔で叱咤してくれた妻には感謝しかありません。

プロダクト開発期の2年間はほぼ無給でしたが、幼児を抱えた妻がずっと家計を支えてくれました。
これから一生をかけて家族を幸せにしていきたいと毎日念じて事業に取り組んでいます。

◎海外送金サービス
貢献度:☆☆☆☆☆


https://wise.com/jp/

リアル銀行だとひたすら待たされますが、ここは瞬間で送金できます。

◎学歴
貢献度:☆

起業において学歴が役立った記憶はほとんどありません。(誇れる高学歴ではないですが)
まず、起業関連で記載する書類に「学歴」という項目がないと思います。(一部海外ビザ取得は大卒が条件な場合もあります)
ただし、秀逸な起業プランに加えて、難関大学在校生というチケットは、一部の投資家には魅力的に映るかもしれません。しかし既卒だとその光の輝きも卒業年に応じてどんどん鈍く映るのですが。。

全ての事象や経験に無駄はなく全て血肉となっていると思っていますが、もう少しショートカットはできたなぁ〜と思いながらタイプしてみました。

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