授業中は大きな声で話すな! 塾に命を賭ける男(3)

第2回に続いて今回は、
モチベーション維持の方法など、生徒の気持ちの面で行っている工夫を紹介する。

◾️途中で休憩を入れ、雑談の時間を設ける
→私の務める塾は、80分で1つの授業が構成されている。
対して高校などの授業は、50分〜60分程度のものが多い。つまり、塾の授業は学校と比べて長い。
そのうえ、先生と1体1で授業をするので、圧迫感があり疲れやすい。
そのため、授業の半分くらいに雑談の時間を3分ほど設けている。
これによって得られる効果は2つ。
1つは、リラックスできることだ。
先程述べたように、塾の授業は時間が長く、1体1なので疲れやすい。そのため、リラックスする時間を設け、集中力を維持させている。
またこの時、私が話すのではなく、生徒が話すように会話を工夫している。
生徒が話すことによってより疲れが解消されるからだ。
もう1つの効果に、私自身の隙が作れるということがある。
私は強面だし、態度も少しよそよそしい。
そのため、生徒に近づきづらい印象を持たれることもしばしばある。すると、分からないことがあっても聞きづらい。しかし、雑談の中で自分の素を見せることで少しでも親しみやすくなり、分からないところを聞きやすい関係性を作ることができるのだ。

◾️大きな声は出さない
→私は授業中、基本的に中くらいの声でしか喋らない。なぜなら、大きな声で話すと生徒の間違いを他の人の前で指摘することになり、生徒の気分を害することにつながる。また、大きな声で間違えを指摘されると、間違えることに負の印象がつき、失敗を恐れるようになる。
そのため、基本的に中くらいの声で話すことを意識している。

◾️座る位置は横が最もベスト
→個別指導の塾で、生徒の座る位置は主に3パターンある。
①生徒と先生が対面になるもの 
②生徒の横で同じ向きをむくもの 
③生徒の横に90°回転した形で座るもの
の3つだ。
先生↓         先生↑生徒↑     先生→生徒↑
生徒↑    

この3パターンだ。矢印は視線の向きを表している。これらのうち最も適切なのが、③である。
①は向きが逆なので、生徒の持っているテキストを自分も持っていない場合、いちいち生徒のテキストを借りて見なければならないという面倒がある。尚且つ、生徒と対面なので圧迫感が強い。
②は、①のテキストの問題は解決できるが、後ろから見られている感がどうしても拭えない。
③は、圧迫感も後ろから見られている感もなく、テキストの問題も解決できるのでベストだ。
ちなみに、生徒が問題を解く際私は別の作業をしていることが多い。
先生の視線が気になって集中して解けない子もいる。それに対する配慮だ。
また、生徒に何かを書いて教える際、私は自分の手で書いている内容が隠れないようにしている。
書いている内容が隠れると、生徒の思考はそこで一時的に止まってしまう。すると、私の解説についてきづらくなる。勉強が苦手な子や、習う内容が苦手分野であれば尚更だ。
それを防ぐための工夫だ。

まとめ

今回はモチベーションに関する工夫をいくつか紹介した。まだまだあるが、それは次回以降で解説することとする。

追記:
→本文にて、雑談をすることにより隙を作っていると説明した。
これに関して、「親しみやすい」と「舐められている」ことは違う。
親しみやすい
→分からないところを気軽に聞けるような関係性
生徒に舐められている
→心のどこかで先生を侮っている
例えば、授業中なのに横の生徒と話してしまう場合などだ。これは、「その先生なら別に怒らないだろう」という仮定に基づいた行為である。
生徒との関係性は前者の方がいい。舐められていると隣の生徒と話して集中しなかったりして、色々弊害が起きるからだ。

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