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ナビの闘病日記 その6


2023年10月20日(金)
やっと最後の抗がん剤投与である。本日で抗がん剤投与は終了し、後は成り行きに任せることにした。幸い寛解になればいいのだが、今までのリンパ節の状況からすると難しいと思われる。リンパ腫がナビの体を蝕んでいく可能性は大きいが、緩和ケアに切り替えて少しでも彼女が幸せな生涯を終えられるように寄り添うことにする。

抗がん剤投与から帰宅したナビは凄まじく食欲旺盛で、いつもの夕食をペロリと食べて「もっとくれ、もっとくれ」と催促する。とりあえずはいつもの鰹節を与えて、終了とした。

その後は、ナビ用の敷物の上で寝ている。疲れたのだろう。お疲れ様でした。

2023年10月21日(土)
4回目の1日目である。
今までは、毎回なんらかの食欲不振になっていたのだが、今回は全く問題がない。ただし、最も厳しい食欲不振は3日目なので、まだ安心はできない。

■やっぱり4回目の抗がん剤による副反応

2023年10月22日(日)
4回目の2日目で副反応が出た。
朝の牛肉と鶏肉を食べない。ただし、その後のかぼさっぺは食べてくれた。牛肉と鶏肉はルールに従って、昼に回した。昼食では、K9を加えることで朝の残りは完食した。鹿ボールは夕食に回す。夕食の牛肉と鶏もも肉もそのままでは食べず、K9を加えて完食した。その後のかぼさっぺも完食し、昼の鹿ボールも食べた。

2023年10月23日(月)
4回目の3日目である。食欲不振は続いている。
朝食の牛肉と鶏もも肉は何も加えずに食べてくれた。これで安心して、かぼさっぺに投薬用の残りのサーモンペーストを加えたのがまずかったのか、牛肉入りかぼさっぺを食べない。そしてK9を加えても食べきらず、牛肉入りかぼさっぺとK9、40gを残して捨てた。

昼食は鹿ボールだが食べず、赤魚を入れると完食した。

夕食は牛肉と鶏もも肉を与えるが食べず、K9を入れても食べない。ところが、かぼさっぺに私たちの夕食の鶏手羽を入れるとかぼさっぺ用の牛肉20gも食べた。これに勢いづいたか、最初の牛肉と鶏もも肉もかつお節を加えるとでほとんど完食した。また、投薬にマトンを使おうとしたが、拒否されてカンガルーに切り替える。

2023年10月24日(火)
朝食は、牛肉と鶏もも肉、そしてかぼさっぺを与えたが、全体の3分の1ほどしか食べなかった。

昼食は朝食の残りの牛肉と鶏もも肉を与えるが食べきらず、ルールに従ってK9を加えて完食した。その後、朝の残りのかぼさっぺと鹿ボールを完食した。結局、昼食は合計で278gも食べてくれた。

夕食は、牛肉と鶏もも肉を与えるが食べ残し、さらにK9を加えるが食べ切らなかった。その後、かぼさっぺを卵の黄身と一緒に食べさせると食べ残しも食べ切った。合計で297g食べた。

2023年10月27日(金)
24日以降も、朝は食べないが、昼には食べる。また、食べない場合でも、K9か卵や魚をトッピングすると食べてくれ、結局一日分を完食してくれた。事前に決めておいたルールに従い、割り切って対処したので気持ち的に楽だった。

本日は体調確認のために病院を受診する日だが、例によって朝は食べず、10時半ごろに朝の牛肉と鶏もも肉を食べた。体調確認の結果は、骨髄抑制のせいで白血球数が今まででもっとも少なく、2,600だった。感染症に注意しないといけない。

本日、今後の治療方針に関して説明があり、私たちの考えを伝えた。私たちの気持ちは先日と変わらず、これで抗がん剤治療は完了とし、今後リンパ腫が悪化しても対処療法と緩和ケアで対応することを告げた。そして、本日から予後のケアのために1日1錠のステロイドの投与が始まった。

■投薬失敗

2023年10月28日(土)
本日も朝は食べずに10時半ごろに朝食分を食べた。

ただ、本日は朝の投薬に失敗してしまった。現在はカンガルーペーストで投薬しているのだが、最初の試食で問題なかったので、抗生物質を与えると途中で出してしまった。昨日も書いたように、現在の白血球数が減っているナビにとって抗生物質は必須である。その後もパンにくるめて与えたが、やはりダメで、結局は直接口から投与した。久しぶりに行ったが、拷問しているようで嫌なものだ。

結果的には、昨日同様に昼食も夕食も問題なく食べてくれて、食事の帳尻は合った。

後1週間で抗がん剤治療も終わるわけだが、なかなかスムーズにいかないものだ。

■食欲復活

2023年10月29日(日)
久しぶりに朝食の牛肉、鶏もも肉、かぼさっぺを完食してくれた。投薬も以前は拒否されたマトンで無事にできた。やっと回復したのであれば、うれしいのだが。

■腎臓機能障害

2023年11月3日(金)
本日は抗がん剤の影響を確認するための最後の受診である。心配していた白血球数は12,300と正常値になった。これで一安心である。

尿素窒素の数値が高いことから、今回は検尿を行い、その結果、蛋白が確認された。腎臓の機能障害が疑われるが、加齢によるものかもしれない。2週間後に再度検尿をして、タンパク量を数値的に把握した上で、今後の対処を決める。私たちとしては、高齢になっている状況での過度な治療は望まないことを告げた。

抗がん剤の投与が完了したことから、抗生物質の量を減らすように提案し、半分にしてもらった。獣医の話では、ステロイドにも免疫抑制の効果があるために抗生物質の投与をなくすことはできないとのことである。しかし、抗がん剤投与時と同量はないだろうということで減量することになった。

ステロイドの影響もあるのだろうが、旺盛な食欲である。以前のようにフードを作っているとそばまで来て欲しそうにする。今朝から鶏肉を「もも」から「むね」に変更したが、問題なく完食した。最終的にはドッグフードに戻すように段階的にトライするつもりである。

また、これは明らかにステロイドの影響だが、多飲多尿になった。夜中のトイレはちょっと疲れる。

■ドッグフード復活

2023年11月5日(日)
夕方の食事からドッグフードを与えてみることにした。牛肉と鶏むね肉の後に、以前と同じロイヤルカナンの消化器サポート(高繊維)を30gを水でふやかして与えると完食した。5月24日以来、約6ヶ月ぶりのドッグフードの復活だ。

今後は、徐々に肉やかぼさっぺをドッグフードに切り替えていくことにする。まずは牛肉を減らし、次にはかぼさっぺをドッグフードに切り替える。そして、その後に牛肉と鶏むね肉をなくし、全てドッグフードにする。

2023年11月6日(月)
朝食で、牛肉を今までの半分の量にして、ドッグフードを30g与える。問題なく完食した。

2023年11月8日(水)
本日からかぼさっぺをやめて、ドッグフードを20g増やして50gにした。今まではかぼさっぺは食卓で与えていたので、同じように食卓で食べ物を欲しがって困る。

ちなみに、ドッグフードを与えるようになってから便の状態がよくなった気がする。悪性リンパ腫が見つかって本日でちょうど7ヶ月が過ぎた。長いようで短い7ヶ月だった。よく頑張ったな、ナビ!!

■抗がん剤治療完了

2023年11月10日(金)
抗がん剤治療を始めて以来、初めての病院を受診しない金曜日である。

ナビの状態は極めて良好である。食欲も旺盛だし、散歩の元気でうんちの状態も良い。ちなみに、食事は昨日で鶏むね肉がなくなったので、本日から昼の鹿ボール以外、朝夕の食事は全てドッグフードに切り替えた。量は以前と同じ100gにする。

これで治るほど、この病気は簡単ではないのは十分にわかっているのだが、せめて状態が良い今だけでも楽しく過ごしたい。いや、過ごさないといけない。

2023年11月13日(月)
無事に食事がドッグフードに切り替えられ、ナビの体調も良いことから、唐突ながら伊勢志摩の旬香に行くことにした。

伊勢志摩の魅力は、なんと言っても美しい海と砂浜である。毎回、ナビは楽しそうに走っていた。しかし、最近は後ろ足に異物が入ると不快なようで、砂浜では腰砕けのようになって歩けなくなっていた。果たして彼女が砂浜を楽しんで走ることができるだろうかと心配してのだが、おそらくはステロイドのおかげだろう、不快感は無くなっていたようで、以前と変わらず砂浜を走っていた。

宿でも元気だった割には、夜はおとなしく寝てくれた。居心地が良かったのだろう。本当に来て良かった。(伊勢志摩での様子は改めて投稿する予定)

無事に抗がん剤治療を終え、フードも以前の通りとなり、締めくくりに伊勢志摩を訪れることができた時点で、「闘病日記」ひとまず終了とすることにする。

次回、この日記が綴られることがあれば、それはリンパ腫が再発した時だろう。そんなことにならないことを心から祈っているが、この病気の特性上避けては通れない可能性が高い。それまでは、大切な日々を楽しく有意義に、そして大切に過ごすことにする。


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