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昔のバイシクルの思い出。

 手品師がよく使うトランプがある。
バイシクルと言うトランプだ。
若いマジシャンが「バイシクルは不安定だ」と言う。
それを聞いて僕は心の中で『バイシクル(自転車)だけにね!』と思って1人でニヤける。

 『ダブルバックもよく張り合わして作ったなぁ』と僕が話してると、若いマジシャンが「えぇ!手作りですか?なんで?」と聞いてきました。

 僕は思いました。
『そうか。知らんのか…』。

 昔、テレビに出てた手品師が、シールにサインをしてもらって、そのシールをカードに貼って手品をしていた。
その辺の事も書いていきます。

 僕が手品をやり始めた頃、バイシクルは1デック900円前後でした。
品質は今より不安定で、分厚いのもあり、ケースにパンパンに入ってる物もありました。
逆に薄いのもありました。
印刷がズレ過ぎて、インデックスがハミ出てる物もありました。もちろん不良品です。
 箱のフラップが大きかったのも懐かしい。

 印刷も不安定で、色の差も大きく、違うバイシクルのカードを混ぜても分かります。
手品仲間と一緒に練習してて、同じ色のカードを落として混ざっても、色の差で正確に分ける事が出来ます。

 あと、インクの入れる場所を間違えたのでしょう。赤も青もすっごく紫に近い物がありました。
ディーラーの方が販売出来ないと嘆いてましたが、僕は凄く気に入り、ダースで買いました。

 その時に売られていたダブルバックが何故か色がかなり薄い色をしてました。
バイシクルはカジノでも使われてたので、不正防止の為ではないでしょうか。
なので、レギュラーに混ぜると、一目で分かります。それくらい違いました。

 なので、ダブルバックを貼り合わせる技術を磨き、手作業で作ってました。  

 あと表面加工がピカピカの物があり、そのカードは油性マジックのインクを弾くので、サインが出来ませんでした。

 なので、テレビに出てた手品師がシールを使っていたのは、表面加工が強過ぎるせいで、そうしていた可能性も考えられます。

 あと直接カードに書くとなると、お客さんが気を使ってしまうので、シールに書いて貼る方がお客さんは気が楽かも知れませんね。
僕も使っていたのですが、蛍光色のシールを使うと、サインが凄く目立ちます。

 直接サインしてもらう時も、緑色のマジックを使ってました。
カードの表で使ってない色だったので。
クラブの10に黒のマジックでサインしても分かりにくいですし、絵札も同じです。
ですが、シールを使うとどんなカードでも見やすくなります。

 よくサインしたカードをお客さんにあげると「えっ!良いんですか?」と聞かれます。
トランプから1枚減る訳ですから。
そういった部分も、シールを剥がしてプレゼントする事で、お客さんの気遣いも減ります。

 ここだけの話ですが、シールを貼ると、手触りで分かります。
前もってシールの上にシールを重ねて貼っておくと厚みがあるので、その部分で分ける事も出来ます。その場合シールをプレゼント出来ませんが…。

  お客さんの気遣いも軽減出来て、サインは見やすく、レギュラーも減らない。
最近では見ませんが、良い方法だと思います。

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