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翻訳業界は実力主義なのか?

昨年の5月に翻訳業界の現状をnoteにまとめてから、久しぶりに翻訳に関する記事執筆に取り組むことにした。常日頃から翻訳業界側の人間(翻訳会社関係者、翻訳学校関係者、翻訳関連団体関係者等)が言っていること・やっていることに対して違和感を感じ続けているので、公共の利益のために翻訳に関する記事を書かなければならない。

JTF(日本翻訳連盟)関係者は、翻訳業界は実力主義で成り立っていると主張する。しかし、これは嘘ではないだろうか?

イギリスで社内弁護士をしながら副業でフリーランス翻訳者(法務分野の日英翻訳者)として働いている英語が堪能な知り合いがいるが、彼のレートは1文字4円〜10円である。高いレートの仕事は稀であると言っているので、おそらく彼は1文字7円くらいで仕事をしていることが多いと思われる。

彼の1日の翻訳量は約2,000字であるようだ。したがって、彼は1時間あたり約200字のペースで翻訳作業を行っているということになる。もし彼が難解な訴状の英訳の案件を引き受ければ、1時間あたりの翻訳量は約160〜170字程度になる可能性があるだろう。

翻訳会社は無料の機械翻訳では対応できない専門的な文書をフリーランスの翻訳者に発注する傾向があるので、フリーランス翻訳者には難易度の高い仕事が割り当てられることが一般的だ。極端に難易度の低い案件を割り当てられない限りは、1日に4000〜5000字翻訳できることはないだろう。

弁護士であっても、フリーランス翻訳者として1文字4円のレートで稼働すれば、時給600円台で難解な訴状の翻訳をすることがあるのだ。これは異常事態ではないだろうか?彼はフリーランス翻訳の仕事だけではとても食べていけないと言っている。

弁護士であっても、フリーランス翻訳者として働けば、低レートで働くことを余儀なくされるのだが、FB上の翻訳業界側の人間が牛耳っているグループで、1文字12円で翻訳会社からフリーランス翻訳者として仕事を受けている人物に出会ったことがある。この人物は元翻訳会社社員か何かだろうか??翻訳会社とのコネクションがあれば、通常あり得ない高いレートで翻訳会社と契約できるのだろうか??それとも大昔に翻訳業界に参入し地盤を固めた人間が1文字12円で仕事ができるのだろうか??約20年以上前に一度翻訳会社と1文字12円でフリーランス翻訳者として契約すれば、今もなお減額されることなく、このような高レートで仕事ができるのだろうか??

上記弁護士のレートと上記人物のレートを比較すると、前述のJTF(日本翻訳連盟)関係者による翻訳業界は実力主義で成り立っているという主張は嘘であるとわかる。なぜなら、弁護士が不当に低いレートで働いている一方で、何らかの理由で翻訳会社とコネクションを得ていると思われる、実力以外の何かが働いて翻訳会社から優遇されている人間が、現在では通常あり得ない高いレートで働いているからだ。

実力の有無にかかわらず、大昔に翻訳業界に参入し、時代と環境が味方してコネを掴んだ人間が優遇されるのなら、翻訳業界は実力主義ではない。約20年以上前は、AI翻訳は未発達で、翻訳者の過剰供給といった状況はなかったので、翻訳業界に参入しやすく、比較的容易にフリーランス翻訳者としての地盤を固め、翻訳会社との良好なコネクションも作りやすかったはずだ。大昔に翻訳業界に参入したフリーランス翻訳者が1文字12円のレートで仕事をし、最近翻訳業界に参入した優秀なフリーランス翻訳者が1文字4~5円で仕事をするのであれば、翻訳業界は、一種の年功序列で成り立っており、実力主義で成り立っていないことになる。

そもそもJTF(日本翻訳連盟)自体が信用できない団体である。この団体の会長は資格商法という名の悪徳(悪質)商法を行っている会社(株式会社サンフレア)の代表執行役員である。

下請法・民法を遵守せず、フリーランス翻訳者に振込手数料の支払いを要求するJTF所属の翻訳会社も存在する。また、偽装請負を行い、翻訳チェッカーの仕事(時給1000円)で人をこき使うJTF所属の翻訳会社も存在する。フリーランス翻訳者がどんな被害に遭ってもJTFは何もしないのが当たり前であるようだ。

翻訳業界側の人間はこの記事を読むと逆上するだろう。しかし、公共の利益のためにこのような記事を書き続けなければならない。

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