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【福井】ここは天国か?鯖街道を三方五湖までドライブしてきた、の話


そろそろ梅雨入りしそうだと朝の天気予報は言っていた。
あ~、また、あのじめじめした季節がやってくるなぁ。
ため息をつきながら、青空の下で洗濯物を干し終えて突然思い立ったのです。

そうだ、海を見に行こう。

京都から日帰りで海を見に行くと、どこがいいだろう。
丹後?淡路島?日本海を見に北陸道に乗ろうか?う~ん、だけど、どこも最近行って来たからなぁ。
琵琶湖でもいいな。あ、でも海じゃないけど。
琵琶湖はドライブの定番だし、いつものコースでドライブしようか、などとしばらく考えて、ふと思い立つ。
朽木で鯖寿司食べて、そのまま三方五湖まで行こう!

途中越えで朽木まで

京都市内から福井に出るにはいくつかルートがある。
今回は、大原のほうから山間部を通り滋賀県へ出るルート。
途中で、途中峠を通るので途中越えルートと呼ばれている。
このルートは、昔、福井から京都まで鯖が運ばれたルートで歴史的にも古い道。途中の朽木村には有名な鯖寿司のお店が点在していて、鯖寿司好きな京都人は時々遠出して絶品のサバ寿司を買いに来る。
(う~ん、途中の文字にいろんな意味があってややこしい)
京都市内から山に入ると、新緑の緑と美しい川の流れが続く。
一人ドライブは、こういう時写真が撮れないから不便だなぁって思いながら鼻歌交じりに愛車を駆る。
旅のお供は、夏になると出てくるお手製刺しゅう入りのジュートバック、太陽の色の水筒そして、昔々憧れたおしゃれな神戸のお兄さんだった頃の大江千里。

けっこう雑に放り込んであるな
REAL、好きなんだよね

無念、歴史を感じる熊川宿を素通りしてしまった

朽木村辺りで鯖寿司を食べようと思っては来たものの、朝早い時間に家を出たのでまだ早い。今日は、鯖寿司は中止して、福井でおいしいものを食べようとそのまま進む。
山道をしばらく進むと、道の駅が見えてきた。
道の駅って好き。
地元のいろんな食材があるし、まだ見ぬ美味しいものに巡り合える確率が高いから。
で、当然のように入ってみたのは道の駅「若狭熊川宿」

目的地までまだだいぶある

え?なに?
なんだか、とっても風情があるんだけど。
古民家の前にアジサイの花が揺れていたりする。
平日ゆえ、来訪者は少なく、バイカーが何人かツーリングの休憩中。

晴れた日のアジサイもキレイ

瓦屋根の建物の一部は博物館になっていた。

一人旅で一番困るのは顔出しパネルで撮影できないこと

なんだか素敵なところだなと思いつつ、ショップに入ってみる。
奥のレストランでは名物の鯖寿司とおそばのセットなどがあるらしい。
ショップには、京都人憧れの海のある町特有の海の恵みで作った美味しいものたちが並んでいる。
石川県輪島市を第2の故郷認定している私は鰯のへしこが好物。ここ福井では、やっぱりへしこも鯖がメインのようだ。絶対美味しいやつなので、2合分の白米と一緒に買って帰ることにする。
道の駅の後ろの道を妙齢のカップルが散策しているのが見えたし、駐車場がとっても広いことにも気が付いていたけれど、目的地三方五湖への気がはやるので、ショップだけ見て道の駅若狭熊川宿を後にした。

で、跡から妙に気になって、調べてみたら道の駅はその後ろに広がっている熊川宿の入り口的な位置づけであったらしいとこがわかった。
熊川宿は、かつて鯖街道の宿場町として発展し、今なお昔の面影が残る景観地区らしい。
レストランや宿もあって、趣のある素敵すぎる場所。
めちゃくちゃ行きたい街並みやん。
しまった!せっかくそばまで行ったのに。
下調べせずに行く旅行はこういう失敗もつきもの。
近いうちに、絶対行ってレポートすると心に誓う午後であった。

まあまあ遠かったレインボーライン

道の駅で地図を見ると、三方五湖までまだ道半ば。
京都から山を越えてくると、けっこう遠い。
そしてここから先はお初の道。
安全運転で行きましょう。

山道から街へ出てしばらく行くと、三方五湖へいざなう看板がちらほら見えてくる。
カーナビ様を疑っているわけじゃないけど、青い看板に目的地の文字が出てくるとちょっと安心するのはなぜなんだろう。
休憩しようと思っていた湖畔のレストハウスはお休みのため、広い駐車場に車を止めてちょっとだけ湖の風を感じてみる。
観光地に向かう風情の車はなく、時々トラックが通ってゆく。
道、間違えてないよね。。

とにかく、カーナビ様に全幅の信頼を寄せ、やっとレインボーラインの入り口にたどり着いた時は疲れてきていて、正直に書くと、ここに来たことをちょっと後悔していた。
レインボーラインの入り口は大きな鉄の門に囲まれていた。
17時で門を閉めますって書いてある。
5時間くらいあるし大丈夫でしょと思いつつ、また山を登る。

海を見に来たかったのに山ばっかりやん

と、がっかりしていたその刹那、右手が大きく開け傾いた青が見えた。
それは、もう、青としか言いようのない水面。
坂道の傾斜角で車が傾いているので湖面も傾いて見えるんだけれど、地上にいるのか宙を飛んでいるのかちょっと混乱するような絶景。

うぉおおおおおぉおおおお!

思わず声が出る。
私は今日これを見に来たんだ!
興奮しながら山頂の駐車場につくと、けっこうたくさん車が止まっていた。
掲げられた案内板をじっくり読む。

雄大な日本海と美しい5つの湖が同居する場所。
海は深く青く、湖は少し淡い青。

こういう看板を読むのが好き

巨大なタヌキもお出迎え。
その名を角兵ヱいうのだそうな。
角兵ヱは大名行列が好きな意地悪タヌキだったのだけれど、村人と仲良くなって不漁の時に魚のいる場所を教えてくれたり台風が来るのを教えて村を救ってくれたりしたんだそう。
いわば、三方五湖の守り神的な存在だそう。
子タヌキたちもニコニコしているし、写真撮っている私もニコニコ。バックは青い海。最高のロケーション。

角兵ヱの子供の名前がわからないので、角兵ヱミニと角兵ヱプチと勝手に名付ける

ここは天国に違いない!山頂公園

駐車場から見上げると、まだ山の上に何かありそうだ。
ゴンドラが昇っているのが見えた。
チケットを買いにそばまで行くと、ゴンドラと並行してリフトもあるので、臨場感あふれるリフトに乗って山頂公園を目指す。
振り向くと、けっこうな傾斜なのがわかる。高いところが苦手な人にはちょっと怖いかも。
背後には雄大な眺め。風がほほをなでる。気持ちのいい午後。

臨場感抜群

山頂まで来て、リフトを降りるとそこのは絶景が広がっていた。
広がる青い空、空と同じ色の湖。

湖が5つ見える

湖を見下ろすテラスには、まあるくて大きなソファが何台か設置してあった。
ここで、寝転んで湖を眺めると全部ひとり占めした気分。
本当は、誰か好きな人と二人でくつろぐ設定なのだと容易に理解できるけれど、今日はお客さんも少ないから独り占めしても大丈夫だろうと一人で納得してソファに上がる。
陰がないのでちょっと熱いけど、この景色を独り占めする贅沢にはかなわない。

足、登場。

ソファの横に置いてある砂時計の砂が落ちてしまうまでソファを堪能した私は、天空の楽園を見て回る。
山頂からは360度青の世界が広がっている。
ここは、「恋人の聖地」らしい。

幸せの鐘はカップルで鳴らさないといけないので素通り

振り返ると縁結びの神社がある。
ここは、思いあう二人が向き合ってお参りすると固く結ばれるというスタイル。
三方五湖の神様はおひとりさまにはちょっぴり冷たいようだ。

その名も和合神社

ちょうど、天空の楽園はバラの盛りを迎えていた。

色とりどりの花々が空に映える

海側のテラスは神社の裏側にある。
ソファに座って眺める景色は雄大な日本海。
広く、遠く、続く海。

夜はムード満点だろうなと思ったけど、レインボーラインは夕方まで

庭園は意外に広く、ブランコが設置してあったり、木陰にはハンモックがあったり、訪れた人たちは思い思いにくつろいでいるようだ。

写真撮ったあと、しっかり乗ってきた
ここが一番気持ちよさそうだったけれど先客ありで断念

ランチを食べそびれていたことに気が付き、山頂カフェに入ってみた。
ホットサンドやドリンクが売ってあったけれど、海の色と雲の色を混ぜ込んだミックスソフトクリームを選択。

写真映えするソフトクリーム

昇ってくる人も増えてきたから、そろそろ天井の楽園を後にしようか。
帰りもまた、リフトを選択。
ゆらゆらと揺れながら天国に別れを告げた。

https://mikatagoko.com/

帰りは時短でGO

京都から三方五湖まで、往路は山を越えて来たけれど、帰りは高速を使う。
ラインボーラインを降りてしばらく走ると三方五湖スマートICへの案内板が見えてくる。
そこから京都東まで約1時間半。
旅の復路は、たいていあっけなほど早く着く。

海が見たい病完治

時々、海が見たい病に冒される。 
そして、突然旅に出る。
海を見たら、心に巣食う嫌なものがさらっと流れ去るような気分になる。
さて、しばらくは大丈夫。
また、明日も頑張ろう。


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