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ナビの闘病日記 その2


■生検結果が出た

2023年4月15日(土)
4月8日の生検の結果が出た。懸念していた「悪性リンパ腫」である。そして彼女の2度目の闘病生活が始まることになった。まさに青天の霹靂だ。

犬の場合、「悪性リンパ腫」に罹患し治療をしない場合は、余命はわずか1ヶ月とのことである。抗がん剤による治療への不安はあるものの、それを拒否する選択肢はない。治療費は一度の治療費が平均して6、7万円で、基本的には16回の抗がん剤投与を行うので、約100万円になる。

また、治療に伴う診察などを入れると費用はさらに必要になる。ここにきて、覚悟していた1千万円が必要になるとは夢にも思わなかったが、すでに7年半前に覚悟を決めていたので、費用に対する心の準備はできていた。

また、ナビはすでに12歳であり、人で言えば80歳を過ぎている。大型犬の寿命は大体10年と言われており、これからの余命を大切に過ごすための良いきっかけになったとも言える。抗がん剤の副反応はとても心配だが、これからの日々を前向きに過ごそうとモーニャンと二人で心に決めた。

■抗がん剤治療を始める

2023年4月21日(金)
抗がん剤の投与が開始される。抗がん剤は、1クール4回で4クール、合計16回投与される。最初の2クールは毎週投与し、1クールと2クールの間は2週間空ける。その後、3クールからは2週間ごとの投与となる。

投与される抗がん剤は4クールとも同じで、1回目が血管注射で、2回目が錠剤の経口投与、3回目は1回目と同じ、そして4回目は麻酔をしての点滴投与となる。投与はいずれも病院で行い、半日様子を見て午後の最終(17時ごろ)に迎えに行く。

抗がん剤は分裂を行っているがん細胞を攻撃することで、癌の進行を抑える。成犬の細胞はそのほとんどが分裂を終えているが、その中で消化器官や骨髄の細胞などは分裂を繰り返している。その結果、大きく分けて二つの副反応を伴う。

一つ目が消化器毒性で、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が出る。時期は投与当日から2日目である。二つ目が骨髄抑制で、免疫細胞である白血球が減少することで、感染症などのリスクが高まる。

最悪の場合は敗血症で死亡することもあることから、抗がん剤治療中は細菌感染を防ぐために毎日抗生物質を飲み続けないといけない。また、ステロイドを1クールと2クールは毎日飲ませる。2クールは1クールの半分に減薬し、3クール目からは与えない。

2023年4月28日(金)
1クール2回目の抗がん剤を投与する。

■体温計

2023年4月29日(土)
体の異変を早めに確認するために、毎日体温を測ることにする。犬の体温は肛門で測る。病院に確認すると体温計は人用でも問題ないとのことだったので、我が家にあった人用の体温計をナビ専用にすることにした。

4月29日の体温は38.3度で平熱だった。犬の体温は37.8度から39.3度くらいである。ところが、翌日測定すると39.0度になっていた。それまでの病院で測定した体温は38.0度前後である。いくら39.3度までは平熱とは言え、この状況は軽い発熱と言わざるを得ない。

ネットで「動物用体温計」があることを知り、急遽近くのペットショップで購入する。早速測定してみると38.3度だった。人用でもいいのだろうが、短時間で測定するための予測機能のある人用体温計は正確な体温を測れないようである。

購入したのは予測機能付きだが、動物用の場合は人用とはプログラムが異なるのだろう。

2023年5月5日(金)
1クール3回目の抗がん剤投与の予定だが、投与前の血液検査の白血球数が少なく、翌週に延期となる。

2023年5月10日(水)
白血球数が正常値になったことから、延期になっていた1クール3回目の抗がん剤を投与する。

■ドライフードを食べない

2023年5月13日(土)
ナビは悪性リンパ腫になるまでは、ロイヤルカノン社の消化器サポート(高繊維)という銘柄のドライフードを長年食べていたのだが、1クール3回目の投薬後のこのドライフードを徐々に食べなくなる。

それまでは、旺盛な食欲で食べていたのに、嘘のようにぴたりと食べなくなったのである。幸い、ナビは下痢、嘔吐などの消化器系の副反応が出ていなかったために、この食欲不振が最初の副反応である。

2023年5月14日(日)
昼のドライフードをほとんど残したために、動物病院を受診する。血液検査の結果、肝臓の数値が非常に高い。おそらくはステロイドが原因だろう。胃の働きを改善する薬を注射し、肝臓と胃の働きを改善する薬を処方される。

また、ドライフードを食べないために、フードに混ぜていた投薬ができないことから、投薬用のウェットフード(ロイヤルカノン社消化器サポート)を購入する。

2023年5月19日(金)
1クール4回目の抗がん剤を投与する。

2023年5月21日(日)
朝からドライフードを一切食べない。昼前に動物病院を受診し、胃の働きを改善する薬を点滴する。ドライフードにトッピングするためのウェットフードを購入して、夕食で試すが、全く食べない。

2023年5月22日(月)
朝食に、ゆでた鶏もも肉とゆで汁をドライフードにトッピングして与えると食べてくれた。昼と夕も同様だった。

■手作りフードに切り替える

2023年5月24日(水)
朝、ゆでた鶏むね肉とゆで汁をドライフードにトッピングするが、食が進まない。昼には食べてくれない。また、朝の便が軟便であり、夕方はさらに軟らかくなる。消化器毒性のせいだろう。

夕食から、ドライフードをやめて手作りフードに切り替えることにする。細切れにした鶏むね肉と野菜をゆでてを与えると400gを完食した。その後、鶏むね肉と鹿肉のローテーションで肉と野菜類をゆでて、朝400g、昼300g、夕400gを調子良く完食する平和な日々が続いた。

主な野菜類は、キャベツ、カボチャ、サツマイモ、大根、小松菜、しいたけ、おからパウダーなどで、これらを肉と一緒に煮る。

5月31日の手作りフード

2023年5月26日(金)
2クールまでは2週間空けるが、状態確認のために病院を受診する。血液検査の結果は問題ない。また、便の状態は良好だった。


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