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すべて怪異となりえる 実話怪談とファウンドフッテージの作法

7/5(金)下北沢の本屋「B&B」にておこなわれた、ホラーの開拓者「吉田悠軌さん」と僕が敬愛してやまない奇談作家「梨さん」によるトークライブイベントに参加してきました。

三つのお題に対して、両氏がそれぞれの立場から、改変をせずに「作品」として昇華させるというのが主な内容。
お題は、「桃太郎」「取扱説明書(コピー機、プリンター)」「タマちゃん(アザラシ、懐かしい!)」
…怖がらせる要素なんてなさそうな面々。
これらの難題を、見事にホラー作品化させていました。

梨さんによる、ファウンドフッテージらしい二次資料を駆使した表現は、なにか触れてはいけないモノが僕たちに伝染させられている感覚に。モノクロの粗い写真で見るタマちゃんはもう、「存在してはいけないなにか」にしか見えません。

対する吉田さんは実話怪談師として、口と表情と手ぶりという身体ひとつで、おどろおどろしくケレン味たっぷりに「体験談」にしていました。「桃太郎」のお婆ちゃんや、「タマちゃん」での女性見学人達の、「魅入られている様子」って、はたから見ると怖いですよね。

両氏それぞれ表現は違えど、「語らなくてもいいモノと語り過ぎないモノ」の選び分けは共通しているように感じました。
それでいて、怪異の体験者の視点の違いが如実に表れていましたね。
「実話怪談」は体験者という主人公の目線を通してのみ表現されるからこその怖さ。
そして、「ファウンドフッテージ」は、体験者となる我々に断片的に見せるからこその不安さ。
この違いが、今後どう変化していくのかが、気になるところです。

僕も作家志望として、お題をもとに呟怖を書いてみました。むずい。

時間の都合で、梨さんの実話怪談と吉田さんのファウンドフッテージ作品をお互いが添削しあうという企画が中止になったのは残念。
受付でいただいたあの絵馬の紙、吉田さんによるモノだったのかと驚き。梨さん作だとばかり思いこんでいました。それにしても、嫌な話でしたねぇ。

最後はサイン会。
筆が早い吉田さんがファンサービスを勧められるがままに「昨日食べたご飯」を聞いてくださったこと、嬉しかったです。テンパって頭真っ白になった僕は思わず「サッポロ塩ラーメンですぅ…へへ…ニチャア…」としか答えられませんでしたが。
ごめんなさい。あれ、嘘です。
ほんとはハヤシライスです。
ごめんなさい。
もっといろいろ話したかった…
好きな呪いのビデオの話とか…
禍話のこととか…
呟怖とか…
Qとか…

梨さんはずっと紙袋を被っていました。
サイン書きづらそうでした。
「くるむあくむさん」と梨さんは同一ですかとか聞こうと思ってたけど、やっぱりやめといてよかったかも。なんとなく。

サインありがとうございました❗️

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